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ポン・ジュノ監督の新作「パラサイト」観ると暗い気持ちになる? でも、傑作! [ドラマ感想]

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ポン・ジュノ監督の新作「パラサイト」観ると暗い気持ちになる?

「ジョーカー」超えとは言わないが、かなり落ち込む。先のイーストウッドの新作さえ、ハッピーエンドなのに、こちらはかなりディープ。ま、「殺人の追憶」「母なる証明」の監督だからねえ。見終わってしばらくは暗い気持ち。立ち直れない。

でも、そんな作品はよく出来ており、監督が優秀ということ。近年の韓国映画のクオリティは日本映画を超えており(経済も抜かれたし!)非常によく出てきている。俳優もうまい。先日、韓国の映画祭に出かけた友人によると、日本映画の2倍以上の撮影期間だという。丁寧に撮られていること。映画からも分かるが、やっぱりねえ。

「1987、ある闘いの真実 」「タクシー運転手」と政治に切り込む力作もあるし、いろんな意味で日本映画は完敗している。何が違うのか?考えねば。


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地方映画の作り方(第11回)その後の展開 =海外の映画祭。DVD、テレビ、衛星放送!  [映画業界物語]

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地方映画の作り方(第11回)その後の展開 =海外の映画祭。DVD、テレビ、衛星放送!                           

映画館公開は基本、東京に始まり、あと日本各地の映画館で上映される。そして世界の映画祭にも出品が可能。もちろん、審査を経なければならないが、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの大きな映画祭で上映される可能性もある。

太田組作品は毎回、ロスアンゼルスの映画祭に招待される。過去にはカンヌ映画祭にも出品。

映画館上映が終われば、レンタル上映。日本各地の団体やグループに貸し出して上映会を行うことができる。そしてメーカーが手を挙げればDVDが発売される。全国のTSUTAYAでレンタル。Amazonや楽天で販売。

さらにテレビ、ケーブル、衛星放送、ネット配信と現在はいろんなメディがコンテンツとして映画を必要としている。その種の会社からのオファーもある。こうして作品は映画館公開を終えても、数年はどこかで放送、配信されており、多くの人たちの目に触れる。

1度放送して終わりのテレビドラマと違い、様々な可能性を秘めており、世界に発信することができるのである。(つづく)

写真は「朝日のあたる家」がNetflixで配信されていた時のもの。




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「僕には夢がある」といいながら何もしない若者たち?① [映画業界物語]

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「僕には夢がある」といいながら何もしない若者たち?① 

(5年前の記事から)

「夢」を追いかける話を何度か書いたら、いずれも好評。今回はあるちょっと辛口だが、若い夢追う人たちの参考にしてほしい。

僕が20歳くらいの頃。まわりには、いろんな夢を追う友人たちがいた。「俳優になりたい」「映画監督が目標だ」「ミュージシャンになりたい」「小説家を目指している」「カメラマンになる!」皆、ことあるごとに夢を語り続けた。

だが、彼等のほとんど、いや、全員といっていい。誰1人夢を実現することはできなかった。早い者は1年以内に消えて行き、長くても5年経つと、彼等はもう夢を語ることはなく、就職するか、連絡が来なくなった。あれから30年が経つがその後、彼等がどこかの業界でがんばっているという話は聞かない。

「世の中甘くないからな〜、夢はしょせん夢でしかないんだよ」

と、大人たちは訳知り顔で語るだろう。だが、そうではない。そんな一般的な言葉では片付かない、歪んだ思いが絡んでいる。夢を追いかけた彼らの思いを検証してみよう。最初は本気で「俳優になりたい!」と思った。バイト先で夢を語る。まわりの目が違って来る。

「あいつ俳優、目指してんのかよ?」

とバカだと思う奴もいるが、目的を持たずに生きている若者からすると「スゴイな」と思う者もいる。特に夢を語る男は女の子たちからも注目される。大人たちも「**君は俳優を目指しているのか? 今時の若者は遊んでばかりいると思っていたけど、目的を持ってがんばっているなんて偉いな?」と認めてくれる。

つまり、「夢」を語るだけで、まわりが一目置き、認めてくれる。「あいつは、その辺の奴と違う」特別視してもらえる訳だ。そんなタイプは元々、演劇や映画。音楽が好きなので、語るのは得意。

