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「ドキュメンタリー沖縄戦」=教科書には載っていない住民の苦しみ。絶望。失望。落胆。慟哭を伝える作品。完成披露試写会@沖縄を準備中! [2019]

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「ドキュメンタリー沖縄戦」完成披露試写会@沖縄を準備中!

今回はタイトル通りにドラマではなくドキュメンタリーだ。太平洋戦争における沖縄戦。国内で唯一の地上戦が行われた。その沖縄戦を米軍上陸時から、戦闘終了までを追った作品。

当時を知る地元体験者の方々。15人以上。研究者、学者は十数人にインタビュー。沖縄戦とはどんなものであったかを明らかにしていく。当時、米軍が記録したフィルムをふんだんに使用。また、戦闘が行われた場所は現在どうなっているか?証言、記録映像、現在の沖縄を交えて描いていく。

この作品にかかる前にいろんな沖縄戦ドキュメンタリーを見たが、どれも問題があった。NHKの特集番組をDVD化したものは、教科書的な上部をなぞるだけのものが多く、悲しみが伝わって来ない。また、現地で作られたものは、いろんなことを取り込み過ぎて情報量が多過ぎて分からなくなるものもあった。そしてほとんどに言えるのは軍隊の目線で戦争を描いているということ。

それでは住民の悲しみが伝わって来ない。戦争の悲惨さが分からない。劇映画「朝日のあたる家」の時もそうだったが、多くの原発事故関連のドキュメンタリーや報道は「福島の今」を伝えてはいるが、見ていて「へー、大変だったんだなあ」という他人事に思えてしまう。悲しいというより同情が先に立つものが多かった。そこで「朝日」は観客自身が「悲しみ」を共有できることをテーマに作った。

今回はドキュメンタリーだが、同じく観客が沖縄戦を体験できるというテーマで製作。幸いスポンサーからの依頼も「弱者の視点を大切したものに」とのこと。目的が一致。沖縄の多くの方々の協力を得て、3年に渡り取材をした。いくつもの自治体、多くの戦争資料館、団体、戦争体験者の方々と、沖縄を上げての応援を頂いた。

何より80〜90代の当時を知るお年寄りの言葉を生で聞くことができた。書籍で読む。ドラマで見る。それらでは絶対に感じられないリアリティある証言を収録。また、テレビでは放送できない米軍映像。これまでに紹介されていない記録フィルムも入手。作品内で紹介している。

「怒り」「悲しみ」「憤り」歴史の教科書が伝えない住民の苦しみ。そして絶望。失望。落胆。それらを描いてこそ「戦争」というものが見えてくる。多くの方の協力で、これまでにない「沖縄戦」ドキュメンタリーの決定版と言えるものが完成した。

まずは応援して頂いた方々を中心に、沖縄に住む方々に向けてスポンサーが完成披露試写会を予定。秋に向けて進めている。実は今年3月に完成しているのだが、なかなか前に進めずにいた。ここに来てようやく具体化。それこそデニー玉木知事もご招待して、まず沖縄の皆さんに感謝を込めて、お披露目したい。日時、場所等は決まり次第に発表させて頂く。

「ドキュメンタリー沖縄戦」監督日記=>https://okinawa2017.blog.so-net.ne.jp


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リハビリ日記ー新しい時代を把握すること。感じること? [2019]

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リハビリ日記ー新しい時代を把握すること。感じること?

流石に3日続けて外出すると、疲労困憊で外に出ることができず。でも、そうやって少しずつ回復して行くので無理せずに復帰を目指して行きたい。体力だけではなく、映画製作が始まると関係資料しか読まず、関連映像しか見なくなるので、どうしても時代に着いて行けなくてなる。ニュースを見る時間がなく、大きな事件も知らないで過ごすこともある。

事故でも、事件でも、殺人でも、汚職でも、密接に時代と結びついており、見つめることで時代が見えてくる。そんな時代を把握せずに作品を作っても観客には受け入れられない。80年代の日本映画に魅力を感じなかったのは、やはり作り手が過去の価値観に縛られ、急激に変化する新しい時代を把握できていなかったからだと思える。

特にハリウッドではスピルバーグ、ルーカス、コッポラらが台頭。それまでとは違った映画を作っていた。それらが現代も人気の「アベンジャーズ」「バットマン」(一連のDCコミック)「ターミネーター」等のシリーズが登場する背景にもなっている。今でこそ、日本映画もエンタテイメント作品が増えたが、80年代には文芸作品かアイドル映画(とは言え、主役に人気者を使うだけで中身は過去の焼き直し)ばかりで、多くの日本人は洋画を支持した。

