「流星の絆」厚い文庫本だが、面白くて数日で読んた。しかし? [読書]
「流星の絆」厚い文庫本だが、面白くて数日で読んた。しかし?
ものすごく複雑なトリックがあるとか、「犯人は誰だ!」という謎がある訳でもないのに読み出したら止まらない。犯人は途中で分かる。が、いかにして、その人物が犯人であるか?を証明するところに物語は集約されていく。あー〜ー早く連絡しないとマズイ!と、ハラハラしたり、えー〜ーそういうことかーー!と驚く展開もあり、厚い文庫本を数日で読んでしまった。
が、最後の最後に真相が明らかになるところが期待外れ。え? それで終わり? というものだった。その人が犯人というのはある意味でミステリーの禁じ手だし、殺された両親の話がテーマに結びついてこない。先に読んだ「祈りの幕が下りるとき」のような感動的な親子の絆になっていない。何なんだこれは! 最後の最後までは物凄く面白いのに〜。
一つには東野圭吾は多作。かなりの小説を出版している。となると、全てが名作という訳にはいかない。どうしてもレベルが下がるものも出てくる。ただ、人気作家だし、技術はある。着想もいい。それがこの作品だったのかもしれない。家族の隠された背景ドラマがあれば名作になったが、限られた時間で描かねばならない。
人ごとではない。僕も感動ドラマを考えるのに何年もかける。毎日考える。暇さえあれば考える。それでも観客が涙するシーンは何年に1つくらいしか思いつかない。人気作家の場合は年に数冊本を出す。当然、レベルが低くても出版せねばならない。そう考えると「流星の絆」はいいところまで行ったが、感動の結末を考える時間が足りなかったのだと思える。
が、まあ、あの厚い本を数日で読ませる筆力には恐れ入る。もう少し彼の作品を読んでみたいので、次は「天空の蜂」に挑む。これは原発が絡む物語だ。
作家は子供時代に見た作品の影響を受ける?=東野圭吾、庵野秀明、そして沖縄出身の金城哲夫 [読書]
作家は子供時代に見た作品の影響を受ける?
=東野圭吾、庵野秀明、そして沖縄出身の金城哲夫!
東野圭吾さんのミステリー「流星の絆」を読んでいる。彼の経歴を調べると、僕と同じように関西で育ち、怪獣ものが好きで、「アルキメデスは手を汚さない」を読み、同じような物語作りの仕事に就いたことを知り、不思議に思えた。まあ、向こうはベストセラーを連発する大作家であり、こちらはしがない映画監督だが、経歴だけではなく、どちらの作品も「家族の絆」を描いた涙の感動作というところにも、共通する何かあるのかもしれない?と考える。
彼は「ウルトラセブン」こそがシリーズの最高傑作だという。それは賛同する。もしかしたら最終回の「史上最大の侵略」も好きかも?あれば単なる特撮ヒーローものでない感動的なドラマだ。そこに東野圭吾作品のルーツがあるのかもしれない。「シン・ゴジラ」そして「エヴァンゲリオン」の作家で監督の庵野秀明の映画を観ると「帰って来たウルトラマン」の影響が見られる。
本人も公言しているが、その中の「決戦!怪獣対MAT」という名作がある。これも単なるヒーローものではなく、人間ドラマがよくできている。岸田森演じる坂田の思い出話ー太平洋戦争時の記憶ーが胸に突き刺さる。「シン・ゴジラ」にもその作品の影響が見られる。東野にしろ、庵野にしろ、今、公開中のアメリカ版「ゴジラ」の監督もそうだが、子供の頃に見た作品というのは大きい。
例えば先の「ウルトラ」シリーズの脚本家には金城哲夫と上原正三という人がいる。この2人は沖縄出身。彼らが書いた脚本にはやはり沖縄人の思いがこもっていた。それを見て育った僕は、3年がかりで「ドキュメンタリー沖縄戦」を完成させたが、その戦争の歴史を知るたびに、彼らの思いが蘇った。彼らが作品に込めた悲しみが改めて心に突き刺さった。
金城哲夫が書いた「ウルトラセブン」名作と言われるエピソードに「ノンマルトの使者」がある。通常のように悪い怪獣が出現。警備隊が攻撃。ヒーローが最後に倒すというものではない。金城の中で、人類に復讐するノンマルトこそが沖縄人。ウルトラ警備隊は自衛隊。ウルトラセブンはアメリカの第七艦隊がダブっていたと言われる。悪いのは誰なんだ? もともと地球はノンマルトのもの。それを侵略したのが地球人なのだ。
そんな物語を幼い頃に見ていたせいで、僕はきっと感動ドラマだけでなく「朝日のあたる家」や「ドキュメンタリー沖縄戦」にもチャレンジしてしまうのだろう。東野圭吾のエッセイを読んでいると「私はアホでした」という話になっているが、何か、幼い彼の心に突き刺さる体験があったのではないか? と思えてしまう。大人たち。親たちに対する憤り、不信感。そんなものが物語の背景に流れているような気がする。
作家・東野圭吾との共通点=同じ大阪で高校時代。共に怪獣好き!? [読書]
作家・東野圭吾との共通点=同じ大阪で高校時代。共に怪獣好き!?
