山本太郎さん出演、原発事故を描いた映画「朝日のあたる家」宅配ゲオでレンタル中! [2019]
「朝日のあたる家」宅配ゲオでレンタル中!
山本太郎さんが出演。2013年に公開。
映画界でタブーと言われた原発事故を題材にした映画。
全国23館で公開し大ヒット。世界6カ国で上映。
現在は宅配ゲオでDVDをレンタルすることができます。
ぜひ!
「朝日のあたる家」監督日記はこちら=>https://cinemacinema.blog.so-net.ne.jp
予告編=>https://youtu.be/rP2ztda0kpg
映画監督の仕事とはどんなものか? =俳優の力を引き出すこと? [映画業界物語]
映画監督の仕事とはどんなものか?
=俳優の力を引き出すこと?
昔の日本映画ではテーブルを挟んで会話するシーンを真横から撮影するものが結構あった。それが一番楽だから。カメラを2人の真横に置いて俳優が喋る。それを延々と撮れば終了。だが、それでは俳優の顔は真横からしか見えず、表情が感じずらい。登場人物の気持ちが客に伝わらない。でも、早くて楽なので、その手の撮り方をする映画が多かった。
ハリウッド映画ではその種の場面。必ずカメラを真横。俳優Aの正面。俳優Bの正面に置いて撮影。登場人物の表情がよく見えるショットを撮る。が、それだとカメラ位置を変えて3回撮影せねばならず、時間も手間もかかる。でも、それは大切なこと。僕はそのハリウッド方式で毎回撮影する。が、それだけではない。俳優Aと俳優Bのどちらの表情を最初に撮るか? それも大事なことだ。
例えばAさんの表情を撮る時はBさんの表情は映らない。が、芝居はしなければならない。そこがポイント。もし、Aさんが新人で経験値が低ければあとに回した方がいい。つまり、ベテランのBさんを先に撮ることで、Aさんは自分が映る前に何度かカメラに映らない芝居をせねばならない。それが練習になり、Aさんを撮影する際にはエンジンがかかっていい芝居ができる。
でも、そうでない場合もある。「明日にかける橋」食堂で母親役の田中美里さんと娘の鈴木杏ちゃんが会話する場面がある。ここはとても大事なシーンで、美里さんが祖母の話を延々とする。杏ちゃん演じるみゆきはそのことで大きな心境変化を持つ。さて、美里さんと杏ちゃんのどちらを先に撮影するか? どちらも超演技派。いきなり芝居をしても高得点を取る女優さんたち。
そんな時はそれぞれのテンションや体調を見る。何度か練習できた方がエンジンがかかる。それでいうと杏ちゃんはその日、食堂の前の場面をすでに撮影。エンジンがかかっている。美里さんはその日、最初の芝居。通常なら杏ちゃんから先に撮影、美里さんは少しエンジンがかかってから撮影した方がやりやすいだろうと考える。
が、その日の美里さんはかなり気合が入っていた。その会話場面がとても重要であることも把握、物凄い練習をして来ていること感じた。もう出来上がっている。何度かリハしてから...というレベルではなく、最初からエンジン全開!というところまで自分を持って来ている。カメラ位置的には杏ちゃんを先に撮った方が色々都合いいのだが、美里さんを先にお願いした。
もちろん、先でなくても素敵な芝居をしてくれるのは間違いない。が、どんな素晴らしい役者でも同じ芝居を繰り返すと新鮮味がなくなる。芝居は完成してくるが新鮮さも大事。そこで美里さんを先に撮らせてもらった。カメラの移動に手間がかかるので演出部は「えー?」という不満顔だったが、美里さんはすでに「さあ、勝負!」というところまでテンションが上がっている。
その判断は正解。美里さんは長い長い長台詞をNGなし、一発でこなした。台詞を聞いている僕が「なるほど、本当にその通りだよね...」と思ったほど。いや、僕が書いた台詞なのだが、もはやそれは台詞ではなく美里さんが心に感じたことを言葉にしたものになっていた。そんな風に実力ある俳優さんも、より実力を発揮しやすい環境づくりをすること。それも監督の大事な仕事だと考える。
俳優は「考える力」が大切=名優というとは考え続ける人のこと? [映画業界物語]
俳優は「考える力」が大切=名優というとは考え続ける人のこと?
