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ネタバレ?!「明日にかける橋」DVDゲットの方へ。クイズ [「明日」DVD]

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ネタバレ?!「明日にかける橋」DVDゲットの方へ。クイズ

完全ネタバレなので、映画を真っ白で見たい方はお読みにならぬように。さて、映画を見ていると、なんとなく見てしまう場面でも、よく考えるとあれ?ということがある。

「明日」でいうと、(ここからネタバレ)最後に板尾さんが出てくるシーン。あそこで「あれ?」と思った方はいないだろうか? 田中美里さんが出てくるのは分かる。健太が助かったことで心を病むことがなかったからだ。だから元気。でも、板尾さんはバブル崩壊で会社が潰れて、その後、体を壊して***。

つまり、健太の件と直接関係ないので、健太が助かっても板尾さんが元気ということにはならない。では、なぜ、元気なのか? ちょっと簡単過ぎるクイズかもしれないが、あの場面が関係している。もし、分からない方がいれば、その辺を注意してDVDを観て頂きたい。よろしくね。


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少し前に発売された宝田明さんの自伝「銀幕に愛を込めて」読ませていただいた。何と、巻末の出演作品リストの最後に「明日にかける橋」の文字が!!おーーーー! [2019]

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少し前に発売された宝田明さんの自伝

「銀幕に愛を込めて」

読ませていただいた。

何と、巻末の出演作品リストの最後に

「明日にかける橋」の文字が!!

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おーーーー!

ありがとうございます!


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悪意がなくても、トラブルを起こす人たち。映画製作はいろんなことがある? ==映画製作の難しさ③ [映画業界物語]

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悪意がなくても、トラブルを起こす人たち。映画製作はいろんなことがある?

地方で映画を作るときに難しいこと。2回書かせてもらった。「感謝」の気持ちを伝えることは良いことだと子供時代から思っていたが、そのことで誤解を生み悲しい思いをさせてしまうことがあるなんて想像もせず(前回の記事)。映画作りは常識的な判断だけでは行かないことも痛感した。

もう一つ、そんなケースを紹介しよう。地方映画は地元から多くの人が支援、応援してくれる。地元のみならず以前のロケ地。全国の街からも市民俳優として出演してくれたり、ボランティアで来てくれる人もいる。毎回、多くの人が参加してくれるので本当にありがたい。が、あるときスタッフにこう言われた。

「監督はよく一般の方のお手伝いを受け入れますが、それを嫌う監督も多いんですよ。良かれと思って参加してくれても、プロではないのでお願いした仕事ができず。余計に手間がかかったり。トラブルを起こしたりするからなんですけど...」

確かにそれはある。だが、ボランティアで来てくれる人に悪意のある人はなく、その人が出来る仕事を考えてお願いする。プロでなくてもできることを手伝ってもらう。それだけでも低予算映画の場合は多いに助かる。が、あるとき、僕の想像を超える事件が起こった。

「監督の映画、素晴らしいです。応援させてください!」

と近づいてきた女性がいた。撮影の手伝いだけでなく、映画イベント等にも現れ、周りの人たちにも接触。その後、次々にトラブルを起こした。これは慎重に説明せねばならないが、その人は病気。体は健康だが、心が病んでいて物事を歪めて捉えてしまう。だから、トラブルが起きる。

僕がこれまでに書いた「その種の記事」を読んでくれた方は分かると思うが、その病気の実情を多くの人は知らない。それどころか間違った認識を持っている。急に叫び出すとか、暴れるとか、非常識な行動を取るとか、そんな症状の人もいるが、そうではない患者の方が多い。それを見分けるのは一般の人にはまず不可能。「ちょっと変な人?」と思うか?あるいは病気だと全く気づかないのだ。

患者も自分が病気だと気づいていないことがある。そして、事実でないことを事実だと思い込んだり。妄想を信じてしまう。そして

「***さんにいじめられた....」

「酷いことをされた....」「騙された....」「辛い。もう死にたい.....」

と騒ぎ、泣き、言い触れ回る。周りの人はそれが事実だと思う。

「可愛そうだ」「酷い話だ」「許せない」

と思って酷いことをした相手を攻撃する。が、相手には覚えがない、患者の思い込みとか妄想だからだ。なのに周りから批判、攻撃される。事実ではないので反論。結果、病気でない人同士が争い、トラブルになる。ありもしないことで揉める。でも、原因がその患者にあることに気づかない。そんな病気があること自体、多くの人は知らない。