でも、日本映画も1960年代は多くの娯楽作品があった。クレージーキャツのシリーズ。勝新の「悪名」「兵隊やくざ」「座頭市」シリーズ。「眠狂四郎」シリーズ。黒沢明の時代劇、「社長シリーズ」裕次郎、加山雄三の青春もの。それがいつの間にか文芸作品が主流となったのはなぜか? いつか解明したい。

作品はいつも時代を反映する。2010年代も今年で終わり、平成も終わり令和が始まったのも偶然ではないだろう。これからは単なるエンタテイメントだけでは観客の支持を得ることはできないような気がする。何が大切なのか? そんなことも時間がある間に考え、時代を吸収したい。油断するとすぐに時代に置いていかれる。特に歳を取るとそれが顕著。そんな心のリハビリもしなくては。



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「仮面ライダーアマゾンズ」「龍騎」「クレヨンしんちゃん」でリハビリ? [2019]

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「仮面ライダーアマゾンズ」「龍騎」「クレヨンしんちゃん」でリハビリ?

ここしばらく、あまり見なかったamazonプライム、Netflixを見る。TSUTAYAと違い借りに行かなくても会費は払わねばならない。見なきゃ損損!また、映画監督業なら、あれこれ見ておくのも仕事。自分の趣味だけで作品を見ていてはいけない。新しいものを見ることもとても大事。同時に、過去に見逃した作品も今のような余裕あるときに見ておくべきだ。その意味でプライムムービーはユースフルだ。

今、見ているのが「仮面ライダーアマゾンズ」過去の「アマゾン」ではない。複数。そして「amazon」でもない。数年前から噂になっていたが、なかなか見るチャンスがなかった。なんといっても僕のデビュー作「ストロベリーフィールズ」の東亜優さんが出演。話題になっていた。彼女のデビューは太田組。これは見なければと思っていた。

が、噂と違い、物語がどうも盛り上がらない。新しい大人向きの「仮面ライダー」に挑戦しているのだが、かなり厳しい。マニアの友人にそう話すと「いや、最初は問題あるが、我慢して見てほしい!」と言われたので、5話まで来た。もう少し頑張る。同時にかなり古いシリーズも見ている「仮面ライダー龍騎」だ。

これに出演していた弓削智久君とも仕事をしたことがあり、彼の出ている辺りからは見ていたが、それ以前を見ていない。その後、時間がなく、ようやく見られるのが今。もう、12年以上経っている。さらに作品の放送は2002年。もう17年前! 「555」は全部見ているのだが(こちらも「ストロベリーフィールズ」「青い青い空」の芳賀優里亜さんが出ている)シリーズものを見るには体力が必要だ。

さらに、今年に入ってから目指しているのが映画「クレヨンしんちゃん」制覇!だ。多分、もう半分以上は見ている。知らない人はなんで「しんちゃん」と思うだろうが、このシリーズ。名作が多い。クオリティが高い!「オトナ帝国の逆襲」は超名作。子供を連れてったお父さんが号泣する感動作だ。「温泉」の話も良かったし(丹波哲郎が実名で登場)キラーサボテンも名作。原発が隠れテーマ。あと、「カンフーボーイズ」も、食品添加物がテーマだが、最後は「世界平和」がテーマとなる。

昨夜は父ひろしがロボットになる話を見た。「ロボコップ」がベースか? 新感線の中島かずきさんが脚本を書いているが、もう一息。設定とテーマがマッチしていない気がした。映画やドラマを見るのもリハビリ。なのに同世代が本当に新しいドラマを見ていない。「24」「プリズンブレイク」の話ができるのは、ひと世代以上下だ。これが老化というやつか? 何とか時代に着いて行こう。


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「ロケットマン」を見て=ミュージシャンも監督業も、俳優業も孤独を覚悟する仕事。 [映画業界物語]

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「ロケットマン」を見て=ミュージシャンも監督業も、俳優業も孤独を覚悟する仕事。

