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「明日にかける橋」パンフレットが他の映画と違う理由? [映画宣伝入門]

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「明日にかける橋」パンフレットが他の映画と違う理由?

地方ではときどきチラシのことをパンフレットと呼ぶ人がいる。が、チラシは1枚ペラの広告の紙。パンフレットは何ページもある。文章や写真の載った有料のあれである。なぜ、そういうのか?わからない。地方によるのか? でも、正解はチラシはチラシ。パンフレット(あるいはプログラム)はパンフレットである。

さて、「明日にかける橋」パンフレットは非常に評判がいい。これは嬉しい。いつもパンフは僕が企画する。どんなページが必要か? どんな写真を載せるか? 全て決めた上でライターさんを呼んでページ割をして、デザイナーさんに写真と文章の配置、大きさを決めてもらう。毎回、同じお2人。センスも趣味もいい、できる方々なのだ。いつも素敵なパンフができる。

パンフの基本内容はこうだ。「解説」「あらすじ」「俳優インタビュー」「ロケ地マップ」「撮影エピソード」「スチール写真」「撮影風景」「監督からのメッセージ」今回は特に「時代背景解説」1989年が舞台なので、当時何があったか?を説明。

というのも、最近の映画のパンフレット。本当に中身がない。スチール写真を何ページも載せて、映画評論家にどっちでもいい批評かかせて、あらすじと解説だけ。みたいな。これ完全に手抜き。スチールが多いと簡単なのだ。それも雑誌やネットで見たような写真ばかり。俳優や監督のインタビューもなし。単なる薄っぺらい写真集。その割に高い。

パンフを作るのは配給会社。そこが手抜きしている。そもそも、作品に対する愛情がない。楽して、はい。出来上がりー次の映画ー。って感じ。だから、もう30年以上。僕は映画館でパンフを買わない。超感動した映画で背景を知りたいときだけ。30年で10冊買ってないだろう。買う価値ないから。映画雑誌読んだ方がまだ俳優のインタビューとか読めるし。

だから、太田組作品はそうしない。まず、メインキャストのインタビュー。毎回、全員載せる。今回は鈴木杏さん。板尾創路さん。田中美里さん。越後はる香さん。藤田朋子さん。宝田明さん。5人全員のインタビュー。それも見開き2P。やはり、観客は俳優がどんな思いで演じたか?撮影現場はどうだったか? 知りたいはずだ。でも、インタビューは大変だ。それぞれに俳優が都合のいい日に都合のいい場所にライターさんに行ってもらい、取材。その音声を書き出し、それを構成。もの凄く手間がかかる。

時間もかかる。何日もかかる。当然、ライターさんにはそれなりのギャラを払わなければならない。だから、配給会社は面倒だし、費用がかかるのでメイン全員インタビューなんてしない。でも、これは手抜きでしょう? 観客に対する裏切り。スチール載せるなんて簡単だから。でも、太田組はやる。また、そのライターさんがすごい人で、かならず事前に撮影現場に来てくれる。現場の空気を把握する。その俳優の撮影も見る。その上でインタビュー。

これが現場を知らないライターがありきたりな質問で「今回の撮影はどうでしたか?」「はあ、そうですか。大変でしたね〜」というのと、現場を知っている。撮影を見ていた。そのときに挨拶も受けた人がインタビューに来るのと俳優の気持ちも違う。「この人は真剣だ。ちゃんと現場も見ている。いい加減なことはいえない」と熱く語ってくれる。それが現場も知らない。映画についてもよく分かってないライターが来たら、差し障りのないことしか話さない。

だから、太田組作品のパンフ。インタビューが他とは違い、俳優がかなり踏み込んで語ってくれている。観客が知りたい話をしてくれる。でも、そのためにかなりな労力と、時間と、費用がかかっている。ライターさんの情熱と努力にはいつも頭が下がるが、毎回、そこまでやってくれる。だから、他の違うものができる。(なのにギャラいつも安くてすみません)

原稿についても、全て僕も確認する。勘違いはないか? 事実誤認はないか? 名前は間違っていないか? そしてスチール写真もスナップも徹底して選ぶ。もちろん、全て俳優の事務所から承認を得たもの。その中からいかに現場や物語を伝えるか?を考える。完成までには何ヶ月もかかる。1冊の雑誌を作るのと同じだけの労力をかけている。そして監督自身がここまで関わるパンフレットも他にないだろう。なぜ、そこまでやる? 

映画というのは形のないもの。DVDにはなるが(ならないこともある)それでもプレイヤーを通さないと画像は見れない。何か形のあるものを映画を観てくれた人たちだけでなく、関係者、俳優、スタッフ、そして地元の方々の手に残るものを作りたい。それがパンフレットだ。

言い換えれば思い出のアルバム。学生時代の卒業アルバムなのだ。だから、手抜きできないし、思い出を詰め込みたい。関係者は一生捨てないで取っておいてくれる。「青い青い空」のときのパンフも未だに大切にしてくれている人もいる。もう、10年だ。だから、想い出を残せる素敵なパンフレットにせねばならない。

また、パンフレットは劇場でしか買えない。あとでAmazonで注文できない。古本屋を探せばどこかにあるかもしれないが、それも大変。だから貴重。そんな「明日にかける橋」パンフレット。上映中の映画館で発売中なのでぜひ、お買い求め頂きたい。この売り上げも実行委員会は、今後の宣伝費にまわすとのこと。映画を全国に発信する意味でも買って頂けるとありがたい!


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明日にかける橋」をTwitterで宣伝する方法。Facebookの何十倍もの効果あり? [映画宣伝入門]

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前回紹介したFacebookで宣伝する方法。多くの方が読んでくれて実践している。ありがたい。テレビCMのような絶大な効果はないが、ネットは何とっても無料。多くの人が「シェアすれば大きな効果がある。どんな名作でも宣伝しなければ誰も知らない。それは存在しないのと同じなのだ。

さて、今回はTwitterでの宣伝方法を書く。こちらはFacebookの数倍。10倍。100倍の宣伝効果が期待できるのだが、見ていると多くの人が活用できず、もったいないことをしている。あのトランプ大統領も使うTwitterは使い方次第で本当に凄いことができる。なのに多くの関係者は普通にアカウントを作り、普通にツイートしている。

Twitterはツイートすれば多くの人が読んでくれる...というものではない。大事なのはフォロワー数。例えばあなたのフォロワーが50人だとすると「明日にかける橋ー静岡県で公開! 明日から」とツイートするとその50人に届く。10人なら10人だ。その10人が全員リツイートしてくれても、彼ら彼女も10人しかフォロワーがいないと100人しか届かない。

もし、あなたが1000人のフォロワーがいれば、1回のツイートで1000人に届く。「でも、そんなにフォロワーいないですよ...」という。だから、50人のフォロワーにツイートしている。それでは回覧板と同じ広がらない。Twitterの場合はフォロワーをいかに増やすかがポイントなのだ。では、どうすれば増やせるのか?