「この間***さんの舞台を観てきたけど、感動した。僕も彼のような役者を目指したい」

「***監督の映画は特撮が下手だ。オレがやればもっと上手くできる」

とか話をすれば、「やっぱり、この人は違う」と思われる。そんな環境が彼ら腐らせて行く....。


(つづく)



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監督との出会いが俳優の運命を決めたケース。オーディションを受けるだけではダメ。 [映画業界物語]

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監督との出会いが俳優の運命を決めたケース。オーディションを受けるだけではダメ。

「アメリカン・グラフフィティ」に主演。のちに「グッバイガール」でアカデミー主演男優賞を取ったリチャード・ドレイファス。決して2枚目でもないが、演技派として高い評価を受けている。そんな彼がまだ有名でない頃、スピルバーグの出世作「ジョーズ」に出演した時のこと。サメを調べる海洋学者の役だ。

撮影中に監督のスピルバーグから次回作はUFOの映画。そのあらすじを聞いて強い興味を持った。「出たい!その役をやりたい」だが、スピルバーグはジャック・ニコルソンのような中年男性をイメージしていてあっさりと断られた。が、その後、ドレイファスは撮影の間中、スピルバーグを口説き続けた。年齢を下げてもその役は成り立つ。僕ならできる!

その情熱に負けたスピルバーグはシナリオを書き直し、そのロイニアリーの役をドレイファスに依頼した。それが「未知との遭遇」だ。彼はそれで一躍注目を浴び、アカデミー賞俳優への道を驀進する。俳優のきっかけは監督との出会いであること大きい。その後、スピルバーグはドレイファスと再び組んで「オールウェイズ」を監督する。

大杉蓮さんも監督との出会いが大きかった。映画ファンでも知らない俳優。それが北野武監督に見出され、毎回出演。次第に大きな役になり、「HANABI」では準主役という感じ。そのことで注目され、あちこちからオファーが殺到。北野作品に出る余裕もなくなるほどだった。テレビ、映画、何を見ても大杉さんは出ている時期があった。寺島進さんも同じ構図。北野監督が彼らの魅力に気づいたことが大きい。

俳優はオーディションに行く以外にアピールする機会はなかなかない。だから、努力のしようがないこともある。それでもあれこれ考えれば機会はある。僕の知る若手俳優たちも、そんな機会を無にしている子達が多い。ダメと言われて大人しく引き下がる。力を見せる機会をみすみす逃してしまう。誰もが認める実力なんてなかなかない。

ある監督がそれを認めたことで、他の人たちも注目する。他からも仕事が来る。その最初の監督が北野武ではなく、無名の人かもしれない。小説家も同じ。あの編集者でなければ、その作家の魅力は気づかないということがよくある。宮部みゆきも、京極夏彦も最初、多くの編集者は出版を考えなかった。ある編集者との出会いがベストセラー作家への道を開いたのだ。映画も同じ。監督との出会いが大きい。



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愛を選ぶか? 仕事を選ぶか? 女優は2つを選べない。 [映画業界物語]

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愛を選ぶか? 仕事を選ぶか? 女優は2つを選べない。

助監督をやっている後輩がいる。ある時、チャンスがやってきて監督をすることになった。当時、女優の卵と付き合っていて、彼女も喜んでくれた。そして当然、自分は何らかの役でキャスティングされると思った。彼は自分のことを愛しているし、女優として花開くことを応援してくれているからだ。

だが、後輩は彼女をキャスティングするのを躊躇っていた。女性としては愛していたが、俳優として実力に欠けたからだ。ただ、自分の作品に出ることで注目されて、女優として展開するチャンスを掴めればとも考えた。同時に演技力がもう一息な彼女を出演させることで作品自体のレベルが下がることもある。

愛する女性のために

多少実力が足りなくても出演させるか? それともデビュー作でもあるし、失敗作にはしたくない。それに彼女だから実力不足なのに出演というのは彼女にも失礼だ。実力をつければ他でもチャンスを掴めるはず!そう考えて、キャスティングしなかった。

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彼女は涙を零す。

日頃から応援してくれていた彼氏が映画を監督するのに自分を出さない。実力がずば抜けている訳ではないことは分かっている。でも、このチャンスを生かし、頑張り、必ず期待に応える芝居をするつもりだった。そんなチャンスを愛する彼はくれなかった。これは愛がないということだと感じた。