自身が被害者であるかのように演じて、皆の注目を集め、妄想を語り、周りを巻き込んでしまう。さらに患者はネットを使い、自分は被害者だとアピール。いろんな人にありもしないことを伝えて周り、同情を得ようとする。それに引っかかり応援する人まで出てくる。

周りから見る健気な頑張り屋に見えてしまう。そして患者は若い女性に多いので、攻撃された男性の方が悪者だと思われる。僕は以前から精神病は勉強していたが、その病気は全く知らなかった。そんな患者が撮影のお手伝いに来たことがあり、トラブルが起こった。

最初は理由が分からず、あれこれ考えていたら知り合いの精神科医さんが教えてくれた。早目に気づいたので大事にはならなかった。が、迷惑がかかった人もいた。患者に悪意はない。「映画のお手伝いをしたい」と真剣に思っている。が、思い込みが強く、妄想があるので

「私は騙された〜」

と騒いでしまう。患者ではないが、出演者のファンがボランティアを装って参加。その俳優に近づこうとしたり、私物を盗んだりすると言う話を聞いたこともがある。隠れて写真を撮る。アイドルグループのイベントで刃物で斬りつけるという事件が少し前にあったが、悪意を持った人たちもいる。

それを最初に見極めるのは難しい。特に患者の場合は悪意がなく、トラブルを予期するのは困難。なので、多くの監督たちは一般のお手伝いを敬遠しがちなのだ。僕は基本、やる気のある人は受け入れる!という姿勢だった。そして悪意のある人間を見抜くのは得意で、金目当て、映画を利用しようと近づいてくる輩は、これまで何人も見抜いてブロック、追放している。

が、病気であることは専門医でないと分からない。そんなことがあってから「やる気がある」「好意的だ」というだけで信頼してはいけないと思うようになった。悲しい話だ。また、最初は好意的で応援してくれても、映画の世界は一般的の人に難しいところがある。が、知らない人には、当たり前のことでも「それは許せない!」と思うこともある。価値観や方法論が違う。

「ボランティアで手伝ったのにギャラがなかった」

と文句を言う人もいる。(ボランティアは無償行為)「だったら、お金でなく記念品をくれればいいのに」と言う。それが出せるくらいならボランティを受け入れたりはしない。悪意はなくても、筋違いの不満を持ち、腹いせのために

「利用された〜酷い〜」

と言い触れ回る人も時にはいる。そしてデマや嘘を信じて、一緒になって批判を始める人もいる。そのために他のボランティアの皆さんが巻き込まれたり、迷惑をかけたりもする。それ以来、対策を講じている。応援してくれる人を疑わなければならないのは悲しいことだが、そんなことも考えていかねばならない。



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感謝を伝えたことで、逆に恨まれてしまうこと=映画製作の難しさ② [映画業界物語]

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感謝を伝えたことで、逆に恨まれてしまうこと=映画製作の難しさ②

昨日書いた記事が好評だった。映画を応援してくれた人が「今度はワシらの言うこと聞いてもらわないとな?」とあれこれ頼みごとをするという話。

政治家でも「この町を良くするために!」と立候補したのに、当選すると応援してくれた人が「俺の会社に自治体の仕事を回して欲しい」とか、「息子を有名大学に合格させて欲しい」とか、個人の要求をしてくるのは良く聞く話。人はなぜ、勘違いをするのか? 

その候補を応援したのは「町をよくしてくれる」と信じたからだ。それを「応援したから」=>「俺の会社に自治体の仕事を回せ」と言うのは筋が違う。要求するのは「この町を良くしろ。だから応援したんだ」と言うべきなのだ。

映画も同じで「故郷をアピールする映画を作るから応援した」はずなのに、映画を応援したのだから、監督、ワシらの頼みを聞いてください」も政治家と同じ構図。最近はそんな筋違いな頼みごとをしてくる人はいないが、以前は映画を作るたびに、その種の人が何人も連絡して来た。

その種の話をもう一つ。毎回、いろんな方の応援で映画は完成する。感謝感謝。応援してくれた方々ーお1人お1人に、その気持ちを伝えたい。が、主要な方々だけでもかなりの数。一度に全員を訪ねることはできない。