まず、検索して友達を探す。Facebookと違うので本名でやっていない人が多いが、それを探しフォロー。次に映画に出ている俳優、スタッフ、関係者を探してフォロー。ここまでは基本。さらに「明日にかける橋」についてツイートしている人を見つけたらフォロー。映画ファン=特に「明日」に通じる映画。ファンタジー系感動系の映画についてツイートしている人をフォローする。

有名人でなければ、フォローすると多くはフォロー返しをしてくれる。そうやってフォロワーを増やして行くのだ。毎日それをやると、数ヶ月で1000人くらいになる。と、あなたが1回ツイートすると1000人に届くことになる。それをしないと、50人のフォロワーのままだと、いくらがんばっても50人にしか届かない。

例えば、今回出演してくれた板尾創路さん。204420人のフォロワーがいる。彼が1度ツイートすると20万人に情報が届く。そんな彼が今回の「明日にかける橋」のことを何度もツイートしてくれたことは本当に大きい。しかし、彼もいろんな仕事があるので、毎日「明日」のことをツイートしてはもらえない。Twitterは1度ツイートしたからOKというものではなく、テレビコマーシャルと同じで繰り返し、目にするからこそ認知してもらえる。

まとめると、ツイートするだけではなく、フォロワーを増やすことが大事。そして毎日、何度も発信することが大切。ただ、多くの人は仕事もあるし、そうはいかない。が、せめて、1日数回はツイートしてもらえれば、効果が上がる。そしてガンガンとフォローしていけば3人に2人はフォロー返しをしてくれる。Facebookのような挨拶もいらない。申請も承認もない。フォロワー増やしが情報拡散への第1歩だ。

フォロワーが増えればそれは「力」となる。ネットの世界にはTwitter有名人というのがいて、俳優やタレントでもないのに、数万人を超えるフォロワーがいる人もいる。そんな人がリツイートしてくれれば、もの凄い拡散が可能になる。ちなみに僕は5800人ほど。芸能人には叶わないが、有名でない監督グループ(?)の中では多い方だ。といっても人気があるというのではなく、先に書いたような努力を何年もかけてやってきた成果である。

映画の上映はすでに始まっているが、遅くはないので、ぜひ、フォロワーを増やしをしてほしい。50人のフォロワーなら50人にしか届かないが、1000人いれば、1回のツイートで1000人に情報が届く。待っていてもフォロワーはなかなか増えない。面倒かもしれないが、Twitterは上手く使えばFacebookの何十倍、何百倍もの効果を発揮する。試してほしい。


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「明日にかける橋」Facebookで効果的に宣伝する方法! [映画宣伝入門]

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「明日にかける橋」静岡県公開も今週末で終了する劇場もあり、第3週に突入する映画館もあり、いよいよ正念場となった。映画というのは一部の大手映画会社の作品以外は基本2週間上映。ヒットすれば延長されるが、何ヶ月も上映されるものではない。「その内に観に行こう〜」といっていると気付くと終わっているということがよくある。

そこで関係者、応援団の皆様にFacebookを使った「明日にかける橋」の効果的な宣伝法をお伝えする。以前にも書いたら、多くの人が実践してくれた。が、まだまだ関係者でも、おとなしくFacebookを読んでいるだけの人が多いのでぜひ、試してほしい。せっかく、みんなで作った映画だ。宣伝して多くの人に見てもらおう。上映が終わってから宣伝しても意味はない。できるのは今だけ。

その1「明日にかける橋」の記事を見つけたら必ず「いいね」を押すだけなく「シェア」する。「いいね」を押しても大きな効果はない。「記事読んだよ」くらい。それよりも「シェア」そうすれば自分の友達が100人いれば、その記事はその100人に伝わる。「いいね」を押しても自分の友達100人には届かない。

その2 コメントする。「明日」記事にコメントすれば、その記事はタイムラインで少し上に上がる。これはどういうことか?というと、タイムラインで流れる記事は時間が経つと下に下がって行く。そうすると読む人が少なくなる。過去に遡って記事を探す人は少ない。が、コメントすると記事が上がる。読んでもらうチャンスが増えるということ。ぜひ!

その3 写真を入れる。「明日」関係なら何でもいい。映画館でポスターを撮影しても、チラシを撮ってもいい。ビジュアルがないと記事は読んでもらえない。何か写真を入れてアップしてほしい。自分たちの顔ばかりだと、映画の記事とは思われずスルーされてしまう。

とりあえず3つ書いた。これをするだけでも宣伝効果は劇的に上がる。「いいね」はあまり意味がないと書いたが、ひとつだけあるのは、その人の記事が自分のタイムラインに頻繁に流れてくるようになる。先日も「監督は作品。記事アップしてないんですね」と言われた。が、ご存知の通り、毎日10回以上投稿している。

その人は自分のタイムラインを見ていて、僕の記事を見つけると読んでくれるが「いいね」は押さない。と、Facebookというシステムは僕の記事をその人のタイムラインに流さなくなる。「いいね」を毎回押すと、かなりな確率で流れて来る。そんなシステムなのだ。僕の記事が流れて来ないという方はぜひ、試してほしい。

「いいね」というのは「素晴らしい」とか「賛同した」という意味ではない。「読みましたよー」という程度のもの。遠慮せずにどんどん押してほしい。そして「いいね」以上に「シェア」が大きな効果がある。ぜひ、試してほしい。


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映画をヒットさせる方法。地元編ー前売り券を売ることが最強!? [映画宣伝入門]

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「街で映画を作った!」「映画館で公開だぁ〜」「わーい!わーい!」と言っていてお客がほんの少ししか来ないことがある。地元の映画だし、映画の存在は多くの人が知っている。完成披露試写会でも大盛況。評判もよかった。なのに、映画館には客が少ししかいない。「これじゃ商売にならない」と館側は1週間で終了させると言い出す。

こんな話をよく聞く。せっかく映画が完成。評判もいいのに、なぜお客が来ないのか? 一番の理由は宣伝。今、まさに映画が上映されていることを多くの市民が知らないということなのだ。映画を作った人たちは当然、どこで何日から上映されると知っている。だから、誰もが自分たちと同じように映画館も公開日も知っていると思い込んでしまう。これんなことがよく。

大切なのは映画公開の1ヶ月前から宣伝をすること。撮影をしているので知名度はある。「わが町でロケされた映画。いよいよ***劇場にて公開」ということを宣伝しないと、お客は来てくれない。ある街では「映画が早く観たい!」という人がたくさんいたのに、作った人たちが先の論理に陥り、何も宣伝しないから映画館は閑古鳥。1週間で上映が終わった。では、しっかり宣伝すればいいのか?というと、それだけではダメ。

一番いい方法は前売り券を売ること。買ってもらうこと。「わが町の映画観たい!」と思っていても、カレンダーに丸をつけておく人は少ない。多くの人が「映画が始まった行こう〜」と思いながら忘れてしまう。忙しい日常を送りながら「あーそういえば映画はいつからだっけ〜?」と調べるともう何ヶ月も前に終わっていた。「あの映画見たかったのに〜」という経験がある方。多いのではないか?

そこで確実に映画を観てもらう方法。前売り券を買ってもらうのだ。実行員会や関係者はチケットを扱う。1枚1300円ほど。当日料金は1800円なので500円もお得。それを買ってもらうと、格段にいく人が増える。不思議なもので、お金を出して買うと、たとえ1300円でも「無駄にしたくない!」という思いが働き、忘れることが少ない。

チケットを買わずに「必ず行くよ!心配するな」という人が結局「あ、忘れてた!ははは」という場面を何度も繰り返し見てきた。前売り券を買ってもらうことで多くが忘れずに映画館に行っていくれる。それと、もっと大きなメリットがある。チケットを買ってもらうとき、よく聞かれること「いつまで上映しているんですか?」実はこれ、とても答えにくい。

通常、映画館の興行は最低2週間。でも、あまりにも客が来ない惨敗状態だと1週間で打ち切りということもある。だから、最終日を映画館はなかなか告知しない。当然、公開前は映画館側もそれを決められない。そんなことがあるので前売り券を売る関係者がこう考えてしまう。

「チケットを買ってもらっても1週間で終わると、映画館に行けずに終わる人が出てくるから。迷惑をかける。チケットは売らずに、映画だけ勧めて映画館で切符を買ってもらおう〜」

だが、これは危険なループの入り口だ。映画館がどうやって上映日数を決めるか? 一つ目は初日と2日目の観客数。映画館には経験値があり、初日満員なら3週間は行ける! 8分入りなら2週間とか、予想を立てることができる。同時に前売り券の枚数も大事。「初日は5分の入りだったが、前売りは1万枚売れている。2週間にしておきたいところだが、すでに切符を持っている人が数多く来るから3週間にしよう」という判断もある。

先のように「1週間で終わると悪いから、チケット売るのはやめよう」といって、チケットが売らないと、映画館側は「前売りもあまり売れていないようだし、初日もまあまあだし1週間にしよう」という判断をしてしまう。つまり、映画を見て欲しいのに、最悪のケースを考えて、チケット売りを控えると本当に最悪のケースを実現させてしまうのだ。

