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1年前の今頃。こっそりと大阪へ!松竹座で凄い舞台を見た。 [映画業界物語]

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1年前の今頃。こっそりと大阪へ!松竹座で凄い舞台を見た。

ちょうど1年前の今頃。僕の監督作「向日葵の丘」「明日にかける橋」に出てもらった女優の田中美里さんが大阪の松竹座で舞台公演。その頃、僕はある仕事で缶詰状態。大阪まで芝居を見に行く訳には行かないのだが、その手の舞台は大阪、東京の両方で公演がある場合が多いので、東京で!と思っていたら、大阪のみのスペシャル公演だった。

それも美里さんがほぼ全編、関西弁の台詞。彼女は金沢出身。大変な役だ。観客は関西の人たち。関西人は微妙なアクセントでもうるさく「関西弁とちゃうがな!」とすぐに批判する。

さらに、共演者は吉本興業と松竹芸能のベテラン芸人さんたち。アウェイの上に回り関西人だらけ。客も関西人!こんな大変な舞台はない。ということで、こっそりと仕事を抜けて大阪まで芝居を見に行かせてもらった。

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流石の美里さん苦戦?と思いきや堂々たる関西弁。見事見事!で、思い出したこと。「向日葵の丘」では常盤貴子さん演じる親友に延々と過去の話をする場面がある。カットを割らず、一気に撮影した。

それも病院のベッドでパジャマ姿。動くことができない。延々と話すだけ。これって凄く難しい芝居。手を動かす。歩く。立ち上がる。移動する。そんな動作があればまだいいが、座ったまま延々と話し、それも観客を惹きつけるのは並大抵の技術ではない。

そして「明日にかける橋」でも、鈴木杏ちゃん演じる未来の娘に対しても、延々とおばあちゃんの話をするシーンがある。こちらもレストランでテーブルを挟んでの会話なので、動くことができない。なのに、美里のさんの台詞に釘付け。観客は真剣に見入っていた。

動きの多い芝居。叫んだり、泣いたり、という演技は「頑張ってるな」「うまいなあ」「迫真の芝居だ」と感じやすいが、延々と台詞を話す演技は「うまい」ということに気づかないことが多い。

語られる物語に集中してしまい、素晴らしい芝居であることに気づきにくい。だが、それこそが本当に凄い演技。それを美里さんはやってのける。なかなか出来る事ではない。そんな美里さんが今回は関西弁の役。以前に見せて頂いたのは朗読劇。これも動きがなく本を読むだけで、観客は号泣していた(僕も!)

美里さんの凄さは綺麗で演技のうまい女優さんというだけではなく、「言葉」使いの見事さ。巧みさにもあること。改めて痛感。大阪まで行った甲斐あり。というのが昨年の2月か。あれから1年。次回作が決まればまたまた出演をお願いしたい女優さんである。


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地方映画の作り方(第8回)完成披露上映会@地元 [地方映画の力!]

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地方映画の作り方(第8回)完成披露上映会@地元
                              

太田組の場合。まず、ロケ地である地元で完成披露上映会をする。参加してもらった皆さんにお披露目。映画をいち早く見てもらうため。自分たちの街がスクリーンに登場する感動というのは、想像を超えるものがある。

いつも目にしている風景が画面に登場するのは、とても新鮮。見慣れた光景がとても素敵に見える。「そう。私たちの住む故郷はこんなに美しい場所なんだ!」と気づく。誇りを持てる故郷を確認する。それが地方映画を作る意味の一つだ。

自分たちの街がどれだけ素晴らしいか?どれだけ素敵なところか?それを知ることは大切。そして画面に登場する街の人たち。中にはかなり台詞が固い人もいるかもしれないが、友人、知人、家族がスクリーンに登場、プロの有名俳優と共演する姿は感動もの。会場は笑いで包まれる。指差して「***さんだ!」と言ってしまう人もいる。そして市民俳優の皆さんの舞台挨拶。地元ならではの楽しさ。

そして、街の人たちの姿はその故郷の風景と共に100年先まで残される。10年後、20年後、100年後に上映した時。街がどのように変わったか?を知ることができる。あの頃はどんなだったか?を確認できる。

当時は子供だった出演者が大人になり、撮影時は元気だったおばあちゃんの姿も見ることができる。それは映画を超えて街の記録となる。
さて、このあとは東京公開だ!

(つづく)


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