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明日にかける橋ー本編集の作業は快調? 胃の痛みが緩和 [「明日」編集]

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1ヶ月かけた粗編集。胃がキリキリしている。というのも、うまく繋がらないところ。タイミングが違うところ。おかしなものが映っているとこ。思った通りに撮れていない等の問題がいくつも見つかったからだ。

あと、本当に情けないが、撮り忘れカットも少しあったし「あーなんで寄りを撮っておかなかった....」と後悔するシーンもある。真夏の猛暑とハードスケジュール。優秀なスタッフが揃っていても、撮り忘れというのが出ることがある。また、用意されていたもの(人、物、風景、セット等)が意外に効果を上げていない。うまく映っていない。大画面で見るとと余計なものが映っていた。ということもある。

実はハリウッド映画でもよくあることで、そんなミスを映画館で発見してしまうことがある。でも、今は人ごとではない。編集というのは、そんなことを補修、修復、隠す、作業もせねばならない。その辺は撮り直しをするべきなのだが、予算、時間、スケジュールを考えるととてもできない。ただ、あの黒澤明はラッシュを見てそんな問題を見つけると、必ず撮り直しをしたという。予算が超過しようが、時間がどれだけかかろうが。天皇と呼ばれる人だからそれができたのだ。

「あーーーあのシーン何とかなるかなあ〜」と胃がキリキリする中、本編集をスタートした。ら、意外にどのシーンもうまく繋がって行く。これはマルチカメラ。複数のカメラで撮影してあることでのプラス。問題ある部分を他のショットで補えるのだ。若い俳優は演技を繰り返すたびにタイミングが違う。だからこそマルチカメラで一気に撮ると繋げやすいのだ。が、角度を変えて二度三度撮ると、やはりそれぞれにタイミングが違う。

また、演技が終わらない内に次の台詞を言っていたりもする。特に望遠レンズで撮っていると(スタッフは俳優からかなり離れたところにいるので)演技の細かな部分が分からず、編集時に気付くということもある。その辺、ベテランはミスがなく、安心して編集できる。

撮り忘れとなると、もう目も当てられない。あってはいけないことだ。が、今回も1−2カ所あった。暑い、忙しいは理由にならないが、そんな日のことを思い出すと何か事件があったり、誰かが問題を起こしたり、イライラする日であることが多い。そのためにも現場で怒鳴ったり、喧嘩したり、文句の多いスタッフやキャストを呼んではいけないというルールに繋がる。

だが、昨夜の本編集ではほとんどの問題をクリアーできた。うまく繋がっている。胃の痛みも少し和らいだ。なんてことを書くと「この監督、まだまだ未熟なんだなあ。編集でごまかすなんて!」と思われそうだが、こんな情けない話。他の監督はしない。撮影現場は戦場だ。計画通りにはいかない。必ず問題が起こり、あとで「あのカットを撮っておけば...」と多くの監督たちは後悔する。でも、それを公言しないだけ。

フランソワ・トリフォー監督の撮影日記を読んでも同じことが書かれていた。「今さら撮り足しは出来ない。が、明らかに必要なカットが撮れていない。他の素材から主人公のアップを探す。これなら背景が気にならないから使える。このカットは逆回転して使えば足りない部分を補える」とか綴っている。巨匠でも同じようなことをやっていると知り、少し安心したことがある。


しかし、完成した映画を見ると、そんな苦労をしていること。観客は気付かない。いや、気付かれてはいけない。繋がりとか小道具とか、タイミングなんかではなく、物語に専念して見てもらうことが何よりも大切なのだ。


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明日にかける橋ー編集日記 本編集スタート。 [「明日」編集]

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講演会も終わり、粗編集も1ヶ月かけてほぼ済んでいるので、いよいよ本編集をスタートする。これからは粗編と違い、1秒、1コマにこだわり、完成版にする作業だ。粗編では動きがおかしかったり、ダブっていてもOK。とりあえず流れが見れればいい。

が、本編集は完全に全てが繋がり、ぎこちなさがあってはならない。その辺は当然のことだが、太田式編集はここでシナリオに書かれたのとは違う展開に繋ぎ変えたり、タイミングをずらしたり、普通の監督はしないこともする。だからこそ、ここからが勝負なのだ。

まずはオープニング。いつものように富士山からスタート。そして町の風景紹介。主人公・みゆきのモノローグに乗せて美しい町並みを見せて行く。撮影中に仮のモノローグを杏ちゃんに読んでもらい録音しているので、それをタイムラインに貼付けてみる。さらにイメージに近い既成の映画音楽のデータも貼付ける。こうすればかなり完成版に近い形だ。

んーーーいい感じ。いつものオープニングだ。静岡でロケした4作は全て同じスタイルで始まる。その後はそれぞれ全然別の物語が展開するのだが、オープニングは同じ。ファンの人たちは最初に富士山が映ると「おーー太田映画が始まった〜」と嬉しくなると言ってくれる。今回も期待に応えていつものスタイルだ。すでに粗編はしてあったが、オープニングはとりあえずのスチール写真にしてあったので、今回改めて動画から風景ショットを選ぶ。

最初は富士山。そして袋井、磐田、森の風景。最後に明日橋となり、タイトルが出る。 昼頃から初めてすでに6時間。何だか、いい感じになってきた!今夜中に2−3シーンは進めたい。次は下旬に秋風景撮りに地元に行かねばならない。それまでに最後まで行きたい。タイムリミットは14日ほど。


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