考える力の話を続けて書いていて、俳優も同じであることを思い出す。俳優でシナリオをもらうと「今回はどんな風に演じようかなあ〜」という人がいるが、その一言でダメな役者....と思えてしまう。どう演じるか?ではない。シナリオを読めばどう演じなければならないか?が分かるからだ。
例えばセリフが関西弁。
舞台は静岡県。仕事は自動車修理。家族は4人。年齢は40代。それだけ分かれば、ある程度の方向性が見える。関西出身で静岡の自動車工場に就職。そこで結婚した。セリフから不器用なのか?寡黙なのか?おしゃべりなのか?色々分かる。つまり、どういう人物であるか?を俳優は推理して行かなねならない。
まさに考える力が必要な仕事。
その役のプロフィールをもらえる訳ではない。役者によっては自らそれを作る。シナリオには書かれていないが、プラモ作りが趣味とか、ジャズが好きとか、でも、それが本筋に影響するものではいけない。佐藤浩市さんは「空母いぶき」で総理を演じるに当たって、プレッシャーに弱くすぐ下痢するというアイディアを自身で付け加えた。そのことで人間臭さが出た。
そんな風に俳優というのは与えられたセリフを覚えて、カメラの前で話すだけでなく、その役がどんな人生を送り、どんな思い出があり、何を信条に生きているか?シナリオに書かれてない部分を考えて、生身の人間を作り上げる作業をしている。その上で、声のトーンは? 話し方は? 癖は? 姿勢は? そんなことも考える。
撮影前の衣装合わせ。
衣裳部さんもシナリオを読み、この役ならこんな感じの服。この時代ならこれが流行り。とあれこれ考えて、2−3点の衣装を用意してくれる。俳優を呼び、実際に着てもらう。最終的には監督が決めるのだが、僕はなるべく俳優さんがいいと思うものにする。本人もまたあれこれ考えて来るので、そのイメージに相応しい衣装にしたいのだ。
そして現場で俳優は「この場面は親子の対峙。娘に対してどういう言い方をするか? どんな表情でいるか?」物凄く考えた上で本番に挑む。もちろん、撮影までの間、そのことを考え続ける。その上でロケ地に入り、この場所なら考えてきた通りでいい。いや、この場所なら言い方が変わるはずだ。と修正をする。役者もまた「考える力」が大切な仕事。名優とは考え続ける人のことなのだ。
2年前の映画「明日にかける橋」=出演の板尾創路さんがリツイート!感激 [2019]
「明日にかける橋」出演の板尾創路さんがリツイート!感激
通常、俳優さんは近日公開の映画やドラマの宣伝に追われる。なのに板尾さん。
すでにDVDが出ている出演作「明日にかける橋」
ー僕のツイートをリツイートしてくれた。めっちゃ、ええ人やあ〜!
同時に凄い思いを持って演じた想い出の映画であること。
ロケ地、袋井市、磐田市、森町のみなさんへの思い、
2年経った今も変わらぬこと感じます。感謝です。
予告編=>https://youtu.be/MacNc2k56wQ
女優を目指すモデルさん。なぜ、女優になれないのか?=35年前の思い出を手繰ってみた。 [映画業界物語]
女優を目指すモデルさん。なぜ、女優になれないのか?=35年前の思い出を手繰ってみた。
もう35年以上前の話だが、カラオケビデオの仕事をしていた。僕はAD(アシスタント・ディレクター)というと聞こえはいいが、何でも屋だ。カラオケ・ビデオの撮影隊は監督、カメラマン。プロデュサー。そしてADの4−5人。当時はドラマ仕立てのものが多かったので、撮影自体は映画と同じスタイル。ただ、音やセリフは録音しない。
出演者が1人ということが多い。街をさまよい歩くだけのものとか、彼と2人でデートするだけのものもある。カラオケ・ビデオの予算は安く、出演するのは有名な俳優ではない。俳優ですらなく、多くはモデルさんだった。俳優というのはギャラが高い。が、人気モデルでなければ俳優に比べるとギャラが安いから。
カラオケビデオは女性がメイン。綺麗なモデルさんが次々に来る。ほぼ全員が女優志望。モデル業はスタジオで写真を撮るだけ(衣服の広告。商品を持って笑顔とかパンフレットや広告の仕事)だが、カラオケビデオなら歩いたり、笑ったり、泣いたりという演技をせねばならない。それが勉強になるので出演するという。
ただ、話しをすると「あ〜無理だなあ」と感じることが多かった。というのは僕は10代に1本、映画の助監督を経験した。その時に出会った俳優さんたちはやはり凄かった。同じ人間と思えない。綺麗とかカッコいいというだけでなく、存在そのものが凄い。新人でもエネルギーが違う。彼ら彼女らに比べると、カラオケビデオのモデルさんたちは明らかに俳優のエネルギーがなかった。
でも、そこから努力してレッスンをして俳優にステップアップ!ということもあるかもしれないのだが、当時、まだ20歳前後だった僕は生意気にも「多分、無理だろうなあ」と感じていた。というのも、特に女性モデルたちは見た目は美女、可愛い。とても見栄えがする。が、喋るとダメ。言い方はよくないが「アホだ...」と思えた。ま、20歳になったばかりのアホな僕の印象なので許してほしいが、そう感じた。
今、分析してみると、彼女たちは子供の頃から可愛く、それなりに裕福な家庭で育ったと思える。親からも周りからも可愛がられ、大きな苦労もせずに大人になる。いわゆるお嬢さんで、習い事はそこそこしたかもしれないが、何かに夢中になったことはない。児童劇団に入るとか、学生演劇をするとか経験もない。日本の教育を受けて、それこそ「考える力」もない。大学になり、「就職するより華やかな女優さんになりた〜い」と考え、知り合いのモデル事務所に所属した。
対して女優というのは中高生から事務所に入り、オーディションを受け、大人の俳優たちと演技をし、厳しいレッスンを受けている。何が違うかというと「思い」なのだ。当時出会ったモデルさんたちは女優になることを憧れている。女優になった人たちはそれが10代からの目標だった。そして名優と呼ばれるようになる人たちの多くは家庭に問題がある。それを乗り越えて来た強さがある。そこが裕福な家庭で育ったと思えるモデルさんたちとの一番大きな違いだと思える。
映画「朝日のあたる家」 原発事故の悲劇を描いた物語。 山本太郎が出演! [2019]
映画「朝日のあたる家」
原発事故の悲劇を描いた物語。
山本太郎が感動の名演技。
今年2月まで1年間、Netflixで配信していた。
リクエストすればまた配信してくれるかも? よろしく!
「朝日のあたる家」予告編=>https://youtu.be/rP2ztda0kpg