撮影後にお礼に伺うが時間に限りがある。監督は本来、撮影終了と同時に帰京し編集を始めなければならない。が、1週間ほど帰京を伸ばして挨拶回りをしていた。それでも全員は無理なので、次に地元を訪ねた時、お礼を言えなかった人たちを訪ねる。すると前回、お訪ねした人がこう言っていたらしい。

「今回、俺は無視ですか? 撮影後だけ挨拶に来て、今回は来ないんだな....監督は酷い…」

悪い人ではない。熱烈応援してくれた方。ありがたかった。が、毎回、ご挨拶には伺えない。他の何十人も訪ねなけれならない。先輩はこう言う。

「その人は監督がわざわざお礼を言いに来てくれて、嬉しかったんだよ。それで親しい友人になったと思った。次に地元に来た時も、きっと訪ねてくれると思った。でも、来なかった。行けないよな? 他の人にお礼言って回るんだから。でも、その人は友人だと思っている。なのに来ない。寂しい。それが怒りに変わる。恩知らずだ!になるんだよ」

そんな人は極々僅か。でも、分かる部分もある。例えば、僕が飲み会で意気投合した。飲み代を奢った人がいたとする。メルアド交換して、あとで連絡したが返事はない。「何なんだ?」と思う。

「あの時、盛り上がって、酒代奢ったのにー。失礼な奴だな….」

それと同じ感覚なのだ。ただ、違うのは、飲み会なら1人VS1人。お礼ができる。が、映画の場合は1人VS100人。1人が100人にお礼するのはかなり大変。それが分かってもらえない。何人かが飲み会の構図で考えしまう。

「失礼な奴だ…結局、俺は利用されんただな…」

それを聞いた別の人が言う。

「そういえばウチにも監督はお礼は来なかった。ほんと失礼ね...」

でも、その人は近所で行われた撮影を見に行っただけ。俳優に「頑張ってくださいね!」と声をかけただけ。でも、いつしか応援したつもりになっていたので話を聞き「うちにも挨拶に来なあったわ。失礼ね...」と思えたらしい。

本来、映画撮影のお礼参りは制作担当がする。監督は編集があるので、いち早く帰る。挨拶回りで編集が遅れて完成が間に合わないと、多くの人に迷惑がかかる。が、僕はそれでも感謝の気持ちを伝えようと地元に残りお礼を伝えていたが、そのことが結果として誤解させて傷つけることになっていた。先輩は言う。

「そもそも、町の映画だ。本来は地元の人が監督に映画を作ってくれてありがとうーとお礼を言うべき。それを逆に、監督が感謝して回った。1週間も居残りしてだ。そんなことをするから、何人かは町の映画ではなく、監督の映画だと思ってしまう。

映画の応援ではなく、監督の応援をしたと思い込む。だから、次に来た時に挨拶がないと、拗ねてしまう。裏切られたと思う。お前にも問題があるんだよ」

もちろん、2度も3度もお礼に行かなくても理解してくれている人がほとんどだ。が、どこの町でも必ず誤解する人がいる。そんな人は非常に純粋で真面目な人が多い。だから心が痛む。そしてお礼に伺うことで、そんな結果になるなら考えねばならない。すでに担当者が挨拶回りはしっかりしているのだ。そんなことが以前はよくあった。

最近はこう考える。1人1人を訪ねて感謝を伝えるより、少しでも素敵な映画を作り、多くの人に喜んでもらうこと。そのために仕上げに全力を尽くすのが監督の責務だと。お礼は言葉ではなく作品で伝えることが大事。そう考えるようにしている。


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「映画を応援しました。だから今度はワシらのために***して下さい」と頼んでくる人たち。それってどうなの?=映画製作の難しさ① [映画業界物語]

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「映画を応援しました。だから今度はワシらのために***して下さい」と頼んでくる人たち。それってどうなの?=映画製作の難しさ①

地方映画を作ると、いろんなことがある。最近ではなくなったが、以前は撮影時にお世話になった方から頼みごとをされることがあった。

「撮影中に車を無料でお貸ししました。前売券も10枚売りました。今度は私のために一肌脱いでもらえますか? 監督さん」

そう言われた。今考えればおかしな話。前売り券を何枚売ってもらっても、監督に歩合は入らない。車を貸してもらったことで、レンタカー代が浮いて、助かったのはプロダクション。その見返りを監督に求めてくるのは本来、筋が違う。

