SSブログ

「明日にかける橋」パンフレットが他の映画と違う理由? [映画宣伝入門]

IMG_0894.jpg

「明日にかける橋」パンフレットが他の映画と違う理由?

地方ではときどきチラシのことをパンフレットと呼ぶ人がいる。が、チラシは1枚ペラの広告の紙。パンフレットは何ページもある。文章や写真の載った有料のあれである。なぜ、そういうのか?わからない。地方によるのか? でも、正解はチラシはチラシ。パンフレット(あるいはプログラム)はパンフレットである。

さて、「明日にかける橋」パンフレットは非常に評判がいい。これは嬉しい。いつもパンフは僕が企画する。どんなページが必要か? どんな写真を載せるか? 全て決めた上でライターさんを呼んでページ割をして、デザイナーさんに写真と文章の配置、大きさを決めてもらう。毎回、同じお2人。センスも趣味もいい、できる方々なのだ。いつも素敵なパンフができる。

パンフの基本内容はこうだ。「解説」「あらすじ」「俳優インタビュー」「ロケ地マップ」「撮影エピソード」「スチール写真」「撮影風景」「監督からのメッセージ」今回は特に「時代背景解説」1989年が舞台なので、当時何があったか?を説明。

というのも、最近の映画のパンフレット。本当に中身がない。スチール写真を何ページも載せて、映画評論家にどっちでもいい批評かかせて、あらすじと解説だけ。みたいな。これ完全に手抜き。スチールが多いと簡単なのだ。それも雑誌やネットで見たような写真ばかり。俳優や監督のインタビューもなし。単なる薄っぺらい写真集。その割に高い。

パンフを作るのは配給会社。そこが手抜きしている。そもそも、作品に対する愛情がない。楽して、はい。出来上がりー次の映画ー。って感じ。だから、もう30年以上。僕は映画館でパンフを買わない。超感動した映画で背景を知りたいときだけ。30年で10冊買ってないだろう。買う価値ないから。映画雑誌読んだ方がまだ俳優のインタビューとか読めるし。

だから、太田組作品はそうしない。まず、メインキャストのインタビュー。毎回、全員載せる。今回は鈴木杏さん。板尾創路さん。田中美里さん。越後はる香さん。藤田朋子さん。宝田明さん。5人全員のインタビュー。それも見開き2P。やはり、観客は俳優がどんな思いで演じたか?撮影現場はどうだったか? 知りたいはずだ。でも、インタビューは大変だ。それぞれに俳優が都合のいい日に都合のいい場所にライターさんに行ってもらい、取材。その音声を書き出し、それを構成。もの凄く手間がかかる。

時間もかかる。何日もかかる。当然、ライターさんにはそれなりのギャラを払わなければならない。だから、配給会社は面倒だし、費用がかかるのでメイン全員インタビューなんてしない。でも、これは手抜きでしょう? 観客に対する裏切り。スチール載せるなんて簡単だから。でも、太田組はやる。また、そのライターさんがすごい人で、かならず事前に撮影現場に来てくれる。現場の空気を把握する。その俳優の撮影も見る。その上でインタビュー。

これが現場を知らないライターがありきたりな質問で「今回の撮影はどうでしたか?」「はあ、そうですか。大変でしたね〜」というのと、現場を知っている。撮影を見ていた。そのときに挨拶も受けた人がインタビューに来るのと俳優の気持ちも違う。「この人は真剣だ。ちゃんと現場も見ている。いい加減なことはいえない」と熱く語ってくれる。それが現場も知らない。映画についてもよく分かってないライターが来たら、差し障りのないことしか話さない。

だから、太田組作品のパンフ。インタビューが他とは違い、俳優がかなり踏み込んで語ってくれている。観客が知りたい話をしてくれる。でも、そのためにかなりな労力と、時間と、費用がかかっている。ライターさんの情熱と努力にはいつも頭が下がるが、毎回、そこまでやってくれる。だから、他の違うものができる。(なのにギャラいつも安くてすみません)

原稿についても、全て僕も確認する。勘違いはないか? 事実誤認はないか? 名前は間違っていないか? そしてスチール写真もスナップも徹底して選ぶ。もちろん、全て俳優の事務所から承認を得たもの。その中からいかに現場や物語を伝えるか?を考える。完成までには何ヶ月もかかる。1冊の雑誌を作るのと同じだけの労力をかけている。そして監督自身がここまで関わるパンフレットも他にないだろう。なぜ、そこまでやる? 

映画というのは形のないもの。DVDにはなるが(ならないこともある)それでもプレイヤーを通さないと画像は見れない。何か形のあるものを映画を観てくれた人たちだけでなく、関係者、俳優、スタッフ、そして地元の方々の手に残るものを作りたい。それがパンフレットだ。

言い換えれば思い出のアルバム。学生時代の卒業アルバムなのだ。だから、手抜きできないし、思い出を詰め込みたい。関係者は一生捨てないで取っておいてくれる。「青い青い空」のときのパンフも未だに大切にしてくれている人もいる。もう、10年だ。だから、想い出を残せる素敵なパンフレットにせねばならない。

また、パンフレットは劇場でしか買えない。あとでAmazonで注文できない。古本屋を探せばどこかにあるかもしれないが、それも大変。だから貴重。そんな「明日にかける橋」パンフレット。上映中の映画館で発売中なのでぜひ、お買い求め頂きたい。この売り上げも実行委員会は、今後の宣伝費にまわすとのこと。映画を全国に発信する意味でも買って頂けるとありがたい!


DmngW2aUwAASg97.jpg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。