「ロケットマン」エルトン・ジョンの人生を描いた映画はとても感じるものがあった。ただ、映画監督の人生を描いた作品はあまりなく、ヒッチコックが「サイコ」を撮った時を物語にした何とかいうのがあったが、少ない。でも、映画作りも、音楽作りも共通点が多く、「ロケットマン」は見てから、あれこれ考えている。

デビッド・ボウイも、プリンスも、ミック・ジャガーも、どこへ行っても人だかりになる。だから、プライベートを明かさない。ボウイは京都に家を持っていた。ネットで阪急電車に乗っている写真を見つけた。イギリスやアメリカにいるより、京都の方が安心できるのだろうか? パパラッチに狙われ、マスコミに追いかけられる。歌手や俳優を目指す若い人はそんな生活に憧れるが、楽しいのは最初だけ、次第に疑心暗鬼になり、うんざりもして、「もう、放っておいてくれ」と思う。

芸能界のある分野で大成功した人がいる。今までバカにしていた人、無視していた人たちが手の平返しで寄って来て賞賛した。最初は嬉しかったが、次第に自分を利用したくて近づいて来る人が、ほとんどだと気づく。恋心がある振りをして近づいて来る女性もいた(「ロケットマン」のあの男を思い出す)逆に有名というだけで批判、否定、中傷する人たちもいた。嫉妬に駆られてありもしない噂を流す。金を借りに来る。断ると激怒。「金あるくせに!」と罵倒された。

誰も信じられなくなったという。ノイローゼ気味になった。昔からの友達まで距離を置き始めた。アメリカやイギリスのスターでなくても日本でも似たようなことになる。全然レベルが違うが、僕程度の映画監督でも同じ。女優の卵が近づいて来る。恋ではない。取り入って映画に出るため。利用するため。映画業界では数年で1本の映画を撮るだけでも大変なこと。前作は10年前という人もたくさんいる。新作を撮るだけで嫌われる。嫉妬し「あいつは才能ない」触れ回る。

プロデュサーが近づいて来る「監督の熱さに感動しました。応援します」製作費が目当て。必要以上の金を抜く。現場費が足りなくなる。赤字が出たからと監督料をゼロにされる。後になって数百万の経費を払わない。ロケ地では感謝されることが多いが、必ず一部には嫌われる。ロケ撮影の候補になりながら撮れなかった店は宣伝にならず、恨みを買う。「撮影後、1ヶ月経ってお礼に来ない!」と激怒した社長もいた。その時期は編集の真っ最中。でも、彼の業界では1ヶ月後に礼をいうのがしきたり。その価値観を押し付けて「あいつは応援したのに裏切られた!」と触れ回る。

もちろん、街のアピールができて喜んでくれる人の方が多い。だが、「懐中電灯を貸したのに監督は挨拶に来なかった」と怒る人もいる。が、それは製作担当の仕事。1000人近い方に応援頂いている。監督の仕事は1人1人に挨拶することではなく、「応援してよかった」と思う作品に仕上げることだ。そして1人にお礼をいうと「なぜ、うちには来ない」「***さんだけお礼するのはおかしい」と言われる。まあ、毎回、そんな繰り返し、多くの感謝と一部からの批判と中傷。

近年は俳優とは仕事以外では飲みに行かない。スタッフとも頻繁には会わない。Facebookで交流しないのも、その一つ。「会ってほしい」「シナリオを読んでほしい」「質問に答えてほしい」という連絡がよく来るが、そこからトラブルになる。以前もGoogleで調べられることを訊いて来る人がいた。流石に頭に来て「自分で調べろ」と返事すると、「優しい人だと思ったのに!」とあちこちデマを書かれた。

大した知名度のない映画監督でさえ、そうなので、ロックスターは想像を絶するはずだ。「ロケットマン」のエルトンほど、僕は孤独ではないが、この仕事を続けるというのは、そんなことと向き合わなければならないということ。改めて感じる。


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エルトン・ジョンと尾崎豊。アーティストの宿命。悲しみを埋めるための作品。 [映画業界物語]

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エルトン・ジョンと尾崎豊。アーティストの宿命。悲しみを埋めるための作品。

昨日、見た「ロケットマン」エルトン・ジョンの人生を描いた映画。少し前にはフレディ・マーキュリーの生涯を描いた映画「ボヘミア・ラプソディ」があった。あちらはクイーンに詳しい人からすると、あれこれ違うところが多いと批判もあった。