たくさんチケットを売ることで、映画館はより長く上映してくれる。1万枚売れているのに、1週間で上映を終えたら、多くのお客が映画館にクレームをつける。だから、初日がまあまあでも前売り券が売れていればロングランを考える。じゃあ、どうすればその初日に客がくるか?それには前売り券をたくさん売って、公開日を忘れないでもらうことなのだ。

つまり、映画館興行の基本は前売り券。前売り券が売れればロングランしてくれる。2週間、3週間と上映してくれるのだ。僕の「向日葵の丘」も地元の映画館では前売り券が売れた上に、初日も満員。当初3週予定だった上映が4週間になり、5週間になった。とうとう6週間に延長されたが、それでも客足は落ちない。が、正月映画が控えていたので映画館側は仕方なく6週で打ち止めした。

「朝日のあたる家」も関係者の多くがチケットを売ってくれた。そのおかげで沼津の映画館では正月映画をまたいで上映が続いた。「青い青い空」は地元で1万枚の前売り券が出た。チケットを持った人は友達を誘って映画に行く。結果2万人を超えるヒットとなった。映画ヒットの秘訣はいかに多くの前売り券を売るか?なのだ。くれぐれも「1週間で終わるといけないから。チケット売らないでおこう」とは考えないように、それは最悪のループの入り口。大切なのは多くの人が前売りを手にすることなのである。そして応援してくれる人はぜひ、前売り券の購入を!よろしく。


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明日にかける橋ー日記 英語字幕を制作するが、悪戦苦闘中! [映画宣伝入門]

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先日の試写会ではロスアンゼルスの映画祭の主催者がたまたま日本に来ていたので、映画を見てもらうことができた。まだ、映画祭に招待されるかどうか?は分からないが(帰国してメンバーと協議してから結論)高い評価を頂いたので、うれしい。

他にも海外の映画祭に出品できるように、現在、英語字幕スーパーの制作を進めている。といってもタダで出来る訳ではない。これも宣伝費から捻出する。通常なら専門の業者に出して全てやってもらうのだが、十分な宣伝費がないので、なるべく安く上がるように努力中。

僕も多少は英語ができるが(一応、USC映画科に合格)、翻訳というのは特別な技術が必要。日本語ができるから、新聞記事が書けるというものではないのと同じ。そこで配給会社が英語が堪能な人に破格のギャラ(もちろん安さで破格)でお願い。英訳された原稿を僕が確認。間違いがないか?確認する作業を本日もしている。監督が英語できるのって便利だし、安くつく(というか、僕はギャラをもらわない)

そして物語の設定が分からないと英訳ができない。特に役名、地名、会社名、或は歌のタイトルとか、分かり辛いというものもあるので、作者である僕が確認する。また、こんなこともある。アメリカでは英語になっている日本語。Yakuzaとか、Samurai、Syougun、Ninjya。またビデオゲームのことをNintendoと呼ぶ。その辺は訳さなくても、多くのアメリカ人は理解する。

また、映画や歌のタイトル。黒澤明の「七人の侍」は「Seven Samurai」で直訳だが、「天国と地獄」は「High and Low」だし、The Whoの歌「愛の支配」は「Love Reigh O'er Me」だ。それを直訳すると、何だか分からなくなる。今回の映画では登場しないが、ブルースリーの映画「ドラゴンへの道」は日本での英語タイトルは「The Way of The Dragon」だが、アメリカ公開時のタイトルは「Retuern of The Dragon 」である。本当に面倒。

そんな作業を袋井市のイベントに行く前からスタート。宿泊したホテルでも作業。帰りの新幹線でも作業。そして今朝からまた、続きをやっている。何度も催促が来る。というのも、僕が確認してOKになった原稿を次の担当者に送り、その人が字幕スーパーを英語で打ち込み、映画に嵌めて行かねばならないからだ。もちろん、その方にもかなり安い賃金でやってもらっている。

英語字幕スーパーを業者に出せば最低でも40万から60万はかかる。それを何分の1かで仕上げようとしているのだから大変。でも、「明日」を世界に発信するため。がんばらねば!


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映画の宣伝費はどのくらいかかるものなのか? 1億円?200万円? [映画宣伝入門]

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映画の宣伝は金がかかる!ーと言われるが、一般の人にはピンと来にくい。説明しよう。アメリカ映画の宣伝。例えばトム・クルーズ主演のアクション大作などは8億円くらいかける。興行収入が10億くらい。2億円の黒字。え? 8億もかけて2億しか儲からないの?と驚く人もいるだろう。けど、2億の収益というのは凄いことなのだ。

今の時代。巨額の宣伝費をかけて、高額な収入を得るという形が多い。逆にいうと宣伝費をケチって1千円くらいにすると、その映画の存在は多くの人に伝えられず、1千万しか儲からなかったーという結果になりやすい。1千万で1千万だとトントン。8億かけて10億も受ければ、2億円の儲け。現在の映画業界はそんな風にして映画を宣伝し、儲ける。

でも、それは大手映画会社の場合。東宝や東映、松竹、角川、或はテレビ局製作でない地味な映画はいくらくらいで宣伝しているのか? 最低で2−300万。このクラスが多い。映画ファンでないと知らないマイナーな映画はだいたいこのくらい。では、この額でどんな宣伝ができるのだろうか?

①チラシとポスターを作る。前売り券を印刷する。
②試写会をする。5回くらい。そのために試写状を印刷。会場をレンタルする。マスコミ関係に発送する(切手代が必要)。
③東京公開時の舞台挨拶を計画。俳優はノーギャラで来てくれるが、衣装、靴等をレンタルする場合が多く(レンタル料が派生)メイクさんを呼ぶ(ギャラがかかる)

④俳優が待ってもらう場所が映画館にない場合。近所のホテルに部屋を取る(ホテル代。主演や大物は1人1部屋。いるのは数時間。でも、1晩の宿泊代がかかる)
⑤舞台挨拶が食事どきの場合。ランチや夕飯の弁当(人数分)。或は終了してから近所のレストランで食事。
⑥映画館が遠いときはタクシー代。

これで2−300万はすぐになくなる。その額だと出来ない宣伝は、

①テレビスポット、新聞広告、立て看板、雑誌広告、ネット広告、
②東京以外の都市(大阪、名古屋等)の舞台挨拶、地方の映画館の舞台挨拶、③宣伝イベントに俳優に来てもらうこと(その度に交通費、衣装&靴のレンタル料、メイクさんを呼びギャラを払う)
④映画館においてもらうオブジェ(宣伝用の看板、垂れ幕等)制作

等はできない。宣伝はマスコミ試写会とチラシ&ポスターのみとなる。

その程度の宣伝しかできないので、ほとんどの人がその映画のタイトルを知ることはない。映画ファンでもよほどでないと知らない。だから、大ヒットすることはない。小さな映画館でモーニングショーとかレイトショーで終わる。観客動員も少ない。それが日本のマイナー映画の宣伝&興行なのだ。もし、そんな作品でも、そこそこ宣伝費があれば広告を打ち、イベントをして知名度を上げることで、ヒットを見込めるが、その辺は宣伝費の額次第だ。

「でも、口こみでヒットすることってあるじゃない?」

という人もいるだろう。10年以上前にはそんなことがあった。その映画を観て「面白い。宣伝はしていないけど、なかなかいい映画だ」と友達から聞いて映画館に行く。次第に噂になり大ヒット。しかし、そのパターンは現在ではほとんどない。映画館側が公開初日の観客動員で上映期間を決めてしまうのだ。

初日が100人。んーー2週間で終わりにしようか? その後、動員が少しばかり増えても、次の上映作品が決まっているので延長できない。また、口コミというのは時間がかかる。2週間では十分ではない。以前の映画館システムでは第1週の成績が悪くても「いい映画だから、我慢して続けよう」ということができた。が、今はダメ。口コミで評判が広がる前に上映は終わる。つまり、宣伝できない映画はヒットしないということ。

そんな環境の中でも、配給会社はあれこれ節約してアイディアを出し、がんばっている。が、一般の人はやはりテレビや新聞で宣伝を観ないと、その映画の存在にさえ気付かず、いつ上映され、いつ上映が終わったかも知らずに日常を送ってしまう。それが現代という時代。宣伝をしないと、ないことになってしまう。そんな中でどうやって映画を伝えて行くか? 本当にむずかしい。

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ありがたいけど、危険も多い? 一般の方からの応援宣伝 [映画宣伝入門]

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先にも書いたが映画の宣伝費というのは高額。小さな映画の場合。十分な額を準備できないことが多い。そんなとき、ファンや一般の方からの応援というのはありがたい。情報をツイートしてくれたり、記事をシェアしてくれたりして、映画の存在を広めるお手伝いをしてくれる。だが、難しい一面がある。例えば、これはどうだろう? 