が、相手は悪い人ではない。力を貸してほしいという。他にも「イベントに来てほしい」「文章を書いてほしい」「審査員をしてほしい」「トークをしてほしい」と頼んでくる人もいた。ただ、皆、1〜2度会っただけの人だ。そして、こう思っているようだった。

「だって、映画の応援したんだから、そのくらいやってくれるよね〜」

そのために自腹でロケ地まで行く。宿泊費も出ない。

「監督は地元によく来るから交通費いらないよね〜。タダで泊めてくれる人もいるんじゃない?」

という感覚。皆さん。悪意はない。深く考えない。基本はいい人たち。ただ、いつしか僕は「地元によく来る人」にされていた。それは映画準備で通ったのであって、映画公開後に行くことはない。でも、「よく来る人」になっていた。

「映画監督は金持ちだしな」

「俺の売ったチケット。料金の50%は監督の懐に入っているはず!」

ありもしないことを想像する人もいた。監督料が安いという現実を知ると仰天するだろう。でも、応援してくれたのは事実。感謝の気持ちもあって、頼みに応えていた。が、交通費も出ない。1日がかり。そんなタダ働きが何度も続いた。

田舎の選挙で、応援した。当選したら、あれこれ議員先生に頼みごとをしに行く。「だって、選挙で応援したでしょう?」というのと同じ構図だと分かってきた。

「今度はワシらの言うこと聞いてもらいますよ! 映画の応援したんですから!」

と言われたこともある。そもそも、映画は街のために作っている。街を全国にアピールするため。それでなぜ、僕が特定の人にお礼をせねばならないのか?  そして本当に応援してくれた人は、頼みごとをしてくることは少ない。小さな応援をした人に限って大きな見返りを求める。頼みを断ると言われた。

「あんなに応援したのに......俺は利用されたということだ....」

そう言い触れ回る人もいた。「いい人だと思っていたのに。裏切れた!」と。今はもうそんな人はいないが、最初の頃はよくあった。先輩はいう。

「それはお前が悪い。いくら無名でも映画監督だと聞けば皆、興味持って近づいてくるもの。2度会えば、もう友達感覚。頼みごともしたくなる。利用しようという輩も出てくる。

その上、お前は頑張り屋だから、それが裏目に出る。田舎で映画撮る時も張り切るから、地元の人はいつしか、町のための映画ではなく、この監督が撮りたい映画!になってしまう。だから、町興し映画ではなく、この監督のお手伝いをしているという気持ちになる。それで見返りを求めてくるのさ」

一時期のFacebookでもそうだったが、何度かコメントをやり取りすると、急激に親近感を持たれ、説教されたり、注意されたり、それだけならいいが、スピーチをして下さい。会に来て下さい。もちろん、交通費自腹でギャラはなし。さらに寄付を下さい。デモに参加してください。とあれこれ頼まれた困ったこともある。先輩はいう。

「それも同じ。この監督は金のためでなく、頑張っている。だから、私たちの街でも自腹で来てくれるはず!と勘違いするのさ。何事も適当にやらないと、バカを見ることになる。一般の人に映画人がどれだけ経済的に苦労しているか分からない。そのくせ忙しいか知らない。彼らにとって映画はお祭りなんだ。だから、俺たちが注意して接することが大事なんだよ」

最近ではその手の頼みごとはなくなった。ロケ地の人たちも理解してくれている。ただ、相変わらず一生懸命やると勘違いされることがある。先輩のいう「俺たちが注意しなきゃいけない」というのは正解。映画という仕事は理解されにくい。誤解や想像で批判してくる人もいる。

最近はこう考える。僕が応援してくれた人たちにすべきは、個人的なお礼をすることではなく、感動作を作ること。それが最大のお返し。そう考えている。



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若き表現者たちへ。俳優や作家たちへの伝言 [映画業界物語]

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若き表現者たちへ。俳優や作家たちへの伝言

映画監督業だけでなく、俳優でも、脚本家でも、音楽家でも、作家でも、画家でも、歌手でも、そうだが本当に凄い人は「お金のため」でなく仕事する。「名誉のため」でない仕事をする。ただ、その種の仕事と巡り会うことはなかなかできない。

「誰のために作るのか分からない作品」「やる気のない人たちとの作業」「楽して金儲けを企む会社」「愛情のない作品作りをするところ」業界には本当に魑魅魍魎、人間のクズが多い。

