地方映画の作り方(最終回)費用対効果は数億円から数十億円!=街の宣伝が大いにできる [映画業界物語]
地方映画の作り方(最終回)費用対効果は数億円から数十億円!=街の宣伝が大いにできる
地方を舞台に映画を作った場合。その映画によって町が宣伝されるだけではない。マスコミによるパブリシティ効果も大きい。説明する。映画を映画館公開すれば、必ずネットの映画サイトや情報雑誌が紹介してくれる。テレビ、新聞、雑誌でも映画紹介コーナーがある。
俳優たちは雑誌、新聞、テレビでインタビューを受ける。バラエティ番組に出ても告知してくれる。FMやネットの映画紹介番組もある。ラジオで番組を持っている俳優もいる。ブログ、Twitter、イスタグラム、でも映画のことを書いてくれる。
マスコミが映画のことを扱ってくれれば、ものスゴイ宣伝。おまけにどのメディアも宣伝費を取らない。これがパブリシティだ(逆にお金を払う宣伝をPRと呼ぶ)映画でないと成り立たない展開。街の魅力をアピールしたいからテレビに出して欲しいと頼んでも、よほどでないとOKは出ない。
テレビどころか新聞、雑誌だって無理。俳優に頼めば莫大なCM料が必要。でも、映画なら全てタダ。映画がアピールされるというのは、地元の魅力もアピールされるということ。映画以外ではあり得ない宣伝となる。
映画館公開、宣伝、テレビ、ケーブルの放送まで。これらを地元宣伝の費用対効果(お金を払って宣伝した場合だといくらかかるか?)で計算すると数億円から十数億円となる。現金で払えばそれだけの額がかかる宣伝が、1本の映画で出来たことになる。
だからこそ、多くの街が故郷映画を作ろうとするのだろう。そして何より、映画は100年先まで残る。何よりの記録となるはずだ。
(了)
写真は「明日にかける橋」地元映画館公開時の楽屋。主演の鈴木杏さんを囲んで監督と地元実行委員会のみなさん。この映画も大企業や自治体主導ではなく、地元のおばちゃん達が寄付を集め作り上げた故郷映画。映画館公開時だけで1億円以上の費用対効果を上げている。地元企業や自治体がやりたくても、なかなか費用面でやれない大きな故郷アピールをしたのである。
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