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俳優業の厳しさ。ロケ地に呼ぶだけで経費3万円。それでも呼びたい実力と個性が大切。 [映画業界物語]

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俳優業の厳しさ。ロケ地に呼ぶだけで経費3万円。それでも呼びたい実力と個性が大切。

遅くなったが、ワークショップのことを報告。今回も素敵な面々が集まり。4時間のレッスン。実力派が集合。それぞれの力を見せてもらい、長所と短所を指摘。その辺は僕の得意とするところであり、正解率は高い。だから選んだ新人がよくブレイクする。

俳優もそうだが、アーティストは意外に自分の良さが分からない。個性があるのに「俺は個性がない」と思い込んだりもする。そして欠点には気付きやすいが、どう克服するか?がなかなか分からない。そして、人間としての短所こそが、演技の上で武器になることを知らない者も多い。

今回、参加してくれたメンバー。全員ではないが、即戦力と言える人たちが何人もいて、いずれ現場でご一緒したい。それと実力はもう一息だが、努力しているし、思いもあるし、これから伸びていく若手もいた。本当にこんな連中を現場に呼んで、どんな役でもいいから演じてもられば、とても勉強になり、成長するのだが、現場に呼ぶのはとても難しいのだ。

もし、東京で撮影があれば、ノーギャラでも、勉強のために呼んで小さな役でも演じてもらうことができる。が、例えば静岡ロケ。前回の撮影現場だと新幹線で片道1万弱。往復で2万。宿泊が1泊6千円。飯が3回で3千円とすると3万円になる。ギャラなしでも、1人の俳優を呼ぶのに3万円が必要。10人だと30万だ。これは大きい。

俳優の勉強のために使える額ではない。つまり、勉強ではなく、それなりの力を示せて、その役を演じ切れる実力があるものしか呼べないということなのだ。それが撮影であり、低予算の現場。僕が気に入ったからと無理を言えることではない。かわいい女優がいる。仲良くなりたい。だから、呼ぶということはできないし、やっては行けない。

それなら、その3万円を別の有効なことに使うべきなのだ。小道具、衣裳、レンタカー、機材。それらに使えば撮影がスピーディになったり、よりよいアングルで撮影できたりする。だから俳優は実力があるだけでなく、個性があり、他の俳優では替えが効かない存在になってこそ、交通費も、宿泊費も、食費も出して、さらにギャラを払ってでも現場に呼ぼうということになる。

本当に厳しい世界だ。が、今回のメンバーにそんな存在は何人もいた。あとは、次回作で彼らが演じられる役があるかどうか?それがまた厳しいが、彼ら彼女らと仕事が出来る日を楽しみにしている。


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