「映画の応援をしたいです。趣味で作詞作曲をしています。ギターを弾きます。映画の主題歌を作りました。これを日曜に公園で歌い。映画の宣伝をします」

ーさあ、どう思うかな? 

これはアウト。その人は応援のつもりでも、その映画の主題歌を勝手に作るのは著作権法で違法行為になってしまう。何よりも、その歌は映画では流れないので、主題歌ではない。こう考えてみよう。ディズニーの新作映画が公開される。とてもいい映画だ。だから応援のために歌を作りました。♫「リメンバーミー。とてもナイスな〜映画だよ〜」と公的な場で歌ったり、YouTubeで流す。確実にディズニーから告訴されてしまう。

それと同じ。どんなにその人が善意で、応援だと思っていても、それは違法行為。便乗商法と言われてしまう。映画は著作物。それを管理者に無断で利用することは法律で禁じられている。歌だけではなく、その物語、タイトルロゴ、スチール写真、ポスター、チラシも全て著作物。それらを無断で手を加えて新たなポスターを作ったり、チラシに別のデザインを加えて配る。スチール写真に文章を書き込んでチラシを作る。みな違法行為になる。

ーこれはどうだろう?

「私の街で映画撮影がありました。友人もエキストラで出演。その場面をデジカメで撮りました。映画を応援したいので、その写真を引き延ばし、独自のポスターを作り。タイトルを入れて街角に貼り出しました。多くの人に映画を観てほしいです!」

残念だが、これも違法行為。また、本来とは違うイメージのポスターを作っても宣伝効果は薄い。以前にも書いたが映画宣伝は統一イメージが大事。それに間違ったイメージが伝わったり、プロが作った映画ではなく、一般の人が作った自主映画であると誤解されたりする。応援ではなくなってしまう。

ただ、この手の人は本当に純粋で、何か自分にできないか?と考えて、行動してくれたことが多いので、むずかしい。注意すると「せっかく応援してんのによー!」と怒らせてしまったり、その後、一切応援をしてくれなくなったりする。でも、それらの人は悪意の全くない人、むしろ親切で熱い人であることが多い。だからむずかしい。そして最終的にはこう言われる。

「映画宣伝はよく分からない。だったら、もう何もしない方がいいよね?」

悲しい話だ。地方映画でよくあるのは、関係者が何もせず、関係ない人ががんばって応援してくれること。中には暴走してしまう人がいるが、何もしない関係者と、暴走するが愛ある人。どちらがいいのか? 考えてしまう。とにかく、言えることは、個人で何か別のものを作るのは止めてほしい。宣伝のために配給会社がチラシやポスターを作っている。それを配ったり、貼ったりということで十分にありがたく、応援になる。毎回、そんなことを考えながら宣伝活動を続けている。


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映画の宣伝方法ー人は3つ以上のメディアから情報を受けると覚えてくれる? [映画宣伝入門]

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1970年代後半に大成功を収めた角川映画式宣伝というのがあった。映画の製作費と同等の額で宣伝。テレビで繰り返しCMスポットを流した。当時、日本人の半数以上が映画の存在を認知したといわれる。映画を観てもらうには、まず映画の存在を知ってもらわなければならない。その意味で伝えることの大事さを実践した宣伝だった。

が、1990年代に入り、莫大な費用をかけて宣伝してもヒットしない映画が出て来た。単なる物量作戦ではもう人々は振り向かなくなったのである。そして豊富な予算がある企業映画ならいいが、インディペンデント映画はテレビスポットをバンバン打つという宣伝は昔からできない。どうすればいいか? それを含めて今回は宣伝の基本から説明してみる。

宣伝というのは、映画や商品を一般の人々に認知してもらうところから始まる。買ってもらう。観てもらう。それ以前にその映画や商品を知らなければ買ってもらうことも、観てもらうこともできない。では、人はどうやって映画や商品を覚えるのか? 学生時代。単語カードを作り、英単語を覚えた人がいるだろう。そう、人は繰り返し記憶することで、覚える。宣伝も同じだ。

だから、テレビでは繰り返しCMを流す。1週間に1回ではない。1日に何回も流す。人はそれを繰り返し見ることで、宣伝されている商品を覚える。でも、テレビCMだけでは十分ではない。繰り返し情報を得ることで人は覚えるが、もうひとつ大事なことがある。3つ以上の別のメディアから情報を得ることで、記憶するという性質もある。

映画でいうなら、映画館で予告篇を見る。ロビーでチラシをもらう。新聞広告でその映画を知る。雑誌の費用でその映画評を読む。街角でポスターを見る。こんな風に別のメディアから、映画館、新聞、雑誌、ポスターといろんな形で映画の存在を知ることで記憶。それも3つ以上のメディアから知ることが大事と言われる(心理学では7つ以上のメディアという人もいる)

だから、映画館に行ったら面白そうな映画の予告篇が流れていた。が、タイトルは覚えない。帰りにロビーでチラシを数枚もらった。電車で観ていると先の予告篇の映画のものがある。「あーこれかー」でも、すぐにチラシはなくしてしまう。街を歩いているとポスター。あの映画だと分かる。喫茶店に入り雑誌を読む。映画評を見ると褒めている作品がある。あーあの映画だ。というふうにして人は、その映画を覚えてくれる。

その中のごく一部のひとが映画館まで行き、入場料を払い、映画を観てくれる。つまり、まず、映画の存在を多くの人に知ってもらうことが大事だ。そのためには複数のメディアから映画のアピールをしなければならない。その期間が公開までの3ヶ月。これが長過ぎると、せっかく映画の存在を記憶してくれても、公開の頃には忘れている。新聞記事、ネットの広告。ポスター。そんなものを3ヶ月の間に、何度も何度も見ることが決め手なのだ。

思い出してほしい。映画というのは新聞や雑誌、テレビ、ラジオ、ネットといろんなメディアで宣伝するのは、そのため。つまり、テレビ宣伝ができなくても、他のメディアから情報を得ることができれば記憶してくれる。新聞、雑誌だけではない。イベント、口コミ、といろんな形で宣伝はできる。それを公開3ヶ月前から徹底して行なうことが本来の宣伝なのである。

多くのインディペンデント映画は「宣伝費ないし。何もできないよな〜」と諦めがちだが、やれることはたくさんある。「明日にかける橋」もそうやって宣伝。がんばりたい。


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映画宣伝って、いつ頃から始めればいいの? 早くても遅くてもダメ?! [映画宣伝入門]

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「明日にかける橋」東京公開まで3ヶ月を切ったので、宣伝活動をスタートした。準備の方は前々からしていたので、ここから本格スタートだ。ただ「3ヶ月前なんて早すぎない?」と思う人と「3ヶ月前なんて遅すぎない?」という人がいるだろう。

「早過ぎる」という人はこう思う。「3ヶ月も前に映画の宣伝をされても、映画館公開をするときには忘れている。せめて1ヶ月前くらいにスタートがいいのでは?」ーお答えする。3ヶ月前に宣伝を始めるといっても、3ヶ月前の時点で宣伝して終わり!ではなく、そこから公開日までずっと宣伝するということ。1ヶ月前にスタートしたのでは、映画の存在を多くの人に認知してもらう時間がない。だから、3ヶ月前からジワジワと盛り上げ、1ヶ月前からは総攻撃という形を取る。

「3ヶ月前では遅過ぎる」という意見。これも違う。大作映画は1年前から宣伝を始めるが、それでも本格的な宣伝は3ヶ月前だ。そして、あまり早く宣伝を始めると弊害が多い。6ヶ月前にポスターを貼る。「おーこんな映画があるのか! 観たいなあ」と思う人がいたとする。でも、その人が公開までの6ヶ月間、その映画を忘れないでいてくれるだろうか?