それがきっけで、何かにつけ揉めるようになる。結局、2人は別れる。彼女は別の男と出会い。結婚した。男は映画界の人間ではないが「君は女優としての才能がある!応援したい」と言って口説いたという。その言葉が嬉しくて結ばれた。その後、妊娠。子供が小学校に行くようになったら女優として、もう一度勝負したいという。

そんな話を何年か前に聞かされた。どちらの気持ちも分かる。が、監督業をする僕から言うと、彼女は愛と実力を混ぜこぜに考えている。彼氏が監督だから実力が伴わなくても出演できる。というのは思いは縁故入社を期待するようなもの。それを愛というのは違う。入社できたら「頑張る」は誰でも思うこと。入社前に頑張って実力をつけるのが順序だ。甘えがある。

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そして彼女は後輩を「愛する男性」としか見ておらず、「監督」として考えていない。もし、映画に出て自分の芝居が不味くて作品をレベルを落としたら、彼のキャリアも傷がつく。作品もダメになる。彼のことを本気で考えているように思えない。もちろん、彼女はそうならないように頑張ると思っているが、頑張ったからといきなり実力が伸びるものではない。「頑張る」「愛している」という言葉で自分を甘やかしている。

ただ、女性はそこを冷静に見つめるのが苦手

な人も多い。だから、俳優の素質や実力が分かるわけがないカタギの男性に「才能ある。応援したい」と言われて「この人は愛がある」と感じてコロッと行った。子供が大きくなったら再挑戦というが、それではもう遅い。本気で女優を目指すのなら結婚や出産を優先してはいけない。女優になるというのは、ある種、女を捨てることなのだ...。

彼にも問題はある。女優の卵。あるいは女優と付き合うと必ず、この手の問題が出てくる。監督はキャスティング権を持つ。その気になれば、実力のない女優でも出演させられる。女優であればそこに期待する。「愛があれば出してくれる」と考えてしまう。後輩の場合もそうなった。予期できたことだ。後輩も彼女も2つは選べないことに気づいていない。監督業も俳優も孤独な仕事なのだ。


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俳優になりたい!という若者。表現者(芸術家)とは何なのか考えた(下)ゲゲゲの鬼太郎でいう妖怪と人間? [映画業界物語]

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俳優になりたい!という若者。表現者(芸術家)とは何なのか考えた(下)
ゲゲゲの鬼太郎でいう妖怪と人間?



もともと違うのではないか?ということ。なぜか「ゲゲゲの鬼太郎」を観ていると感じるのだが、表現者というのは妖怪であり、人間ではない。鬼太郎はいう「妖怪と人間は仲良くしてはいけない」その言葉を痛感すること多々ある。

一般の人たちと接していると、最初は映画監督(妖怪?)を珍しがって、チヤホヤしてくれる。が、次第に人間(一般の)ルールを押し付けて来て、あーだ。こーだと言い始める人が出てくる。それを受け入れないと

「失望した」「裏切られた」「酷い」

と言って中傷。鬼太郎の物語と同じ。泥田坊のエピソードでも、悪いのは人間なのに、工事業者は鬼太郎に「退治しろ!」と強制する。それに似たようなことが起きる。

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やはり鬼太郎は人間が困ったときだけに登場して、悪い妖怪を退治したらさっさとゲゲゲの森に帰るべきなのだろう。その後も町の人たちと交流したり、ときどき訪ねたりしてはいけないという思いを抱かせるエピソードがある。

映画人だけでなく、表現者というのも同じではないか?と思える。誤解される。理解されない。ただ、妖怪にも、ねずみ男のような半妖怪もいる。猫娘のように限りなく人間に近い妖怪。人間にも妖怪を理解しようとするマナちゃんもいるが..。

それは表現の世界でも同じ。彼ら彼女らはどちらの世界でも生きていける。が、本当の妖怪はそうはいかない。「鬼太郎」だけでなく、「Xメン」も同じ構図の物語。ミュータントは特殊な能力があるために人間世界で生きて生きづらい。

それを自分でコントロールできず、周りに迷惑をかけることも多い。映画「ダークフェニックス」はそんな話。それらもミュータント=表現者を表しているように思えてしまう。また、あれこれ考える。



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俳優になりたい!という若者。表現者(芸術家)とは何なのか?考えた(上) [映画業界物語]

