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映画の宣伝方法ー人は3つ以上のメディアから情報を受けると覚えてくれる? [映画宣伝入門]

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1970年代後半に大成功を収めた角川映画式宣伝というのがあった。映画の製作費と同等の額で宣伝。テレビで繰り返しCMスポットを流した。当時、日本人の半数以上が映画の存在を認知したといわれる。映画を観てもらうには、まず映画の存在を知ってもらわなければならない。その意味で伝えることの大事さを実践した宣伝だった。

が、1990年代に入り、莫大な費用をかけて宣伝してもヒットしない映画が出て来た。単なる物量作戦ではもう人々は振り向かなくなったのである。そして豊富な予算がある企業映画ならいいが、インディペンデント映画はテレビスポットをバンバン打つという宣伝は昔からできない。どうすればいいか? それを含めて今回は宣伝の基本から説明してみる。

宣伝というのは、映画や商品を一般の人々に認知してもらうところから始まる。買ってもらう。観てもらう。それ以前にその映画や商品を知らなければ買ってもらうことも、観てもらうこともできない。では、人はどうやって映画や商品を覚えるのか? 学生時代。単語カードを作り、英単語を覚えた人がいるだろう。そう、人は繰り返し記憶することで、覚える。宣伝も同じだ。

だから、テレビでは繰り返しCMを流す。1週間に1回ではない。1日に何回も流す。人はそれを繰り返し見ることで、宣伝されている商品を覚える。でも、テレビCMだけでは十分ではない。繰り返し情報を得ることで人は覚えるが、もうひとつ大事なことがある。3つ以上の別のメディアから情報を得ることで、記憶するという性質もある。

映画でいうなら、映画館で予告篇を見る。ロビーでチラシをもらう。新聞広告でその映画を知る。雑誌の費用でその映画評を読む。街角でポスターを見る。こんな風に別のメディアから、映画館、新聞、雑誌、ポスターといろんな形で映画の存在を知ることで記憶。それも3つ以上のメディアから知ることが大事と言われる(心理学では7つ以上のメディアという人もいる)

だから、映画館に行ったら面白そうな映画の予告篇が流れていた。が、タイトルは覚えない。帰りにロビーでチラシを数枚もらった。電車で観ていると先の予告篇の映画のものがある。「あーこれかー」でも、すぐにチラシはなくしてしまう。街を歩いているとポスター。あの映画だと分かる。喫茶店に入り雑誌を読む。映画評を見ると褒めている作品がある。あーあの映画だ。というふうにして人は、その映画を覚えてくれる。

その中のごく一部のひとが映画館まで行き、入場料を払い、映画を観てくれる。つまり、まず、映画の存在を多くの人に知ってもらうことが大事だ。そのためには複数のメディアから映画のアピールをしなければならない。その期間が公開までの3ヶ月。これが長過ぎると、せっかく映画の存在を記憶してくれても、公開の頃には忘れている。新聞記事、ネットの広告。ポスター。そんなものを3ヶ月の間に、何度も何度も見ることが決め手なのだ。

思い出してほしい。映画というのは新聞や雑誌、テレビ、ラジオ、ネットといろんなメディアで宣伝するのは、そのため。つまり、テレビ宣伝ができなくても、他のメディアから情報を得ることができれば記憶してくれる。新聞、雑誌だけではない。イベント、口コミ、といろんな形で宣伝はできる。それを公開3ヶ月前から徹底して行なうことが本来の宣伝なのである。

多くのインディペンデント映画は「宣伝費ないし。何もできないよな〜」と諦めがちだが、やれることはたくさんある。「明日にかける橋」もそうやって宣伝。がんばりたい。


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