もし、それを実践するなら、3ヶ月パターンと同じように、6ヶ月間。宣伝を続けなければならない。宣伝費、労力、時間、かなりなエネルギーが必要。それを持続することは本当に大変なことだ。例えば6ヶ月前にポスターを貼る。最初は「おーこんな映画があるのか!」と見た人たちは思うが、次第にポスターが風景の一部となり、関心を示さなくなる。それならポスターのデザインをいくつか用意して、公開が近づくに従い、新しいデザインが貼られるーという宣伝が必要。そのためには費用も労力もかかる。

もし、同じポスターを貼ったままだと、雨風にやられてボロボロになる。通行人もいつも貼ったままのポスターということで、興味を示さない。公開される頃には「あーあの映画。まだ公開されてなかったんだ〜」とマイナスイメージ。或は映画のことは完全に忘れている。ポスターも貼って1ヶ月くらいは効果があるが、貼りっぱなしだと意味がなくなる。よくポスターを貼っただけで「よし、宣伝した!」と完結する人もいるが、それでは効果がないのだ。

ポスターの貼り方については以前にも記事にしたし、また近い内に詳しく書きたいが、宣伝=ポスターを貼る。チラシを配るではない。いつ、どこで貼るか?配るか?が非常に大事。というのも宣伝というのは人の記憶に訴えかけるもの。映画の告知も同じ。夏前にお正月映画の宣伝しても、夏の終わりには忘れている。あまりに早く覚えてもらうと、忘れるのも早い。

逆に宣伝開始があまりに遅いと、多くの人が映画を知る前に公開されてしまう。というのも、宣伝を始めても、その日の内に何万人という人が映画の存在を知る訳ではない。例えテレビで宣伝しても、そのCMを見る人は限られている。繰り返し、繰り返し、3ヶ月間宣伝を続けるから、公開日には多くの人が映画の存在を知ってくれる。が、その全てが映画館に来る訳ではない。その内の一部、「面白そうだな」と思ってくれた人たち。さらにその1部が映画館まで来てくれるのだ。だから、より多くの人に宣伝することが大事なのだ。

つまり、3ヶ月前くらいから宣伝を始め、少しずつ映画のタイトルを覚えてもらい、公開される頃に多くの人が「観たい!!」と思ってもらえる宣伝をすることが大事なのだ。早過ぎても遅過ぎてもいけない。タイミングが大事なのだ。さて、人が何かを覚えるには時期だけでなく、もうひとつ大切なことがある。が、長くなったのでそれは次回に!


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「明日にかける橋」東京先行公開まで3ヶ月なので宣伝スタートだ。 [映画宣伝入門]

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間もなく4月だ。「明日」は6月30日(土)東京先行公開(有楽町スバル座にて)なので、明後日の4月1日でちょうど3ヶ月前。そう、映画宣伝の本格スタートの時期である。先の記事でも書いたが、3ヶ月前から宣伝を開始、公開初日にピークになるように盛り上げるのが目標である。

今回は市民による市民映画なので、通常の企業映画のように潤沢な予算はないが、配給会社が予算内で出来る限りのことをしようと計画してくれている。その辺を少し説明する。まず、できないのはテレビスポット。新聞の全面広告。雑誌広告である。これらは数百万から数千万の費用が必要だからだ。

しかし、パブリシティという方法がある。テレビや新聞の記者を読んで出演者にインタビューしてもらう。それをニュースや記事にしてもらう。その場合は費用はかからない。ただ、先方が興味を持ってくれないと成立しない。今、人気のアイドルが出演しているとか、ベテラン俳優がイメチェンで過酷な役に挑んだとか、そんなことをマスコミは注目する。だからこそ、映画会社は有名俳優や今旬のタレントを出演させたがるのである。

だが、まずはマスコミ向け試写会だ。4月中旬からスタートする。本来は公開までに10回ほど試写をすることで、1人でも多くのマスコミ、映画評論家に見てもらい。新聞や雑誌、テレビで作品評をしてもらうのだが、今回は予算の関係で5回。その5回になんとか多くのマスコミに来てもらうように、ダイレクトメールやお知らせを発送。声をかける。これも配給会社の仕事。

次にポスターとチラシ。これはすでにデザインが終わり印刷に出した。ポスターは上がって来たのでこの記事で紹介。シネコンに貼るようの大きなサイズ。右横の人(私ですが)と比べると、その大きさが分かる。が、これを今すぐに街角に貼ったりはしない。まだ、公開まで3ヶ月あるので今貼っても、ポスターを見た人はそこまで覚えていない。3ヶ月も貼っていると風景の一部となってしまい、誰も注目しなくなる。貼り出しの時期はとても大切だ。

チラシはまもなく上がるが、これは4月に入れば映画館に置かせてもらう。熱心な映画ファンはチラシを集め、裏表読んで、興味があるものを覚えてくれる。ただ、映画ファンでも特定の映画館に来るのは月に1回くらい。今回「明日」をやってくれる関係映画館にはチラシを置いてくれるが、系列が違う映画館グループには置いてもらえない。公開まで3ヶ月、その間にチラシが置かれた特定の映画館を訪れるのは3回くらいか。そのときにチラシを置いていないと、映画の存在を伝えることができない。だから、これは4月になれば早めに映画館に置いてもらう。

まだまだ、宣伝作業はあるのだが、今回はここまで。あと、無料で情報発信できるネットを活用しない手はない。すでに僕は「明日」監督日記(ブログ)を1年前から連載している。それを続ける。そしてこのFacebook。応援してくれる方はまず、僕の記事のシェアとか「いいね」をお願いしたい。そしてみなさんにお願いするアイディアも用意しているので、また別の機会に説明させてもらう。市民が市民の力で作った「明日にかける橋」応援よろしく!

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映画宣伝は映画館公開日から逆算してスタート。戦略が大切! [映画宣伝入門]

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宣伝が溢れている。テレビ、新聞、雑誌、ネット。街を歩けば看板。だから、多くの人は麻痺して宣伝というものを把握できなくなっている。例えばテレビCMを見る。「あー歌手の***が出ている。可愛いー」と思う。それは繰り返し放送される。が、いつしかオンエアは終わるのに、多くの人は終わったことに気付かない。それどころか、そのCMの存在すら完全に忘れてしまう。何かの拍子で「あの歌手のCM」と言われて「あー、そんなのあったなあ!そういえば、最近は見ないね?」と思い出す。

つまり、情報を受ける側というのは、真剣に見ていない。意識していないということ。すぐに忘れてしまう。それも完璧に忘れる。ドラマやニュースだと、しっかりと覚えているが、宣伝はしっかりと把握しない。そんな多くの人たちに商品を覚えてもらおうと宣伝マンたちは日夜努力。心理学や思想操作も利用して宣伝をするのが広告代理店。アメリカでは選挙のときに代理店を雇い、候補者のイメージ戦略を行なうほどだ。宣伝は大事なのである。


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映画の場合も同じだ。大作映画の場合。宣伝活動は1年前くらいからスタートする。が、ほんとうにジワジワと始め、公開の3ヶ月前から盛り上げる。通常の映画は3ヶ月前。これが基本だ。あまり早くから大宣伝すると、結果、公開の頃には忘れられている。例えば絶対に見たい映画があっても、半年先だと覚えていない。1ヶ月くらいならカレンダーに丸を付けて待つが、何ヶ月も先だと厳しい。

