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「明日にかける橋」スタートは3年前の秋だった。地元と映画スタッフが共に頑張った成果! [地方映画の力!]

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「明日にかける橋」スタートは3年前の秋だった。地元と映画スタッフが共に頑張った成果!

思い出すの3年前の秋。2016年にロケ地の実行委員から連絡を頂き、何度も会合を重ねて製作がスタート。翌年2017年春に製作発表、夏には撮影。年末に完成披露試写会。翌年2018の夏には東京の映画館で公開。そして全国公開。さらに地元静岡県での公開。9週間に渡るロングラン上映。ロサンゼルスの映画祭で受賞。年明けには地元の映画館でアンコール上映。

そして今月。DVDが発売された。物凄い展開だ。何度も書いたが地元実行委員の奮闘の賜物ーと言っても、最初は3人のおばちゃんからスタートしている。その中に大手企業社長の奥様がいるとか、有力政治家の娘がいた訳ではない。皆、普通の主婦。そのおばちゃんたちが声が挙げ、ここまで来たのだから凄い。

あと、スタッフにも感謝せねばならない。今回は故郷映画。地元の方々の寄付で作られた。いつも彼らが参加する企業映画に比べると予算も低い。となると、機材の制約、助手の人数制限も出てくる。かなり不自由がある。ギャラも当然、いつもより安い。今回に限らず、地方映画というのは、そういう現実がある。

それでもおばちゃんたちが自腹を切って、走り回り、集めた寄付。その意味を理解してくれたスタッフが集まった。皆、映画界の第1線で活躍するベテランばかり。猛暑の中、全力でかかってくれた。そんなスタッフの活躍がなければ、感動作にはなり得なかった。監督がいくら1人で頑張ってもダメなのだ。だが、通常の地方映画。スタッフが手を抜くことが多い。

「ギャラも安いし、劇映画というより、PR映画だからなあ。適当でいいんじゃない?」

と思いがち。第1線で活躍する人はなかなか参加してくれないことが多い。地元も「良質な映画を作ろう!」というより

「わが町の名産品と観光地を映画で紹介したい!」

と勘違いしがち。結果、映画館で入場料を払って見るPR映画になってしまうことが多い。でも、今回の地元メンバーは違った。それを理解し、物語として素敵な作品を作ることを目指した。それが結果的に町のPRになることを把握していた。撮影現場でも連日、お手伝い。交通整理から荷物運びまで。ロケ弁は全ておばちゃんたちの手作り。その熱い「思い」を受け止めてスタッフも頑張った。企業映画の時より張り切ったと思えるほどだ。

本当にどちらか一方だけ頑張ってもダメ。両者が頑張らないと素晴らしい作品はできない。それが故郷映画だ。それが見事に結実したのが今回の「明日にかける橋」。だからこそ、東京、大阪でもヒットした。この手の地方映画は通常、地元でしかヒットしない。いや、地元ですら1日上映して終わりーが普通だ。

それが全国でヒット。ロサンゼルスでも受賞したのは、単なるPR映画ではなく、感動作品になっていたからだ。「地方映画で故郷PR」というのは、この20年くらいにいっぱいあったが、ほとんどが失敗。そんな中で「明日」は稀有の存在。「わが町をアピールしたい!」という町の方にもぜひ、見ていただきたい。

特典映像として収録されている。「メイキング」ではそんな地元の皆さんの活躍も描かれているのでぜひ!

http://asunikakeruhashi.com


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映画の宣伝は9億円かけて10億儲けるのが王道。なのにわずかな予算であれこれ高望みする監督? [映画業界物語]

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映画の宣伝は9億円かけて10億儲けるのが王道。なのにわずかな予算であれこれ高望みする監督?