この程度のギャラで? 長時間働かされ! こんなで食っていけねよ!と言う仕事も多い。足元を見て、決めた賃金をあとで値切ってくる人たちもいる。自分たちはそれなりの月給をもらっているのに。

最初は屈辱的でも、続けていれば、足掻いていれば、やがて本当に自分が命懸けでやりたい仕事と出会える。その時に、自分の仕事が「お金のため」「名誉のため」でないことを知る。いや、仕事でさえない。自分が生きていることの証明というべきものであることが分かる。

でも、それは人に自慢できる仕事とは限らない。華やかなものでないかもしれない。ギャラは安いかも。作業時間からすると合わないもの。注目もされず、褒められもしないかもしれない。でも、「これはやらねばならない!」と言うものがある。

若い内は「金持ちになりたい!」「有名になりたい!」ということにこだわる。ジョン・レノンだって「バンドをやれば女にモテる」とギターを始めた。でも、ビートルズとして成功し、金も、名誉も手に入ったら、それはさほど重要ではなく、もっと大切なことがあることに気づいたという。

松田優作が「ブラックレイン」で役が決まった時、彼は癌で体が蝕まれていた。医者に言われる。「映画に出たら手術が遅れ、もう助からない。手術をしたら、一生車椅子生活だが、生きていける」彼は前者を選び、撮影に臨む。そして、映画は完成。この世を去る。車椅子で生き続けることより、憧れのハリウッド映画に出演すること。演じることを選んだのだ。

バカだと思えるかもしれない。が、それが俳優であり、表現者というもの。お金より、名誉より、そして命より大切なものがある。自分が生まれてきたこと。生きていること。存在することの意味を探す戦い。それが「表現」なのだ。

だが、最初はそんな仕事となかなか出会えない。「まだ、本気出してないから」と手抜きをする若い人たち。大切なのは毎回、全力でかかること。そうすれば環境は変わっていく。評価され、ふさわしい依頼が来る。毎回、命懸けで、人生を賭けてかかれば、必ず道は開ける。それが「表現」という世界なのだ。



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ベテラン俳優たちから学んだこと。いつも命懸けで演じる? [映画業界物語]

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ベテラン俳優たちから学んだこと。いつも命懸けで演じる?

僕の映画。大手映画会社の資本で作ったものはない。何より僕自身が知名度のある大監督ではない。にも関わらず、毎回、第1線で活躍する国民的俳優、人気俳優が数多く出演してくれる。本当にありがたい。そんな俳優たちとは仕事をして、毎回、教えられることが多い。

あるベテラン俳優。テレビや映画で大活躍。日本人で彼の顔を知らない人はいないだろう。その人が出演してくれることになった。が、忙しい人だ。きっと、パターンの演技で来ると思えた。テレビドラマでも、彼は時々、パターンでこなしている。もちろん、数多くの作品に出ているので、その全てを全力では演じられないだろう。最初にお会する時に彼はこういうと思った。

「どーも、どーも、ま、楽しくやりましょう!」

肩の力を抜いて、リラックスして仕事をこなそう!という感じで来ると思った。僕の作品は大手映画会社やテレビ局が作る大作映画ではない。俳優にとってメリットは少ない。いや、国民的な俳優に出てもらえるだけでも、こちらは感謝だ。でも、予想に反して彼はこういった。

「私は演技に命を賭けています。まず、自由にやらせてください。それで違うところがあったら、言ってください」

僕のような若輩監督に対して、ベテラン俳優は丁寧に挨拶し、そう語った。上からものを言うことなく、真剣な思いを感じる。何より「命を賭けていますから」なんて、なかなか言えない。本当に思っていてもテレが出てしまう。それもベテランだ。でも、それを敢えていうところに決意が伝わってきた。

もし、新人が言えば、ある意味で眉唾な気がするだろう。技術も経験もないのだから、命を賭けるしかないとも思える。が、演技力も長年の経験もあるベテランが命を賭けるというのは、どういうことなのか? 答えは次第に分かってくる。

彼は徹底したこだわりを見せた。衣装、小道具、うるさいほどにこだわった。そして撮影。僕があれこれ言うレベルではなかった。本人があれこれ考えて、演じてくれる。ああ、そう言う動きをすれば、よりセリフが生きる!とか、その仕草に思いが出るな!とか、見ていて感心するばかり。