90年代。僕は島田荘司さんをはじめとする新本格派からスタート。いろんなミステリーを読んだ。その後、宮部みゆきさんにハマり。「理由」以前はほぼ読んでしまった。不思議な縁でその「理由」の映画版(大林宣彦監督)のメイキングを担当している。その後は監督デビューして、本を読むという時間がなかなか取れず、自宅入院状態の時に村上春樹を読みあさり、それからもう8年が経つ。
今回の自宅入院状態でのヒットが東野圭吾。ドラマや映画にはなっており見ているが、原作は読んだことがなかった。今は「流星の絆」を読んでいるが、まあ、面白い物語をあれこれ考えるものだ。僕も物語を作る脚本家の仕事をしているが、脱帽だ。一体、どんな人なのだろう?と調べてみると。僕より2歳上。ほぼ同世代。
自伝的なエッセイを読むと怪獣が大好きだったと知り、共感。「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」を同じような番組を子供時代に見て、夢中になり、怪獣にもかなり詳しいようだ。これは仲良くなれるかもしれない。怪獣ものは僕も負けない。「この人は凄い」と思ったのはあの切通理作さんだけ。
いつか、東野さんと怪獣対談というのをしてみたい。そして、中学時代に「アルキメデスは手を汚さない」というミステリーを読んだとのことが、僕も読んでいる。そこから「二十面相」でない大人の推理ものを読み始めたのだ。さらに共通点は大阪で中学、高校時代を送っている。なのでエッセイを読むと笑えるところが多い。
とても偉そうなことを言うと、僕は小説で映画化したい!と思う作品がない。僕の監督作は全てオリジナル。そして家族の絆で最後に泣ける。東野さんの小説も同じ。もしかしたら、東野さんの原作で「映画化したい!」と言うのが見つかるかも? でも、人気作家だ。原作料を払いきれないかも? そんなことを考えつつ、彼の小説を読んでいる。
「祈りの幕が下りる時」涙なしで読めないミステリー小説。 [読書]
元々はミステリー小説が好き? 今回は東野圭吾だ! [読書]
元々はミステリー小説が好き? 今回は東野圭吾だ!
自宅入院状態が続く。先週、無理して2日連続外出してから体調が悪化。下がって来た血圧も再び上昇。またダウンした。来週末は北海道の映画祭に参加せねばならないので、おとなしくしている。
と言って、ある意味では3年ぶりの自由時間だ。日頃できないことをせねば!と、溜まっていた本を読み続けている。が、ここしばらくはノンフィクションばかり。「知ってはいけない2」「安倍三代」「日航123便墜落事件」「オウム帝国の正体」等だ。
なので久々に小説を読もうと買ったままになったものを本棚から取り出す。もともと、小学生の頃からミステリーが好きで、将来は探偵か刑事になろうと思っていたこともある。アメリカ時代になぜか?松本清張、森村誠一をほぼ読み尽くした。
帰国してライターをしていた頃は書評を担当していたので、その時代は新しい作家のものをかなり読んだ。島田荘司、綾辻行人、我孫子武丸、法月綸太郎 ら。そのあとにブレイクしたのが、今や人気の東野圭吾だ。
その人の本を3冊。いずれも映像化されたものだが、原作を読みたかった。ちなみに写真の4冊中。3冊は原発が絡む。元気になるまでに何冊読めるか分からないが、楽しみだ。
「ゴジラ対へドラ」 もう一度観たくなった!♫ [読書]
「怪獣少年の<復讐>」切通理作・著。
めちゃめちゃ、おもしろい!!
子供時代の興奮が蘇る。
「ゴジラ対へドラ」
もう一度観たくなった!♫「
♫「水銀。マンガン、カドニュウム。鉛。硫酸。オキシダン。汚れちまった海〜」
今でも歌える!
「怪獣少年の<復讐>」切通理作・著。購入しました。 [読書]
「怪獣少年の<復讐>」切通理作・著。購入しました。
怪獣世代としては絶対読みたい一冊。
「行け、エレドーダス!」と言っていたのは
「バロム1」の白鳥健太郎。
或は寺山修司の「田園に死す」私の子供時代。
ちなみに著者の切通さんには
僕が週刊誌のライターをやっているときにインタビューさせてもらい、
それは「週刊プレイボーイ」の掲載された。
それから20年。
僕が映画監督となり「A」(内緒)を作ったとき。
トークショーのゲストで切通さんに来てもらった。
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