また、何ヶ月も前にバンバン宣伝してしまうと、人々は「そろそろ公開か!」と期待する。が、何ヶ月経っても公開されない。ようやく公開されたときには忘れていて「まだ、上映してなかったのぉ〜」と思え印象が悪くなる。以前にある超大作映画が何ヶ月も前から大宣伝して、皆すでに見た気になってしまって惨敗したということもあった。

本来、映画の宣伝は3ヶ月前ほどにスタート。最初はジワジワ。公開が近づいて来ると、マスメディアで紹介が始まり、宣伝イベントがあり、ポスターが貼られて、映画館にチラシが置かれて、テレビスポットが1週間前から流れ、前日の新聞に広告が出る。公開当日は俳優たちが来て舞台挨拶! というのが基本である。

つまり、舞台挨拶の日に最高潮に盛り上がるように計画。少しずつ宣伝が増え、大きくなることが大事なのだ。ゆるやかにスタート。公開初日が最高潮である。これがスタート時に大宣伝したり、公開直前で宣伝がもり下がったらアウト。少しずつ大きくとなっていく波に観客を乗せるのが宣伝なのだ。

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以前にある街で作った映画。プロデュサーが映画館で試写会を1日だけやると言い出した。「宣伝になりますよー。マスコミも呼びましょう〜」と、試写会は別に行なうが映画館での一般試写もありだ。が、映画公開の1ヶ月前の試写なのに、出演者全員を地元に集め、舞台挨拶をさせるという。そんなバカな話はない。というのも、そのプロデュサーは映画業界初心者で、宣伝の基本が分かっていなかった。

舞台挨拶というのは最大の宣伝カード。有名俳優たちが一同に集る。それを目当てに観客とマスコミが来る。そんな大切なカード。それを公開1ヶ月前に使ってどうするの?1ヶ月前の試写会で俳優が集れば、マスコミはそこで取材。記事やニュースを出す。

それを翌日に見た人は「この映画観たい!」と思っても1ヶ月先にしか映画を見れない。その内に映画の存在も忘れる。Pはいう「だったら、公開初日にも舞台挨拶すればいいんですよ」だが、マスコミはもう来ない。同じ記事を二度は書かないーそれがマスコミだ。その日に記事やニュースになれば、それらを見た人が翌日に映画館に来てくれる。多くの客が期待できるが、2度目なので記事にはならない。宣伝にもならない。

つまり、大きなチャンスをみすみす捨てるのが、1ヶ月前の試写会=舞台挨拶というイベント。何考えてんのぉ! そもそも1ヶ月前に舞台挨拶をする意味がまるでない!というとPは「マスコミが喜びますよぉ〜」と答える。うーーん。マスコミを喜ばすために舞台挨拶をするのではなく(そもそもマスコミは喜ばない。記事になりそうだから来てくれる)、彼らに取材して報道してもらうことで、翌日から多くのお客に来てもらうことができる。それが意味。翌日は上映しない試写に舞台挨拶しても何の意味もない。

Pさん。映画業は初体験でその辺が分からない。2倍宣伝できると思ったらしい。さらにそんな無意味なイベントとのために、その街まで7人ほどの俳優を新幹線で連れて行く、どれだけの費用がかかるのか? メイクさんも雇い、連れて行かないとならない。そのギャラと交通費。さらに全員の食事代。新聞に出ても観客動員に繋がらない試写会のために、多額の費用を使うのは意味がない。


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Pには全力で説明したが、理解できないようだった。でも、結果、試写会の舞台挨拶は中止。公開初日のみとなった。そこへ多くのマスコミが訪れ、新聞記事にニュースにしてくれて、翌日はそれらを見た人たちが大勢映画館に来てくれた。大成功だった。

つまり、Pさんは何でもいいから派手な宣伝をすれば、アピールすると思っていたのだ。が、宣伝はカードを出す順番が大切。舞台挨拶という最大のカードを公開日の1ヶ月前に切るのは間違い。最大のカードは公開日に使うことが大事なのだ。同じように、何ヶ月前から派手な宣伝をすることはマイナス。少しずつ盛り上げる。波を作る。それによってジワジワと映画の存在を伝えて行く。覚えてもらう。全ての終着点は映画館での公開初日。

その日が決り、映画館も決まってからが、本格的な宣伝のスターとなる。そこから逆算して、宣伝戦略を立てる。映画宣伝も選挙も、新製品の発売も同じ。それが宣伝の基本なのである。


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映画宣伝ーFacebookで映画を宣伝する方法。地道な努力はいるが何といってもタダで宣伝できる! [映画宣伝入門]

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宣伝というのはとても大切であること。ここしばらく何度も書かせてもらっている。が、特に一般の方は「宣伝」ということを今イチ体感し辛いものがある。テレビ、新聞、ネット。その中であまりにも宣伝が溢れているので、無意識の内に「誰かが宣伝してくれるよね〜」と思ってしまい、自分たちが作った地方映画なのに、何ら宣伝しないで「公開が楽しみだなあ〜」と観客になってしまう現象がよく見られる。

何度も書いて来たがテレビや新聞。ネットは宣伝費をもらて宣伝しているのであり、親切で宣伝をしている訳ではない。また、市民が作った映画は企業映画のような十分な宣伝費がないのが通常。その範囲内でできることを考えることが大事。テレビのスポットや新聞の全面広告なんて数千万円かかるので、とても無理。企業とは違う方法論を実践することが必要なのだ。


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そんな中、一番安くて….いや….お金をかけずに宣伝できるのがネットだ。Facebook、Twitter、ブログは宣伝費を払わなくても宣伝ができるメディアだ。誰でも100人とか「友達」や「フォロワー」がいる。別の街や別の会社にも知り合いがいる。まず、そんな人たちに自分たちの作った映画を伝えることからスタートできる。

が、こんな人がいた。僕のやり方を学び市民映画を作った後輩。その映画に大きな貢献をした50代男性からこう言われた。彼は製作委員会のリーダーである。

「監督!ネットで映画の宣伝しましたよ!」

というので、Facebookを見たそうだ。すると、映画の上映会の日時、場所、時間が書かれた記事がアップされていた。「がんばってくれてるなあ〜」と友人は思った。が、その後、その男性は全く映画の告知記事をアップしてくれない。どうなっているのだろう?と訊いてみるとこう言われた。

「アップした記事は前に見てもらったでしょう? その記事を見て上映会に皆、来てくれますよ」

後輩は愕然とした。そもそもFacebookの記事は時間と共にライン下に流されて行き、それを探すにはラインをどんどん遡らないとならない。つまり、数日が経てば、その記事を読む人はゼロになる。それにもし、時間や場所を告知するならFacebookではなく、記事を固定できる公式HPを作るべき。Facebookはその種の告知には向かない。


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つまり、その男性がFacebookで1回だけ告知したことは「友達」がアップ直後に見て「へー地元の映画が作られたのかア?」と思うだけ。「見たい!」と思っても時間や場所をそこでメモして保存する人は極々わずか。もっと言えば、その男性の「友達」は何人いるのか? 結局、Facebookにひょいと記事を書1回書くだけでは宣伝にはならない。

なのにその男性は記事を1回アップして「宣伝した!」と思い込んでいた。後輩監督はあきれ果てて、そのことを男性に告げたら「でも、テレビや新聞で宣伝する金はないし、仕方ないでしょう!」と逆に憤られたという。こんな方は意外に多い。

Facebookが宣伝にならないのではない。1回記事を上げただけでは宣伝にならないということなのだ。テレビCMだって同じ。繰り返し繰り返し同じCMが放送される。そう、人は何度も何度も同じ宣伝を見ることで認知し、興味を持ち、行動する。1回宣伝を見ただけでは覚えてもくれないのだ。

Facebookでも同じ。一度、上映会の場所や時間を告知するだけでは不十分。それこそ1日数回。上映会の当日まで、繰り返し繰り返し、インフォメーションを伝えてこそ宣伝になる。CMもFacebookでの告知でも同じなのだ。


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「えー、毎日? 面倒だなあ〜」

という人もいる。しかし、1億円の宣伝費がありテレビでCMスポットをバンバン流してくれるのなら、関係者は何もしなくてもいい(本当はそれではいけない。やるべきことはある)が、宣伝費が僅かしかない。でも、自分たちの街をアピールする映画を多くの人に見てもらいたい!そう思ったら、無料で情報が拡散できるFacebookやTwitterで毎日情報発信をするべき。だってタダなんだもん!