撮影までの間。彼はその場面の芝居を延々と考え続けていたのだろう。撮影が終わり、最後にメイン俳優紹介のための集合写真を撮った。全員笑顔。その中で彼だけが難しい顔。気に入らないことがあったのか? いや、違う。紹介写真でも役を演じていたのだ。気難しい、その親父の役を。

「パターンでこなすと思っていたのに全然違った。それこそ全力で命懸けで演じてくれた」

そう話すと先輩は答えた。

「あの人はいつでも全力だよ。絶対に手抜きしない。お前が見てパターンだと思ったテレビドラマも、物語のタッチに合わせた軽めの演技が相応しいと考えたんだろう。手抜きじゃないんだよ」

今はそれが分かる。だからこそ、第1線で、何十年も活躍して来れたのだと痛感する。若い俳優はいう。

「俺、本気出してませんから。こんな仕事、全力ではやりませんよ」

俺が本気出せば凄いんだ。と言いたいのだろう。ベテランが命懸けで演じ、若手が仕事に合わせて手を抜く。だが、あのベテラン俳優は若い頃からいつも全力投球だったのではないか? いや、そのはず。他にもご一緒したベテランたち。皆、全力投球だった。監督が若いから、ギャラが安いから、低予算映画だから。と手を抜いた人はいない。毎回、ベテランたちからは、いろんなことを教えられる。


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「明日にかける橋」メイキングをDVDで見た。編集の個性とは何か? [「明日」DVD]

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「明日にかける橋」メイキングをDVDで見た。編集の個性とは何か?

まだ、DVDが到着していない方には申し訳ないが、昨夜は特典映像の「メイキング」を見直した。僕自身が編集したものだ。編集する悪戦苦闘は昨年、連載。「明日」監督日記にはアーカイブがあるので、興味ある人は読んで欲しいが、本当に大変だった。もう、ブラック・ジャック(手塚治虫の!)気持ち。絶対に助からない患者の手術のようだった。今、風に言うと、大門未知子か?でも、「私、失敗しないので!」

久々にそのメイキングを見たが、まあ自分で言うのも何だけど、よく出来ている。DVDの特典映像のメイキングで、退屈せずに10分以上見られるものなんてまずないよ! というと、僕の作品が凄いように聞こえるが、そうではなく、本当に安易に撮影して、安易に編集。編集というより、ただ映像を繋ぎましたという感じ。

そんなで面白く見れるわけがない。撮影風景なんて、5分も見れば飽きてしまう。そこで何が起こったか? 何が問題なのか? それをどうやって解決したか? そんなことを押さえないと、現場を映しているだけでは面白くも何ともない。要は「切り口」なのだ。

メイキングを作る時はそれを考えて、あらゆるものを現場で撮影しておく必要がある。それこそ撮影前、撮影後。弁当の時間もメイキング班はカメラを回す。あれ?今回、弁当の映像が全くなかったなあ。スチール写真を調べると、メイキング担当の若い子が弁当片手にピースしている写真。あれ!カメラ回さずに皆と一緒に弁当食べてる!

なんてこともあって、使える映像が少ない中で編集したのが大変だったが(この件はいまだに怒りがこみ上げる)よくまあ、完成したなあという感じだが、評判は上々で、評価も高い。25分もあるのに退屈せずに、最後まで一気に見てしまう。。。。と自画自賛したくて書いているのではなく、「沖縄戦」の編集をしていて、自分なりの個性とは何か?を確認したくて見直したのだ。

編集は映像を繋ぐ作業だが、そこに編集者の個性が生まれる。カットが細かいとかいう個性だけではなく、目に見えないのに、繋ぐ人の思いや趣味が映像には出る。僕の場合。それは何なのだろう?とメイキングを見直したのだ。今回は主人公の高校時代を演じる越後はる香への眼差し。そこから実行委員の皆さんの活躍。ひと夏の思い出としてまとめてあった。

前回の「向日葵の丘」メイキングの時もヒロイン・芳根京子にスポットを当てたが、芳根はNG連発という笑える場面がたくさんあって盛り上がったが(向日葵の丘ーDVD発売中。今もamazon等で買えます。特典映像は芳根京子メイキング)、越後はNGが少なく、笑える部分が少なかったので苦心。彼女の心の葛藤を描く方向に持っていた。「初めての映画。初めて演技。初めての撮影」そんなドキドキ感。緊張。心細さにクローズアップ。

