俳優業、役に上下はないが、俳優には上下がある?⑤(終) =そして俳優業は時間給ではない。勘違いする新人君? [映画業界物語]
俳優業、役に上下はないが、俳優には上下がある?⑤(終) =そして俳優業は時間給ではない。勘違いする新人君?
映画に出演できるということは大変なこと。新人俳優はノーギャラであっても、現場に出れば勉強になる。授業料を払ってもできない経験ができる。なのに、ある新人は
「今回はノーギャラで出たので、次回はギャラ下さいね! 他の役者はギャラもらってるんですから不公平ですよ〜」
と笑いながら言っていた。冗談でもこれはアウト。監督は彼の勉強になるので呼んだだけであり、ギャラを払って呼ぶほどの実力はない。それ以降、彼は声がかかっていない。
会社員やバイトの世界ではない。いや、会社だって実力や経験が認められ、給与に反映される。その意味でその新人はバイト感覚でしかない。誰もができる仕事なので、バイトは時給換算する。それを能力が問われる演技の仕事に当てはめるのは愚かでしかない。
努力し、いろんな経験をし、多くの人の支持を得る。他の人にはできない実力や表現ができる。それが評価されてこそギャラの額が決まる。それが映画の世界。
そして実力ある者が集まるからこそ、いい作品ができる。ただ、バイト感覚でギャラを要求する若手俳優は多い。それで生き残り活躍している奴は見たことがない。それがこの業界だ。
(了)
ー4年前の記事からー
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