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芸能界に憧れる若者たち。でも、そこは血を吐きながら続けるマラソンの世界 [映画業界物語]

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芸能界に憧れる若者たち。でも、そこは血を吐きながら続けるマラソンの世界

先日もカタギの兄さんと話していると、こう言われた。

「芸能人っていいよなあ。一度でいいからあんな風に有名になり、チヤホヤされて、大金を稼いでみたい!」

いろんな人がそういう。何度も書いているが、成功した芸能人ほど不幸なものはない。皆、笑顔で近づいてくるので、誰が本当の友達か?分からなくなる。金目当て、名声目当て、利用しようと近づく奴らがほとんど。誰も信用できない。孤独。芸能人の交友関係とか言っても、見せかけだけで、誰も本心を明かさない。仮面舞踏会だ。

それより心通じる友人と、酒を飲み、上司の悪口を言ったり、パジャマのままコンビニに買い物に行ったり、酔っ払って道で寝てしまっても大きな問題にならない一般市民の方が実は幸せではないか?と考える。歌も、演技も、小説を書くのも、映画を作るのも、血を吐きながら続けるマラソン。人生をかけた戦いである。でも、経済的に報われるのはごく一部。あとは評価もされず惨めに死んでいくだけ。

そして、前から感じることだが、「一般の人が努力して芸能界を目指す」というのは違う。カタギの世界では生きられない人たちが、自分が持つ能力に気づき、それを鍛え伸ばすことで力を発揮できる場所が芸能界だと感じる。いつもいう「Xmen」の世界。彼らは一般の世界ではうまく生きられない。逆にいうとその世界で、そこそこ暮らしていける人は、芸能界では生きていけない。

「俳優の***さんと友達」と自慢する人(なぜ、自慢になるのか?)女優という肩書きを持ちたいだけの人、演技をしたいのではなく「女優」ということで「私は特別なの」「一般人じゃないの!」という優越感に浸りタイプ。芸能界で仕事をすることで「人気女優と結婚できるかも?」と考える若き男子たち。そう考える段階でアウト。その世界には向いていないだろう。

その手の人は芸能を一流ブランド物と勘違いしているだけ。シャネルやグッチを身につけるだけで自分が一流になったと錯覚するのと同じ。ブランドは高くても金を出せば買えるが、芸能は血を吐きながら走らないとできない。大手事務所だ、電通だ、有名人の後押しとかいう人たちには決してできない戦いが待っている。それより会社員となり「嫌だなあ」と思いながら仕事する方がずっと幸せ。

ただ、ある程度の安定を確保してもらえる会社員なのに、その生活が苦痛で仕方ない。じっとしていられない!そんな人が芸能の世界で活躍したりする。やはりX menの世界なのだろう。


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「監督は優しい人だから、メールすれば多忙でもきっと返事をくれる」と過剰な期待をする一度しか会ったことない人? [my opinion]

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「監督は優しい人だから、メールすればきっと上映時間も教えてくれる」
と過剰な期待をする一度しか会ったことない人?

Facebook友達のトラブルで思い出したが、仕事柄いろんな会に呼ばれる。お世話になっている人たちの会もある。そんな時、業界の先輩なり、別業界の友人が連れて来たカタギの人。そんな人たちとは名刺交換する。後日、メールでお礼をくれたりする。Facebookではないのでお礼を返信する。それが業界関係の人であれば、あまり問題は起きないが、カタギの方の時はトラブルになることがある。

というのはFacebookと同じで、あれこれ質問をしてくる。まあ、先方にとっては映画監督と知り合えた。いろいろ話を聞きたい。女優の裏話を知りたい! それをメールで聞いてくるのだ。Facebook友達は会ったこともない人たち一線を引く。が、この場合は一度お会いしているし、友人や先輩の知り合い、女性であれば彼らの彼女である可能性もある。あまり無茶な対応もできない。

「その後、映画準備は進んでいますか?」

とか聞いてくる。そんなこと関係者でもないのに1人1人に説明してられるか?と思う。それ以前に僕のブログを読め!そのために克明に進展を毎回、記録している。その話も会った時にしている。でも、まだ、そのレベルは理解できる。酷かったのはこれ。先輩が連れて来たカタギの若い女性。超多忙な時にこんなメール。

「明日、監督の映画を見ようと思ってますが、新宿でもやってますか?上映は何時からですか?」

そんなことはネットで調べられるだろ? 映画館でも教えてくれる。こちら猫の手も借りたいほど忙しいのに、そんなことを聞いてくるか? 先輩の彼女かも?と思ったが、そう素直に返事してした。流石にショックだったのか、それ以降メールは来なくなった。あとで聞くと

「監督は優しい人だから、きっと上映時間も教えてくれると思ったのに...酷い...」

と先輩に不満を訴えていたらしい。が、そもそも僕はGoogleではない。質問を書き込めば答えが返ってくるものではない。おまけに上映中はあれこれ関係者への連絡で追われている。自分でできることを、わざわざ聞いてくる神経が分からない。そんなある時、あるPの話を聞いた。

「撮影現場でもそうだけど、あまりに皆に親切にし、愛想良くすると、どうでもいい問題まで頼ってくるですよ。それはお前の仕事だろ?というのを『どうしましょう?』って言ってくる。だから、現場ではなるべく愛想良くしないで、皆と距離を置くようにしてるんですよ」

それは大事かもしれない。僕は「いい人だ」「親切だ」「優しい」と言われることがあるが、それで勘違いして、あれこれ頼ってくる人が出てしまうのかもしれない。以前にも書いたが、「感謝の気持ちを伝えね」ばと撮影後に自宅に挨拶に行ったら、その後、

「最近は挨拶に来ない。失礼だ!」

と言われたことがある。あれは撮影で借りた物があったからお礼に行っただけであり、なんでその後も、挨拶に行かねばならないか?と思うのだが、

「監督は礼儀正しい。だから機会があれば挨拶に来る人だ。なのに最近は来ない!裏切られた。失望した」

ということなのだ。先のPの発想は正しい。これは先日書いた「嫌われることを恐れていはいけない」の話にも近い。先輩が連れて来た人だから、失礼のないようにしようとしたことで、映画館の時間まで問い合わせて来られる。感謝を伝えに行ったことで「裏切られた」と失望される。どちらも最初から距離を置いておけば、彼らも勘違いせず嫌な思いをすることもなかったのだ。

悲しい話だが、映画の仕事は本当に多くの人たちと出会うので、実は大切なことかもしれない。それとも出来る限り人に会うことを避けて生きるか? ウッディ・アレンやデビッド・ボウイの逸話を思い出すとそう思える。

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