こちらはエグゼキュティブ・プロデュサー、つまり製作総指揮がエルトン本人なので、間違いは少ないかもと思う。が、本人だからこそ、あまりに情けない話を隠そうとするかも?とも考えたが、十分に恥ずかしい話の連続であり、この映画は懺悔であり、告白なのかもしれない。

アル中、ヤク中、自己中心、癇癪持ち、浪費癖と、本人が告白する場面があるが、人生の落伍者のようなものばかり。しかし、彼は心に染みる素晴らしい歌を書き続けてきた。以前、記事にしたことがあるが、アーティストというのは「才能ある素晴らしい人」ではなく「悲しみを埋めるために作品を作らずにはいられない人」なのだと思える。人より多感で、小さなことでも耐えられない悲しみとして捉えてしまう。

だから生きずらい。映画でも親から愛を受けなかったことが大きな心の傷となり、それが埋められない。大人になっても荒れ続けるシーンがあるが、まさにその通りだ。感受性がさほど鋭くない人なら、多少の傷になっても、彼女が出来て、結婚すれば、その痛みを忘れるもの。それが理解ある女性と出会っても埋まらない。だが、エルトンを理解する作詞家バーニー・ハミルトンがいる。

あの素晴らしい歌のほとんどを彼が書いている。日本でいうと松本隆のような人だ。だが、そのハミルトンの友情も疑い、信じられなくなり、もっともっと愛してくれと、仲違いする。まるで子供。でも、だからこそあんなピュアな歌が作れた。尾崎豊もそんな印象だ。傷つきやすい不良少年。だからこそ書けた「17歳の地図」「卒業」「15の夜」彼もまた荒れた私生活を続ける。ドラッグに走り逮捕され、そのドラッグで命を落とすことになる。

表面だけを見たとき、エルトンも尾崎も大成功した芸能人は馬鹿騒ぎをし、ドラッグをやり、身を持ちくずすダメ人間のように映る。が、そんなことで「心の傷」を癒そうとしていることは見えない。もちろん、それは褒められたことではないが、子供のような彼らには自分を止められない。

また、一般の常識で彼らを測れないからこそ、あんな素敵な歌を作れるのだ。LA時代に出会った日本人で、尾崎と親しいという若い女の子がいた。尾崎ってどんな人?って聴くとこう答えた。

「悲しみを背負う人とすれ違うだけで、その人の悲しみを抱えてしまうようなタイプ」

なるほど。だから、あんな歌が書ける。でも、だから苦しい。でも、それがアーティスト。僕は山本太郎という人もそれに近いところがあると思える。人の悲しみを自分のこととして抱えてしまう。だから、原発事故で子供達のことを心配し、俳優業まで辞めて走り回った。それは今も続いている。

今朝もエルトン・ジョンの歌を聴きながら、あれこれ考えている。僕も映画を作る仕事をしているが、どうなのだろう? そう思って窓外を見ると、晴れてはいるが、強い日差しはもうない。夏が終わろうとしていることを感じる。

「ロケットマン」感想=>https://okinawa2017.blog.so-net.ne.jp/2019-08-26


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映画「ロケットマン」のエルトン・ジョンと僕の高校時代。 [思い出]

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映画「ロケットマン」のエルトン・ジョンと僕の高校時代。

もう少し、今度は映画「ロケットマン」ではなくエルトン・ジョンについて書いてみる。先にも書いた通り。高校時代に映画「フレンズ」の主題歌を歌っていることで存在を知り、あれこれ聞き出した。アルバムとしては「ピアニストを撃つな」を擦り切れるほど聴いた。中学時代はビートルズとビー・ジーズを聴きまくったが、高校はエルトン・ジョンに始まり、クイーン、ローリングストーンズと進んだ。

映画「ボヘミア・ラプソディ」が昨年公開されたし、エルトン、クイーンは高校時代のメモリーだ。ただ、僕の場合。音楽は徹底して聴くが(ベストではなく、アルバムで過去に遡る)アーティストの歴史とか背景には興味がない。曲自体と向かい合う。だから、コンサートは行くが自伝を読んだりはしない。本人に会いたいとかもない。

ミックジャガーに会いたい!サインが欲しい!とかも思わない。曲を聴くことが何よりも彼らと接し、知ること。そんなだから、フレディがゲイでエイズで死んだとは知っていたが、インド人で、あんな家族がいて、あんな人生を送っていることは知らなかった。