映画ファンの友人と話をしていて、映画の宣伝費は東京だけで最低の最低で500万はかかると話すと驚かれた。映画ファンでも驚くのだから一般の人はもっと分からないことだろう。テレビで当たり前のように流れているCM。ある期間流してもらうだけで、数千万から数億円かかること。意外に知られていない。

テレビだけではない新聞広告でも、全面広告だと*千万円。小さなものでも数百万する。でも、あまりにも当たり前に広告は出ているので「いくらするか?」なんて考えたこともない人が多いはず。映画を宣伝するにも当然、かなりの費用が必要だ。トムクルーズ主演のあのスパイ映画。9億円の宣伝費。

テレビ、新聞、雑誌、看板、と、公開前にはどこへ行っても宣伝を見かけた。その額9億円。それくらいしないと、多くの人に映画の存在を知ってもらうことはできない。そうやって大ヒットさせて収入は10億円。儲けは1億。少ないように思えるが1億円の収入は凄いこと。でも、その1億を稼ぐために9億掛ける。

映画の宣伝費。最低の最低は都内公開だけで500万ほど。もっと安いのもあるが、それだと最初から投げているのと同じ。やる気がないとしか言えない。500万でもほとんど何もできない。具体的に紹介しよう。チラシ、ポスター、前売り券の印刷。その前にデザイナーを雇いデザインをしてもらう。パンフレットもデザイナーに頼む。記事やインタビューも必要なのでライターさんを雇う。

まず、それらの印刷経費と人件費。次にマスコミ試写会。テレビ、ラジオ、雑誌等、100社を超える会社に試写状を出す。住所書き、発送、連絡には人員が必要。その他にもいろんな仕事があるので、人を雇う。その人件費。そして試写会。最低でも10回。それなりの作品は20回以上やる。会場もピンキリだが、高いところは1回10万以上。20回やれば200万!

完成披露試写会。俳優を呼ぶ。衣裳、メイク、等のスタッフが必要。衣裳のレンタルも大事。全部、費用がかかる。俳優さんはお気に入りのメイクさんがいる。売れっ子なら1日5万円。俳優の数だけメイクさんが必要。あと、メイクをする場所。待機する場所もいる。劇場にあればいいが、シネコンにはその用意がないところもある。近くのホテルに部屋を取る。

1部屋2万? 広めの会議室なら数万? 昼を挟めば弁当も必要。そして公開初日にまた舞台挨拶。同じだけの費用がかかる。ここでもう500万は完全に超えている。全国公開ではない都内だけの費用だ。

以上のプラン?はもちろんテレビ、雑誌、ラジオの広告はなし!という価格。これで映画の存在をアピールするのはかなり厳しい。だからこそ、大手企業は莫大な費用を使ってCMを打ち、新製品を売ろうとするのだ。映画も同じ。大手は億単位で宣伝。だから、大した作品でなくてもヒットする。ネットという手もあるが、やはりテレビ、新聞に比べると拡散力が極めて小さい。

そんな中、今回の「明日にかける橋」の宣伝会社はかなり厳しい予算の中で、本当によくやってくれた。血を見る努力をしなければ、あの予算であそこまでは出来なかったこと。宣伝を知っている人には分かる。

だのに監督にはそれが分からない人がいる。撮影では張り切るが、宣伝には無頓着。それでは努力して作った作品をドブに捨てるようなもの。観客に見てもらってこそ映画!なのに監督には最低額の宣伝費しかないのを知りながら

「100館くらいで上映するんだよね?」「五大都市で舞台挨拶かな」「テレビスポットとか当然やらないとね〜!」

できるわけ無いだろう! 言い換えれば

「3万円も出せば渋谷でマンション住まいできるよね? 2DKくらいがいいなあ」

というようなもの。もう少し勉強してほしい。宣伝費が1000万あっても大したことはできない。宣伝は本当に金がかかる。なのに多くの監督は自ら宣伝活動をしない。でも、これからの時代。それでは済まない。宣伝は大事。まず、宣伝はいくらで何ができるか?知ることからスタート。




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