「宣伝費はない」「毎日アップは面倒」というのでは何もできない。その昔は労力と時間を使っても一般市民が情報を発信する手段はなかった。でも、今はネットがある。FacebookやTwitterがある。官邸前でもう6年続く抗議デモも最初はTwitterの呼びかけで始まった。そんなふうにネットでも大きなムーブメントを起こし社会的な影響さえ与えることもできる。面倒くさがってはいけない。毎日、情報を発信することで多くの人に伝えることができるのだ。

後輩の話に戻る。その街で作られた映画。リーダーでさえ、そんな状態。メンバーたちもネットをやっているのに、誰も上映会の日時を伝えることもせず。ひたすら「上映会楽しみだね〜」とお客様気分だったという。後輩はすっかりやる気をなくしてしまったが、これも先に書いたのと同じ。その街のメンバーは「やる気」がないのではなく「宣伝」というものが分からない。実感できない。どうすれば宣伝ができるか?を知らないだけなのだ。


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だからまず、宣伝とは何かを伝える。どうすれば有効な宣伝ができるか?を説明することが大事なのだ。いろんな方法があるが、今回はひとつだけ書いてみる。Facebookなら、毎日、いや、毎日でなくても、3日に1回は自分たちが参加した映画のことを記事にすること。撮影中の想い出でもいい。上映する映画館の日時、場所でもいい。地元の風景写真でもいい。チラシを写メしたものでもいい。長い文章である必要はない。それを続けていればFacebook友達の目に止まる。

1度記事をアップしたくらいでは「ふーん」で終わるが、2度、3度と書き続けると、友達はその映画のことを覚えてくれる。その内に「そんなに何度も告知する映画ってどんなだろう?」と興味を持ってくれる。繰り返しアップすることで、より多くの友達が読んでくれる。友達が100人いたとしても、1〜2度記事を上げただけで、何人が読むのか? 昼しかFacebookを見ない人。夜しか見ない人。週イチの人。月イチの人。そう考えると1回記事を上げるだけでは、本当に僅かな友達しか読んでくれないことが分かる。

ある意味で選挙活動が近いかもしれない。

1日だけ街角に立ち「次の選挙は私、○山○男をお願いします!」と言っても誰も覚えてくれない。だから、毎日、街を回る。朝昼晩と駅前に立つ。そうやって顔を売り、政策を伝え、支持を集めて投票してもらう。映画の宣伝も同じ。繰り返し繰り返し、熱意を伝える。毎日、記事を書けなくても、誰か仲間が上げた記事を見つければ、それをシェア。過去の記事を再掲載してもいい。とにかく、何度もくり返すことが大事。

もちろん、1日に10回も記事を上げる必要はない。あまりに記事を連発すると嫌がる人もいる。それなら1日1回。2日に1回でもいいから長期間続ける方がいい。忙しくてアップできない期間があっても、シェアしたり、誰かの記事に「いいね」押すだけでもプラス。それが宣伝活動。

お金をかけなくても情報拡散することはできる。それをみんなでやれば大きな力になる。その熱い思いは必ず多くの人に伝わる。今日からやってみよう!


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映画の宣伝って映画館がしてくれるの?テレビがするの?ー誰もしてくれません!という話 [映画宣伝入門]

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映画作りについては映画ファンだけでなく、一般の方でも結構ご存知なことが多い。どのように撮影が行なわれるか? 現場にはカメラマンだけでなく、照明やメイクの担当者がいて、大騒ぎしながら撮影することも、多くの人がご存知。ただ、映画ができたあと。映画館公開時の宣伝というと、意外なほどみなさんご存知ないことが多い。

以前、市民の皆さんと映画を作っていたときも、撮影ではもの凄く奮闘してくれたのに、完成すると皆「公開が楽しみです〜」と観客になってしまったことがある。えーこれから宣伝活動なのに〜と思ったが誰も手伝ってくれないで大いに困った。映画だけではなく、商品というのは何でも宣伝が大切。宣伝することで商品を買ってもらえるし、映画を観に来てもらえる。なぜか、そのことを認識していない人が多かったのだ...。

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宣伝は大切だ。テレビを見れば1日中、コマーシャルが流れているし、新聞、雑誌には広告。ネットだってクリックしなくてもガンガン広告が流れて来る。外に出れば立て看板。電車の中は吊り広告。どこに行っても宣伝が溢れている。日本人はそんな中で生活しているのに、映画が完成したあとに「次は宣伝だ!」という人はあまりにいない。

何人かに聞いてみると「えー宣伝〜?考えなかった〜」或はこうだ「テレビが宣伝してくれるんじゃない?」「新聞で広告出してくれるんでしょう?」「誰かが宣伝してくれるんだよね〜?」という答えでビックリ。確かに映画が公開されるときは、テレビでバンバンスポットが流れるし、新聞や雑誌に広告が掲載される。でも、あれは全てお金を払っている訳で、テレビや新聞が自主的に無料で宣伝してくれる訳ではない。

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考えたら分かると思うのだけど、ほとんどの人が「宣伝」という概念さえなかった。それも仕方がないところがあるのは、あまりにも広告が溢れているから。テレビでも、新聞でも、ネットでも、広告だらけ。その渦の中にいると、宣伝されるのは当たり前!と無意識に感じてしまうのだ。でも、当然、宣伝というのは全てお金を払ってやってもらうもの。誰もタダで宣伝などしてくれない。なぜ、それに気付かないのだろう?

というのも、テレビを見るのはタダ。(ケーブル、衛星、NHKは別だよ)CMが勝手に流れて来る。自分は金を払う訳ではないが、バンバン宣伝が流れる。その環境が当たり前になる。例を上げよう。親が働いて生活費を稼ぐからこそ、子供たちはごはんが食べる。なのに子供たちはそれが当たり前と思いがち。そう、日常に埋もれると、その理由を考えずに、その環境を当然だと思ってしまうところがある。

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テレビで放送されるCMは、メーカーが高い製作費を払って作り、さらに高い費用を払ってテレビ局に放送してもらっているのだ。それを見て僕らはその商品を購入。その代金の中にCM料が入っている。知らない間に高い料金を払わされている。それに気付かない。同じように映画のスポットが流れるのは配給会社が高い広告料をテレビ局に払い、流してもらっているのだし、新聞社に広告を載せてもらっているのだ。

広告料を払わないで、テレビも、新聞も、雑誌も、ネットも宣伝などしてくれない。なのに、多くの市民映画は完成すると「ばんざーーい。公開が楽しみ〜」と思ってしまう。「誰かが宣伝してくれるよね〜」ならいいが、宣伝ということを全く考えない人の方が多い。これはその人たちの問題というより、いかに宣伝の中に日本人は埋没し、麻痺しているか?ということなのである。

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「公開楽しみ〜」といって何もしないで、惨敗した映画を何本も知っている。だってテレビも新聞も金を払わずに宣伝してくれる訳がない。当然、上映されることは伝わらない=>客が来ない=>惨敗。でも、地方映画で十分な宣伝費がある映画はまずない。映画製作だけで精一杯というのが通常だ。では、どうすればいいのか? 僅かな宣伝費で最大限の宣伝をするには?僕はこの10年。試行錯誤しながら、それを実践して来た。

その話は以前にも何度も書いたので、僕が監督した映画のブログのカテゴリーで「宣伝」という項目をクリックしてほしい。ただ、もうひとつ大切なことに気付く。戦略だ。方法論。もし、宣伝費が十分にあっても、これを間違うと大変なことになる。宣伝費が少なければ、よりそれを大切に推進する必要がある。それは時代にも左右される。そこを考えたい。