エルトンも同じ。映画「フレンズ」のヒロイン・アニセーアルビナがロンドンのスタジオで会った時(1970年)は気さくないい人で、一緒にランチ食べたりしたけど、数年後に会うとプライドの高い嫌な奴になっていたという話をしていたことくらいしか知らない。その辺は映画で描かれている部分でもあり、感じるものがある。

高校卒業前にリリースされたのが「恋に捧げて」評判は良くないが、僕は好きだった。オープニングはなんと「ジョニーBグッド」のディスコバージョン。卒業後に名作「青い肖像」「グッバイ・イエロー・ブリックロード」を聴いた。これはオンタイムではない。後者も「ピアニスト」と同様に映画から影響を受けている。イエローブリックロードというのは黄色のレンガの道。そう「オズの魔法使い」で主人公のドロシーが歩んだあの道のこと。

そのアルバムは1000万枚のセールス。同じく1000万枚セールスの「キャプテン・ファンタスティック」何がいいのか?未だに分からない。1985年に公開されたアメリカ映画「ファンタンゴ」の主題歌はその「イエロー」に収録された「 Saturday Night Its all Right For Ftighting」だった。その監督がUSC映画科卒業生。そこに僕は2年後入学する。

その前後からエルトン・ジョンの曲はパワーを無くしていく。というより、高校3年から聴きだしたローリング・ストーンズの方が自分に合ったからかもしれない。メローで、美しいエルトンの歌は日本ウケする。「ユアソング」なんて何度CMソングになったか? 映画の主題歌にもなっていたし(就職戦線異状なし)。誰もに愛される歌だ。でも、高校を出て戦いを始めた僕は不良のロックであるストーンズに魅力を感じたのだろう。

そのあとは横浜で暮らしだして、ブルーススプリングスティーンの歌と出会い。さらに美しいエルトンのサウンドはかけ離れた、どちらかというと汚れた(?)ラブソングを歌うブルースの方が合っているとと感じたのだろう。しかし、その後、映画監督デビューして作った映画を音楽で例えるなら、不良ロックのストーンズではなく、エルトンの悲しくも美しいラブソングの方が近いように感じる。彼の歌が心に染み付いているのだろう。

そのエルトン・ジョンのライブはLA留学中に見ることができた。1989年。ウエスタフォーラム。3万人ほどのキャパ。そこで高校時代から聴いた彼の歌を生で聴くことができた。オープニングは「ベニー&ジェッツ」今回の映画でも流れた。ちなみにこれも「雨のロスアンゼルス」という映画の主題歌。そして、クライマックスは「ファンタンゴ」の主題歌!大盛り上がり大会。一昨年来日したが、入場料があまりに高く行けなかった。が、行った京都の「友達」は最高だったと絶賛。悔しい思いをした。

そんなエルトンがどんな人生を送っていたか? 今日の映画で知った。暑さが収まった深夜。部屋で一人、彼のアルバムを聴いている。


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エルトンジョンの人生を描いた映画「ロケットマン」=同時に映画を観るあなたが自身を探す物語。 [映画感想]

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エルトンジョンの人生を描いた映画「ロケットマン」=同時に映画を観るあなたが自身を探す物語。

金正恩ではない(一時期、トランプは彼のことをそう皮肉っていた)アメリカのスーパースター・エルトン・ジョンの物語。僕が中学時代にビートルズを夢中で聞いたあと。心惹かれたのもエルトン・ジョン。映画「フレンズ」(1971年公開、「小さな恋のメロディ」と並び話題になって大ヒットした映画)の主題歌を彼が歌っていたのがきっかけで、アルバム「ピアニストを撃つな」聴いた。

タイトルはフランソワ・トリフォー監督の名作「ピアニストを撃て」のオマージュである。(ジャケットに映る映画館にもそれが出ている)このアルバムの「ダニエル」と「クロコダイル・ロック」が好き。日本人好みの美しいメロディ。そしてバリバリのロックではない、胸踊るロックンロール。日本でもすでに人気があった。

そこから高校時代に何枚かアルバムを聴いて、卒業時に「恋に捧げて」がリリース。当時はディスコブームなので、全曲ノンストップのディスコ調アルバム。そして映画学校の時に聴いたのが「蒼い肖像」このオープニングは1分の前奏がある7分の歌。「トゥナイト」B面の「Sorry seems to be a hardest word」(輸入版で聴いたので日本語タイトルを知らない)の2曲はもうシンフォニーだ。心に染みる悲しく壮大な曲。この曲は劇中でも演奏される。そんな具合に映画で流れる歌はほとんど知っていた。

