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明日にかける橋ー編集日記 ヒーターを入れ、キャベンジンを飲む [「明日」編集]

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明日にかける橋ー編集日記 本日の作業

①ホテル(尾形社長と会うみゆき)
②近所の人(噂話とビラ兄ちゃん)
③近所の人(指名手配のビラ配る)
④駄菓子屋(女子高生探偵団)
⑤法多山(身代金)
⑥石松寺(達也消える)
⑦階段(現代)
⑧図書館
⑨石松寺(アヤカ消える)
⑩実験室(里美先生)

全て粗編集。各シーン共に短いのでかなり進んだように見えるが、数をこなしていることを自覚することで焦りを押さえるため。特に「ホテル」はかなり細かい編集となるので、素材を並べただけ。「法多山」は見せ場なので流れだけを整理。後日、本格的に作業。

これまでタイムラインを前後編に分けてOK素材を並べていた。あまりに長いとタイムラインの限界を超えるからだが、粗編が進んで本日でひとつになる。現在、時間は6時間。これを2時間にする。。

相変わらず「おおーーーいいななあ!」と思ったり、「あーーーダメだ〜」と落ち込んだりする。そして、本日はかなり致命的な失敗を見つけてしまう。これは酷い。。。どうすればいいのか。。。

調子が悪いので「原因は何か?」と考えると熱がある。これはマズい。ここで風邪はひけない。まだ11月になったばかりだが、ヒーターを入れる。胃がキリキリするので、久々にキャベジンを飲む。。。今月は死闘だ。


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明日にかける橋ー編集日記 クリエーターは日常を生きにくいの? [「明日」編集]

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編集中は非常にナイーブで感情的になり、神経がもの凄く敏感になっている。まあ、そうでなければ観客をハラハラさせたり、涙させる物語作りはできない。

というのも、編集というのは主人公の気持ちを映像で伝え、観客に感情移入してもらい、波瀾万丈を体験させ、感動させる仕事。俳優が涙を零す場面があっても、それを引き絵で見せては伝わらない。やはりアップで涙が見える必要がある。でも、和解した2人が抱き合うシーンを寄りで見せると、白々しくなることがある。この場合は引き絵で見せた方がじんわりすることもある。

次のカットは何にするか?を考え、どんなカットを繋ぐと状況が分かり、主人公の気持ちが伝わるか?を神経を尖らせて作業するのが編集。だから、うまく繋がらないと日頃以上に苛立つ。感じる力が日頃の数倍になっているからだ。分かりやすく例えると、出産後の母猫のようなもの。子供を守るためにもの凄く敏感になり気が立っている。そんなときに頭をなでようとすると噛み付かれてしまう。

編集も同じで、怒り心頭のシーンを作業しているときに電話がかかって来ようものなら、その怒りを電話の相手にぶつけてしまう。メールが来ても非常に感情的な返事をしてしまうこともある。だからこそ、外部を遮断。人と会わずに作業しないと、トラブルになってしまう。

また、感情的であると同時に、不安と喜びが背中合わせにやってくる。編集作業がうまく行くと「おーーこれは傑作になるぞーー」と大喜びするが、うまく繋がらないシーン。必要なカットがうまく撮れておらず、盛り上がらないと「あーーダメだ。これでは観客を感動させられない......もう、俺には映画を作る力はないのか....」ともの凄く落ち込む。

感情の振り幅が広く、1日の内に有頂天になったり、落ち込んで自己嫌悪にかられたり、ボロボロになる。だが、神経を鋭く尖らせていないと編集はできない。鎧を着けずに裸で戦場で戦うような感じだ。体中が傷だらけ。打ちのめされて作業ができなくなる日もある。

外から見ると精神病に見えるだろう。「あの人、おかしい〜」と。或は「やはり芸術家というのは変なのね〜」と思う。そんな感受性を持つ人は日常を生きるのがとても辛い。いろんなことに傷ついてしまい、些細な事で心が折れる。たぶん、子供の頃は皆、多感な感受性を持っているのだが、大人になるに従い、身を守るために、傷つかないために感性を鈍化させるのだろう。特に今の時代。無神経な方が生きやすい。そして教育が感性を育てることをしないこともあり。大学を出た頃には感じる力のない大人が出来上がる。

女性の場合はそれでも、多感で感じる力がある人が多い。比べて男性は20歳になればもう、鋭い感受性はほとんど失い。オジさんになると完全無欠な無神経人間=サラリーマンロボットになることが多い。女性は歳を取っても歌舞伎や芸能を楽しむが、オジさんは家で野球を見るくらい。そして女性はそんな夫の振る舞いに苛立ち「何でこんなに無神経なの!」と心を痛める。その背景が感受性の鈍化なのだろう。

