SSブログ

飛行機で1時間で行けるロケ地=映画製作にとってお得か? [地方映画の力!]

50863676_2425120747562215_4378059721878274048_n.jpg

飛行機で1時間で行けるロケ地=映画製作にとってお得か?

時々、地方自治体の方から「監督、ぜひ、うちの町で映画を撮ってくださいよ」と言われる。ある町に仕事で行った時は観光課の課長さんがやってきて「ぜひ、市内を案内させてください」と言われた。課長さん自らの運転で市内の名所巡り。というのも、多くの自治体は今、財政難。新しい事業を始めるのも難しい。元手をかけずに収入が増えるのは観光。観光客が宿泊、お土産、食事とお金を落としてくれる。

が、京都、奈良のような観光地ならいいが、何ら有名な史跡もない。大自然の恵みもない町にはなかなか来てくれない。そこで映画のロケ地。映画の舞台となった町には、その映画を見て感動したファンがやってくる。映画が撮影されることでマスコミが紹介する。町で作るパンフレットにも映画「***」のロケ地と書ける。いろんな意味で大きなアピールができるのだ。ただ、映画製作者側からいうと簡単ではない。ある田舎町の方が言った。

「監督、うちの町は東京から遠いと思われがちですが、飛行機なら1時間ですよ! あっと言う間ですよ。ぜひ、映画を撮ってください」

だが、問題は時間ではない。お金だ。東京からその町まで飛行機だと片道3万2320円。往復で6万4640円。スタッフキャストが約50名。掛ける50で、300万以上。その内10名以上が何度も往復する。俳優もそれなりの人はビジネス・クラスにせねばならない。そして宿泊。地元ホテルに50人が数週間泊まる。飛行機代と合わせて700万以上。さらに現地で使うレンタカー。機材や衣装も郵送。その他の経費も入れれば1000万は必要になるだろう。

IMG_4150.JPG

もし、同じ物語を東京近郊で撮ればその1000万はかからない。その分を節約。あるいは他に回せる。CGで迫力シーンを作る。大爆破シーンができる。ロケ弁が豪華になる。いやいや、そんなもんじゃない。いろんなことのプラスになる。おまけに交通費や宿泊費がいくらかかっても、映画自体のクオリティは上がらない。5千万の製作費だとしたら、その内の5分の1は物語に関係のないことで消えてしまうのだ。

そこまでして、その町でロケして何のメリットがあるか考えると厳しい。京都奈良なら憧れる人たちがいる。北海道も同様。神戸横浜もあり。しかし、聞いたこともない町、歴史的な史跡もない。広大な大自然もない。その町で撮影して喜んでくれるのは、町の人たちだけ。わが町が映画でアピールできる人たちのみなのだ。だから「監督、ぜひ!飛行機で1時間ですよ」と言うのだが、その「飛行機で1時間」がどれだけ高くつくのか?分からない方が多い。

でも、それを理解し製作サイドのメリットを考える町もある。要は製作費が削減できることがあればいい。宿泊を地元の旅館やホテルが引き受け全部無料にする。食事を地元の人たちが全て提供。他、車、機器、ロケ地探し協力と、少しでも製作費が安くなるような便宜を図る。そんな支援をする街もある。

そうすれば多少遠くても「その町でロケしようか?」と言うことにもなる。その種の活動をするのがフィルムコミッションなのだが、それはまた別の機会に紹介。そんな風に「飛行機で1時間だから近い。ぜひ、うちの町で」は問題はあるが、考えればいろんな方法はある。また、そのことは紹介する。



IMG_3811.jpg
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。