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俳優になりたい!という若者。表現者(芸術家)とは何なのか?考えた。

俳優になる!という「夢を追うこと」でいうと、努力した人が成功して、努力が足りないとダメ? そう、一概には言えない。もちろん、努力しないで俳優にはなれないが、努力したからと言って俳優になれるわけではない。ただ、この考え方も違う。努力すれば俳優にはなれる。ただ、ブレイクできるかどうか?は努力だけではない。というのが正解だ。

1つの目の壁。素質があるかどうか? 体や言葉を使って表現するのが俳優業。カッコ良さや可愛さが大事と思いがちだが、それは2番目、3番目。体を使った表現に向いた資質があるかどうか? 表現の能力はいろいろあって、文章で表現、絵で表現、写真で表現、音楽で表現と、様々な形がある。俳優は体と声で表現する仕事。まず、その素質があるかどうか?

これは才能ではない。素質。今はうまく芝居ができなくても、素質があればそれを磨き、上達する。才能という言葉を信じている人は「何もしなくても才能があればできる」と思いがちだが、それはあり得ない。才能なんて存在しない。素質を磨き、練習し、力を伸ばし、名演技ができるようになる。演技以外の表現も同じだ。

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ただ、そのような表現するという能力を日本の教育では伸ばそうとしない。むしろ押さえつけ、封印しようとすることが多い。そのために真面目に学校に通っていると、その種の素質は開発されず、表現が苦手な大人に育ってしまう。真面目に10年の教育を受けてから、俳優業を目指そうというのはかなり厳しい。

スケートでも、ピアノでも、子供の頃から訓練して、その道に進むべく育てられる。大きくなってから始めて出来るものではない。が、演技の場合は子役からスタートしなくても、10代から始めれば間に合うというのはある。演技でなくても、歌をやっていれば、30代から俳優に!というのも可能。歌手出身の俳優は多い。

そんな観点から表現の仕事を考えることはできるが、最近思うことがある。

(つづく)



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仕事のない俳優はどうやってチャンスをつかめばいいか?(下)=監督を口説いて得た役で大ブレイク。アカデミー賞俳優に! [映画業界物語]

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仕事のない俳優はどうやってチャンスをつかめばいいか?(下)=監督を口説いて得た役で大ブレイクしたアカデミー賞俳優。

スピルバーグ監督が「ジョーズ」を撮影していたとき。出演者のリチャード・ドレイファスとランチをした。そこで次回作はUFOものをやると話す。強い興味を持ったドレイファスは言った。

「スティーブン。その役を僕にやらせてくれよ!」

が、スピルバーグのイメージはジャック・ニコルソン。年配の親父イメージ。ドレイファスは若すぎると断られた。でも、彼は諦めず、スピルバーグと飯を食うたびに口説き続け、最後は主人公の年齢を下げさせて自身が演じることで了解を取り付けた。

その映画が「未知との遭遇」。彼はそこから大スターになり、数年後、「グッバイガール」でアカデミー主演男優賞も受賞する。待っているだけではなく、行動して栄光を掴んだのだ。

自分の思いを実力を伝えることで道が開けることもある。でも、その前に俳優は監督と話ができる機会が必要。小さな役だと撮影も数日。現場は過酷。そんなときに監督とじっくり話したりできない。でも、舞台挨拶なら余裕あり、あれこれ話ができる。帰りに飲み会になるかもしれない。が、先の若手はそこまで考えず。バイトを選んだ。

俳優業は厳しい。チャンスを探す者。バイトだからとチャンスを逃す者。道は大きく分かれる。今はFacebookというツールもある。まあ、それを使って「俺を出演させてください」というのは嫌われるが、監督の記事を読めば思いを知ることができる。俳優というのは監督の思いを、いかにして演技で伝えるか?が大事。だから、信頼できる俳優を監督たちは毎回起用するのだ。

と書くと、その手のメッセージが多量に僕のところへ来ると怖いので、なるべく書きたくなかった(僕にその手の連絡はしないように!)いや、僕だけでなくメッセージを送るのは逆効果。特に女優がすると相手は勘違いするだけ。

仕事のない俳優はどうやってチャンスをつかめばいいか? 女優が飲み会に通っても興味を持つのは、スケベ親父だけ。今回書いたのは営業しろということではなく、目の前のチャンスを逃すなということ。そしていつもいうように営業するより、演技力をつけろ。それが一番大切なことなのだ。(了)