前置きはこのくらい。昨年、フレディ・マーキュリーの伝記映画「ボヘミア・ラプソディ」が公開。あれも心に染みる作品だった。こちらも同じくスーパースターが悲しみの十字架を背負い、足掻く物語。有名になっても、億万長者になっても、その心の傷は癒されない。親に愛されない。認められない。ゲイであることの悲しみ。双方に共通する。素晴らしい曲を作る力を持ちながら、そのことから逃れられない。

いや、あんな素晴らしい曲を作れるからこそ、些細なこと。小さなことが大きな心の傷になるのだろう。同時に、親の愛、家族の愛というものがどれだけ大切であるか?を感じる。深く傷ついた心を癒すことは大いなる称賛でも、新しい愛でもできない。しかし、そこから生まれてくる歌。「ユア・ソング」も先の「トゥナイト」も心から血を流しながら作ったことを感じる。

彼らのような大成功したアーティストではない僕でも、彼らほどの深い悩みも抱えていないが、同じ作品を作るものとして、共感するところがいくつもあった。エルトンが自宅で「ユア・ソング」を歌うところ。最後の治療センターの場面ではボロボロと涙が溢れた。分かり合えない悲しみ。理解されない寂しさ。作品を作らなくては生きて行けない。作詞を担当する親友バーニーハミルトン。名前は昔から知っていたが、ああいう人だったのだ...。

僕はなぜ、映画を作るのか? 愛はアーティストを救うことはないのか? 現在のエルトンは幸せなのか? 自分自身を探す2時間の旅だった。この映画はエルトン・ジョンの人生を描いた映画だが、同時に映画を見るあなたが自身を見つめ直す物語。まだまだ書きたいことはあるが、今夜は1人で「ピアニストを撃つな」と「青い肖像」を聴きながら自分の人生を振り返ってみる...。


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「崖の上のポニョ」観てから、とりあえずハムサンドを作って食べた。チキンラーメンなかったので。 [ドラマ感想]




ポニョー凄い。なんでもないシーンで涙が溢れる。やはり宮崎駿は天才。凄い、、、、

そっかー。ポニョって、魔法を使うハイジなんだ。。。


ポニョー凄かった。心優しき、汚れのない物語。公開時に映画館で見ていたけど本当に凄い。自分がいかに世間に縛られて、汚れた大人になっているか?痛感する。もう一度、海に戻り、汚れた心を洗おう。それがクリエイターの生き方だ。とりあえず、今からハムを食べる。

「崖の上のポニョ」観てから、とりあえずハムサンドを作って食べた。チキンラーメンなかったので。しかし、この手の作品を時々見なければいけない。全然違うが、劇団・唐組も同じことを言える。両者ともに脳が洗濯される。汚れて、こびりついた古びた価値観が洗らわれる思いがする。人は歳を取ると経験値は増えるが、世の中に流されて大切なものが見えなくなっていく。その意味で宮崎駿も唐十郎も社会に染まらない。汚れない存在。凄い。



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「天気の子」ー大切なことを忘れた大人に問いかける物語でもある。=侘しい子供達を追い詰めたのは誰か?(ネタバレあり) [映画感想]

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「天気の子」ー大切なことを忘れた大人に問いかける物語でもある。
=侘しい子供達を追い詰めたのは誰?

ポスターのビジュアルを見ただけでは、この映画の感動は伝わらない気がする。が、僕は2回、この作品を映画館で見た。基本は若い人向けの映画。主人公は16歳の家出少年。僕のような間も無く60歳になろうオヤジが見るための映画ではない。でも、とても感動した。何度か涙が溢れた。「この涙は何?」自分でも理由が分からないけど、訴えかけてくるものがあった。

田舎から家出して東京に来た少年が、

苦労しながら、自立して行く。そして女の子と出会う。典型的なボーイ・ミーツ・ガール物語ではある。田舎から出てきてというのも、昔はよくあったスタイル。それを今の時代にあえて描いている。新しいのは、出会った女の子が「晴れ女」で雨を止めて、短い時間だが晴れにできる能力があるということ。