男でも女でも、鋭い感受性が鈍化せずに大人になると生き辛い。そんな人は無神経な振りをして、自分を偽って過ごすしかない。だが、その種の人がクリエーターや芸術家になる素質があるのだ。日常は苦しいが、仕事で「ここ一番!」というときに、その感受性を発揮させる。それが作品となり人々を感動させる。

話が逸れたが、そんなふうにクリエーターというのは鋭い感受性を持たねばならないが、現代社会を生きると大いに傷つき、心折れることが多い。だが、それは歌や小説、絵や演劇というアートの世界では大いなる力となる。そう考えると、物作る人たちは理解され辛いし、気難しいのもよく分かる。自分もそんな世界で生きていることを考えると、ため息が出てしまう。本日も編集をスタートする。


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明日にかける橋ー編集日記 刑事ドラマに初挑戦? [「明日」編集]

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僕の映画は基本的に「青春もの」であり「家族ドラマ」である。今回は5作目であるし、そのジャンルは得意とするところ。しかし、毎回、同じ繰り返しでは詰まらない。

デビュー作の「ストロベリーフィールズ」と「青い青い空」は「青春ドラマ」でありながら「家族ドラマ」であったが、前作の「向日葵の丘」は青春ドラマであると同時に「大人の友情物語」であり「家族ドラマ」である。「朝日のあたる家」も「家族ドラマ」でありながら「社会派ドラマ」でもある。

そんなふうに、僕の映画にはいろんなジャンルのドラマが混在する。そして「明日にかける橋」は「家族ドラマ」でありながら、やはり「青春ドラマ」であり、同時に「刑事ドラマ」という新しいジャンルが入っている。ここが今回の挑戦。「ホラー」は何本か撮ったことがあるが、「刑事もの」は今まで撮ったことはない。

映画監督というのは何だかんで専門がある。ジョン・フォードは西部劇。ヒッチコックはサスペンス。ブレイク・エドワーズはコメディ。得意でないジャンルに挑戦して大失敗した監督もいる。が、監督というのは同じことばかりしていたくないので、挑戦をしたがるのだが、なかなか難しい。

スピルバーグは「未知との遭遇」「ET」とSF、ファンタジー系の映画を撮っていたが、やがて「カラーパープル」「シンドラーのリスト」「太陽の帝国」と文芸作品に挑戦。見事に成功した。が、「タクシードライバー」「レイジングブル」のマーティン・スコッセッシはロマンティクなラブストーリー「ニューヨーク・ニューヨーク」に挑戦したが興行的に大失敗。評判もよくなかった。その後は社会派を続けている。

そんなふうに監督には得意ジャンルがあるのだが、同じことの繰り返しを監督たちは嫌い、挑戦したがる。僕も同様で全く違うジャンルに挑戦する訳ではないが、これまでと違ったジャンルの要素を取り入れる。今回は「刑事もの」だ。しかし、失敗したら目も開けられない。簡単なようでとても難しいジャンルだ。

とは言え、僕は「刑事ドラマ」は昔から好き。中学生の頃からよく見ていた。というと「太陽にほえろ」や「西部警察」「あぶない刑事」と言われそうだが、そちらではない。「特捜最前線」や「新宿警察」最近では「相棒」だ。アクションではなく社会派の刑事ものが好きだった。

映画でいえば「ダーティハリー」「フレンチコネクション」は定番として、「ブリット」も好き。黒澤映画ではやはり「野良犬」「天国と地獄」近年ではテレビドラマだが「24」は全シーズン見ている。「ダイハード」や「リーサルウエポン」はあまり好きではない。こうして考えるとやはり「社会派」が好きなのだ。

今回、物語に「刑事ドラマ」要素を取り入れているので、その辺の勉強をした。一番参考にしたのが「天国と地獄」と「24」。しかし、研究した結果、分かったのは、あの2本は時間もお金もかけているから、あれだけのものが出来たということ。スタイルだけ真似ても、あんな凄い作品にはならない。

でも、今回はやらねばならない。あれこれ試行錯誤。カメラワークや照明にこだわり。刑事ドラマパートを撮影した。その部分の編集がついにスタートした。果たしてどうなるのか? 自分でも不安だったが、繋いでみると意外にいい! まだ最初のシーンだけだが、楽しくなってきた。


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