1970年代後半からは角川映画に代表されるように、物量作戦。嫌というほどテレビでスポットを流した。「母さん。あの帽子...」とか「お父さん。怖いよー」とか「カイカン!」とか誰もが覚えるほと宣伝し、業界の多くのが追随していた。が、1990年代に入り、同じ方法論でヒットしない映画が出て来た。物量宣伝だけではダメ。そう、角川の功罪を踏まえていない。テレビでバンバン宣伝するから、あの当時は観に行った。が、次第に、大宣伝する映画の全てが面白い訳ではないこと。退屈な凡作であることも多いことに観客は気づき始めたのだ。次回はそんな話をしてみたい。


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明日にかける橋・スチール写真の公開にも戦略がある? [映画宣伝入門]

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スチール写真公開のタイミングも宣伝戦略がある。「何でもいいからバンバン公開しよう!」というのはダメ。映画の存在を、知名度を上げて行くために有効な方法で公開する必要がある。

上写真は地元完成披露試写会前に公開したもの。撮影風景で俳優が映っている。この種のものを10枚ほどセレクト。全て俳優が所属する事務所の承諾を取って週イチでアップした。

地元の皆さんがスチール写真を見ることで、昨年の撮影を思い出し「あー懐かしいなあ。映画。いよいよ完成するんだな!」と思ってもらうには、物語の一場面より、撮影風景の方が相応しいと考えた。


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また、この段階でドラマのスチールを公開すると、地元以外の人たちが、映画館公開の7ヶ月前に映画の一場面を見ることになる。そのときは「おー面白そうだなあ」と思っても、7ヶ月先にはもう覚えていない。そして映画館公開に向けて本格的な宣伝が始まったときに、「あれ〜これかなり前に見たなあ。まだ公開されてないんだ」と古めかしさを感じてしまう。それはマイナス。

その意味でも完成披露試写会の前には撮影風景のスチールを週イチで公開。2ヶ月ほどの間。毎週新しい写真が見れることで、「早く映画が観たい!」という気持ちを持続してもらうことが目的だった。

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さて、6月30日からは東京先行公開。有楽町スバル座。この日に向けて、今度は物語の一場面であるスチール写真を少しずつ公開して行く。東京は日本で一番映画人口の多い街。映画興行の95%は東京。だから、どの配給会社も力を入れる。そして東京でヒットすると、その情報は全国に流れて、地方でも多くの観客動員が期待できる。

その日に合わせてスチール写真を公開していく。これも一度に多くの写真を公開して「おー、こんな感じの映画か?おもしろそうだなあ」と思われても、それが持続しないと意味がない。また、多くのスチールを見ると映画を観てしまったような気分になる人も多い。公開になっても「あー今頃上映かあ?」と観ていないのにそう感じることがある。それも危険。

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なので、スチール写真は「これぞ!」という印象的なスチールも公開しない。ネタバレするものもダメ。といって魅力的でない写真だと「観たい!」と思わない。そこが難しいところ。なので、まず、出演者紹介的なスチールから公開して行く。ストーリーも何となく分かるが、詳しくはバレない写真を選ぶ。

「どんな物語なんだろう?」「誰が出てるんだろう?」「お!宝田明が出てるのか!」「この若手女優。誰? 可愛いなあ」と思えるものを少しずつ時間をかけて公開していく。それが宣伝。4月に入ったら、そんなスチール写真を公開して行く。お楽しみに!

特報=>https://youtu.be/GQvGqBhNHaY

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地方映画の宣伝。外部の視点に立つことの難しさ。 [映画宣伝入門]

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地方映画を作る難しさ。やってはいけないことは何度も書いて来た。が、宣伝も同様にむずかしい。というのは視点を変えるということが意外に大変なのだ。今回はそのことを書いてみる。

撮影のときによくあるのが「***海岸公園を撮ってほしい」というような地元リクエストが来ること。応援してもらっている方々なので、無下にはできない。が、その公園は本当にどこにでもあるタイプのもので絵にならず、物語にもそぐわない。が、地元としては近隣の若者に来てもらいたくて高額の建設費をかけてお台場をイメージした作ったものだという。気持ちは分かるがそこで撮影するのは、いろんな意味でマイナス。

○地元として公園が映画に出ればPRになると考える
=>その公園は非常にセンスが悪く、世の若者が「おーいいなあ!」というものではない。お台場に似て非なる存在。

=>それを映画で観て若い人は「この公園に行きたい!」とは思わない。

○美しい田園が続く田舎町での物語なのに、

=>お台場風の公園が登場するのは物語設定としても成立しない。

そこでロケすることは物語としてもマイナス。公園自体もアピールしない。つまり、地元の方が売り出したいものと、他の地域の人が求めるものは違うということ。求められないものをアピールしてもメリットは少ない。

逆に地元で当たり前のものでも、映画スタッフから見たらとても魅力的な風景もある。それは都会の人たちにとっても魅力的であることが多い。そんな場所でこそロケするべきなのである。つまり、地元視点ではなく、外部の人の視点に立つことが大事なのだ。


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では、宣伝はどうなのか? 東京での映画館公開が迫り、ポスターやチラシが準備される。そのときに地元からこんな声がよく出る。「**市でロケ!」「地元が全面協力!」というキャッチコピーにしてほしいというのだ。地元としてはせっかく映画撮影したのだから、それを大宣伝したい!という思い。

が、ここに勘違いがある。町をPRするのは映画だ。映画を見れば町の魅力が分かる。が、その映画の宣伝で町を宣伝するのは本来おかしい。ここが難しいところなのだが、

○映画の宣伝というのはストーリーやキャスト。そして感動ものなのか? 笑えるのか? そんなことを伝える。
=>**市でロケされた作品。地元が協力しているということを伝えるのはおかしい。

=>「**市でロケ」されたことを聞いて「それは観なければ!」と思うのは地元関係者だけ。

=>外部の人は「あー町のPR映画ね」としか思わない。

=>結果、映画自体に興味を持ってもらえずに客が来ないということになる。

=>映画の宣伝というのは映画に興味を持ってもらえることを伝えること。

=>「***市で映画を撮影しましたよ!」ということは宣伝にはならない。


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先のロケ地選びと同じ構図。地元の人は地元愛がある。「町の魅力を外部の人に伝えたい!」という熱い思いがある。だから、自分たちが売り出したい場所を直接アピールしようとする。でも、外部の視点で町を見つめ直せば、外部の人が憧れるもの、興味を持つものとは違うことが分かる。それこそをアピールすることが大事。つまり、外部の人の視点に立って考えること宣伝も同じ。

○映画を観たい人が何を求めるか?
=>「感動」や「笑い」であり、どこの町で撮影されたか? 地元がどれだけがんばったか?ではない。

それを一番にアピールしても、映画を観る人たちが「観たい!」にはならない。「感動作」とアピールしてこそ映画館に来る。そこで映画を観れば「素敵な町だ」と気付いてくれる。町がアピールされる。映画の宣伝で町をPRしても無意味なのだ。

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同じように映画のチラシに町の名産物を掲載したり、地元観光地を載せてたりすることが地方映画ではときどきあるが、それも逆効果。

○チラシを手に取る人は映画の中身を知りたい、
=>そこに観光案内のようなことが書かれていては興味を失う。

チラシは観光PRではなく映画のPR。その映画を観れば地元がアピールされるのに、入り口である宣伝ーチラシでPRしたら、そこで関心をなくしてしまう。

ただ、これも熱い地元愛があるからこそ、陥りがちなところなのだが、愛があるだけに、そんな行為を見たときは悲しい。そして、そんな方にそう説明してもこう答える人がいる。

「故郷をアピールする大切な機会だから、できるだけ町のことを伝えたい!」

それは故郷をアピールするというより、多くの人に関心を持たせないための行為となっている。

だが、地元で映画を上映するときは、先に上げた行為が全て宣伝として有効になるから面白い。「地元のどこで撮影されたか?」「地元がどれだけがんばったか?」が市民の関心を引くのである。

地方映画の宣伝はそんなふうに特殊な方法論が必要。どこで上映するか?によって、視点を変える必要がある。それをうまく使い分ければ地元でも外部でもアピールすることは可能なのだ。


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