ここまでで興味深いこと。

ヒロインの描かれ方が10代の男の子が思い描く女の子なのだ。「ふふ」と可愛く笑う。行動的。好意的。女のいやらしさや打算がない。80年代のアニメに出てくるキャラ。「タッチ」や「みゆき」。そんなヒロインに10代の頃は憧れる。それが現実の女性と付き合うようになり、30歳を過ぎ、結婚すると「憧れのヒロインとは違うこと」を知る。その手の漫画家が言っていたが

「恋をたくさんして、いろんな女性と付き合っていたら、ラブコメは描けない。女性に憧れがあるから描ける」

この映画でもそれを感じる。監督は40代。でも、彼はいう。

「10代の頃の憧れ、ちょっとした思い。そんなことを今でもリアルに思い出すことがある」

それを物語にしている。凄い。人ごとではない。僕も40代で女子高校生を描いた映画「ストロベリーフィールズ」を作った。オヤジたちは「今時、こんな子はいない!」というが、2つ間違っている。物語は昭和40年代。今時ではない。そして今でもそんな子はいる。ただ、オヤジたちの興味が援助交際とかそっちにしか向いてないので、マスコミが煽るその手のニュースしか聞かないだけ。実際、そういう親父で10代と接点がある人はいなかった。情報源は週刊誌だけだ。

「天気の子」の構図は少し違うが、

忘れかけていた、あの頃のときめきとか、憧れを思い出す。「この子のためになら人生かけてでも!」大人になると打算と計算で汚れて行く中、そんな思いで主人公は彼女と弟を連れて逃げる。だが、泊まるところはなく、やっと見つけたラブホテル。少しネタバレになるが、そこでカラオケを歌い、インスタント食品を食べて、幸せに浸る子供達。

涙が溢れる。今時の子供の幸せってこんなものなのか? いや、きっとこんなものなのだ。豪華なステーキやシャンパンではなく、侘しいカップラーメンやたこ焼き。そんなものを食べて、気の合う仲間とカラオケを歌う。それが幸せ。でも、そうなのだ。そんな貧しい幸せしか求められくなってしまった。大人たちが、社会が子供達を追い詰めてしまったから。逃げ場をなくしてしまったから。

この映画を見て「小さな恋のメロディ」

と「リトルロマンス」を思い出した。それらもローティーンの男女が大人たちに理解されず、引き裂かれそうになり、逃げ出す物語。いつの世も大人たちは自分たちの価値観を子供たちに押し付けようとする。それが古びて腐りきったものであったとしても。そして「天気の子」はクライマックスで、あの「傷だらけの天使」の代々木のビルへ!

この辺はもう「頑張れ、穂高!」と願わずにはいられない。結婚式を挙げようとしたメロディとダニー。サンセットキッスをするために飛び出したダニエルとローレン。それを邪魔する大人たち。同じ展開。そしてこの映画が他と違うところ。昔の主人公は自分が傷ついても多くの人を救おうとした。が、彼らは世界より、自分たちの小さな愛を選ぶ。

でも、今の時代はそれが正しい。

世間が国のため、正義のためと誘導し、影で笑っている金持ちが儲ける時代。それなら確かな自分たちの愛を守ろう。大切にしよう。ただ、そんな風に考えてしまうのはなぜだ? そんな世界を作ったのは誰か? それを考えねばならない。これは子供達の物語だが、大切なものを忘れてはいないか?を大人たちに問いかける映画でもある。本日もサントラ盤を聴く。


(下写真 映画の舞台となったビル。「傷だらけの天使」ではこの屋上でショーケンが暮らしている設定)

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「明日にかける橋」に出て頂いた宝田明さんの新作 「ダンス・ウィズ・ミー」=ハートウォーミング物語! [映画感想]

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「明日にかける橋」に出て頂いた宝田明さんの新作
「ダンス・ウィズ・ミー」=ハートウォーミング物語!

さて、どの場面で宝田さんは出ているのかな?と思ったら、オープニングから登場。役柄はインチキ催眠術師! これがめっちゃはまり役。その宝田さんに催眠術をかけられ、音楽を聴くと踊って歌わずにはいられなくなったOLが主人公。術を解いてもらために宝田さんを探すが....という物語。

一昔前の日本映画は文芸作品が多く、エンタテイメントが本当に少なかった。それが今では笑って、ハラハラして、感動できる作品がかなり多い。やはり映画は娯楽だ。そんな痛快丸かじりの1本がこれ。おすすめです。

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