仕事のない俳優はどうやってチャンスをつかめばいいか?(中)=ギャラが出ないからと舞台挨拶に出ない若手。 [映画業界物語]
仕事のない俳優はどうやってチャンスをつかめばいいか?(中)=ギャラが出ないからと舞台挨拶に出ない若手。
ある俳優。僕の場合の映画の市民俳優オーディションに参加した。プロなのに市民と共に審査を受けた。受かってもギャラも交通費も出ない。それでも「この監督の映画に出たい!」という。それは嬉しく。やる気を買って採用した。芝居はまあまあだったが、それなりの役で出演してもらった。が、最後に会ったとき、こういわれた。
「監督。今回はノーギャラで出たので、次回はギャラお願いしますね!」
呆れた。やる気は買ったが、実力は買っていない。ギャラを払ってまで呼ぶつもりはない。でも、何らかしらの芝居に対する映画に対する思いがあれば、次も何かで呼びたいと思うが、彼にとってノーギャラ出演は、初回無料のお試し使用でしかなかったのだ。それならギャラなりの芝居をする役者を呼ぶ。不用意な言葉で人間性が見えてしまう。
別の俳優。彼も無名。ある監督の作品に出た。小さな役だがとても魅力的な役。監督も評価していた。その映画の初日。メイン俳優による舞台挨拶。彼は登壇できない。だから、劇場には行かなかった。
その後、舞台挨拶part2があり、彼が誘われた。が、バイトがあるからと断った。舞台挨拶はギャラがでない。最終日、監督が映画を見に行くという情報、でも、彼はバイトに行った。すでに映画は見ていたからだ。その無名俳優の友人=彼も俳優=はいう。
「お前、ほんと馬鹿だな。なぜ、行かないんだ!行けば帰りに監督が飲みに誘ってくれたりするかもしれないだろ? 思いある監督は初日と最終日に劇場に行くんだよ。そこで会えば、こいつも思いあるんだな?と評価されるだろ? そして何で舞台挨拶行かなかったんだ?」
つまり、撮影現場ではなかなか監督と話をする機会もない。でも、舞台挨拶なら、待ち時間。終わってからもいろいろ話せる。そこで思いを伝えれば気に入られて、次も依頼くれるかもしれない。ということ。その若手はそれに気づいていなかったのだ...。(つづく)
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