それを支えるベテラン俳優。そして地元の人たちという構図がとてもうまく調和した作品となった。そんなことを確認。沖縄戦の編集に戻る。DVDが届いている方。ぜひ、メイキングもご覧いただきたい。


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「明日にかける橋」DVDが発売初日amazonで売り切れ!申し訳ありません。現在、追加プレス中です。 [「明日」DVD]

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昨日が発売日だった。amazonで予約していれば、当日、あるいは翌日に届くのが普通である。それが届かない。メール連絡が来て発送は2月下旬になるという。「なんじゃそれはー」「はよ、言わんかー!」とお怒りの方も多い。

というのはamazonが仕入れたDVDの数を超える予約が入ったからだ。「それなら、早めに足りない分を取り寄せればいいだろう?」とのご指摘も多数。その辺の事情を説明させて頂く。

ここ数年、DVDが売れない。いや、日本映画は以前から売れなかったのだが、特に売れなくなった。背景にはamazonプライム等の映画配信サイトの普及。TSUTAYA店舗の閉鎖が続いていることがある。なので、メーカーは損をしないように、過去の数字を元に売れそうなだけDVDをプレスする。

それをamazon、楽天等に納入。TSUTAYAやDVD店に送る。メーカーの長年の経験から、その枚数で事足りる。それでも売れずに返品があるのが普通だ。それがネット通販に来た予約の数がジワジワと増えていったようだ。

「ん? 予約順調だな。よしよし」

「仕入れたDVDの数。予約だけで結構さばけそうだな?」

「あれ!まずい。予約が仕入れ数を超えそうだ」

という展開だったようだ。僕が話を聞いたのが最後のあたり。そこでamazonは「追加お願いします」とメーカーに連絡。メーカーもビックリ。「え? 追加?」と通常の日本映画ではなまずないこと。特にマイナーな地方映画ではありえない。

地方映画の場合。DVDになること自体が少ない。それでもメーカーは「この映画は意外に売れそう」と踏んで、発売を決めてくれた。その予想に合わせて多めに枚数も決めたのだが、それを上回る予約が来てしまった。

地元の団体からまとめてドカーンではない。それなら組織動員だが、今回はそんな大手組織の応援はない。予約は個人が1枚、2枚という注文。その数がメーカーの予想を超えたのである。通常、amazonに納品したものは数年間残るだけの量。それでも足りなくなった。といって、メーカーも

「はい。では明日、追加を送ります」

とは言えない。想定した枚数しか刷っていないからだ。在庫はない。そこから工場に連絡。追加プレスをお願いする。工場も工場で、前々から依頼されている他の映画のDVDプレスがある。それらを済ませてから「明日」の追加プレスだ。

ということで、数週間必要。現在、amazonでは1ヶ月待ちということになっている。届いてない方から聞くと1月19日に予約したという。予約受付告知が地元アンコール上映の翌日だったので、1月12日。1週間後の19日でーもう、売り切れということだ。

これは多くの方が「明日」をDVDで見たいと思ってくれたということ。ちなみに、地元の方が多く予約したかとも考えたが、地元は地元で先行発売。実行委員会が予約を受け付けていたので、amazonは全国からの予約が多いはず。

それが売り切れとは、予約してくれた方には申し訳ないが、制作サイドとしてはその人気。ありがたい。そんな事情で発送が遅くなっているが、現在、工場で再プレス待ちなので、もう少しお待ち頂けるとありがたいです。


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お詫びー「明日にかける橋」DVD、売れ切れ続出! [「明日」DVD]

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お詫びー「明日にかける橋」DVD、売れ切れ続出!

申し訳ありません。発売当日というのにamazonでは売り切れ状態。入荷1ヶ月まち。楽天では2週間ほど待ち。とのこと。それぞれの会社に入荷した分が完売したようです。

せっかく、今日に合わせて宣伝してきたのに〜。つまり、予約だけで在庫がなくなったということ。嬉しいことではありますが、すぐに皆さんに届かないのは申し訳ない。現在、メーカーが追加プレス中!

あと、Yahoo!ショッピングはまだ若干あるよな感じです。早い者勝ちかも? また、情報が入り次第。告知します。


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