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仕事のない俳優はどうやってチャンスをつかめばいいか?(中)=ギャラが出ないからと舞台挨拶に出ない若手。 [映画業界物語]

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仕事のない俳優はどうやってチャンスをつかめばいいか?(中)=ギャラが出ないからと舞台挨拶に出ない若手。

ある俳優。僕の場合の映画の市民俳優オーディションに参加した。プロなのに市民と共に審査を受けた。受かってもギャラも交通費も出ない。それでも「この監督の映画に出たい!」という。それは嬉しく。やる気を買って採用した。芝居はまあまあだったが、それなりの役で出演してもらった。が、最後に会ったとき、こういわれた。

「監督。今回はノーギャラで出たので、次回はギャラお願いしますね!」

呆れた。やる気は買ったが、実力は買っていない。ギャラを払ってまで呼ぶつもりはない。でも、何らかしらの芝居に対する映画に対する思いがあれば、次も何かで呼びたいと思うが、彼にとってノーギャラ出演は、初回無料のお試し使用でしかなかったのだ。それならギャラなりの芝居をする役者を呼ぶ。不用意な言葉で人間性が見えてしまう。

別の俳優。彼も無名。ある監督の作品に出た。小さな役だがとても魅力的な役。監督も評価していた。その映画の初日。メイン俳優による舞台挨拶。彼は登壇できない。だから、劇場には行かなかった。

その後、舞台挨拶part2があり、彼が誘われた。が、バイトがあるからと断った。舞台挨拶はギャラがでない。最終日、監督が映画を見に行くという情報、でも、彼はバイトに行った。すでに映画は見ていたからだ。その無名俳優の友人=彼も俳優=はいう。

「お前、ほんと馬鹿だな。なぜ、行かないんだ!行けば帰りに監督が飲みに誘ってくれたりするかもしれないだろ? 思いある監督は初日と最終日に劇場に行くんだよ。そこで会えば、こいつも思いあるんだな?と評価されるだろ? そして何で舞台挨拶行かなかったんだ?」

つまり、撮影現場ではなかなか監督と話をする機会もない。でも、舞台挨拶なら、待ち時間。終わってからもいろいろ話せる。そこで思いを伝えれば気に入られて、次も依頼くれるかもしれない。ということ。その若手はそれに気づいていなかったのだ...。(つづく)



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仕事のない俳優はどうやってチャンスをつかめばいいか?(上)=監督やPに近くキャバ嬢のような若手女優? [映画業界物語]

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仕事のない俳優はどうやってチャンスをつかめばいいか?(上)=監督やPに近くキャバ嬢のような若手女優?

俳優業はとても大変だ。テレビや映画に出ている人たちはほんの一握りで、ピラミッドでいう上の部分にいる人たち。だが、底辺にはその何百倍。何千倍もの無名俳優たちがいる。

映画やテレビには出たことがない。事務所に所属はしているがオーディションに受かったことがない。エキストラのような仕事しかしたことがない。映画に出ても小さな役。年に1回2回ある程度。そんな人が多い。

20代だけではない。30代。40代の人たちもいる。皆、アルバイトをしながら生活を立てている。僕もそんな子たちをたくさん知っているが本当に大変だ。だから、飲み会等で監督やプロデュサーが来ていると彼らは力が入る。

「ここで親しくなり、作品に出してもらおう!」

だが、監督やプロデュサーは男性が多い。むさ苦しい野郎どもに興味はない。女優で可愛い子たちには関心を持つが、そこで次回作のキャスティングをしようなんて思わない。単なるスケベ心でしかない。

また、無名の女優でもしたたかな子がいて、そんな男どもの心理を逆手に取り、恋心があるかのように思わせて近づき、親しくなり、仕事をもらおうとする子もいる。でも、体は売らない。相手のスケベ心を利用しているのだ。

まあ、やり手のキャバ嬢のようなもの。そんなことがあるので、僕は俳優がいる飲み会にはまず行かない。行った先で出会ってしまったとか、関係者の会なら仕方ないが、いつも書くように俳優とは距離を置きたいからだ。

僕のようなひねくれ者もいるので、俳優たちはさらにチャンスを見つけにくい。が、見ているとチャンスが目の前にあるのに気づかずに、みすみす逃してしまう人たちも多い。例えば...。

(つづく)



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