SSブログ

「アナと雪の女王2」続編を作ってはいけなかったタイプの映画? [映画感想]

75534778_3215661535174795_5754207109403115520_o.jpg

「アナと雪の女王2」続編を作ってはいけない映画の見本?

ヒット作の続編を作るのは本当に難しい。「でも、その物語の続きを描けばいいだけじゃない?」と思う人は「物語」とは何か?が分かっていない。もちろん、堅気の人が物語を作ることはないので、分からないのが当然。それが血を吐き、魂を抉る作業だとはなかなか分からない。

物語というのは、簡単にいうと「事件」。それも単なる犯罪や事故ではダメだ。その事件が主人公の人生に関係し、それを超えることで成長するというのが物語。なのにヒットすればすぐに続編!となるが、物語には続編ができるものと出来ないものがある。

物語が完結していると、パート2は単なる繰り返しになり面白くならない。単に別の事件が起きるというのも「刑事物」以外ではやりづらい。単に続きを紹介するだけでは物語ではない。だからスピルバーグは「ET」の続編を絶対に撮らない。同じ路線の「コクーン」も撮ってはいけないのに撮ったので、最悪の作品だった。すでに完結した物語から無理やり続編を作ると失敗する。

「アナと雪の女王2」も心配だった。前作の湧き踊る感動を超える。いや、並ぶだけでもいい。そんなレベルの作品を作ることができるのか? 僕も脚本家なのであれこれ考えてみた。仲直りしたアナとエルサの物語をどう作るか? 新たな危機があり、2人してそれと戦う? それでは刑事ドラマ。「アナ」はそんなドラマではなく、姉妹が心の葛藤を超えて仲直りする物語だ。

再び誤解があり、事件となり、また仲直り? これも前作の繰り返しだ。そう考えると物語は完結しており、続編の必要がない。というか続編はできないタイプの作品だ。という訳で映画館で見てきた。予想通り。何をしたいのか?分からない展開がつづく、これは作り手に迷いがあるからだ。

単なる新しい冒険にはせず、両親の存在。そしてエルサの意味が明かされるという展開にしたところは上手。というか、それを外してはダメ。だが、そこに前作のようなドキドキ、ハラハラする。ハッピーエンドを望まずにいられない物語がない。単に過去が明かされるのみ。「共感せずにいられない!」という設定がない。やはり、姉妹が仲直りする物語であり、すで完結しているのだ。

今回は単に「エルサ」の設定を物語として紹介しているだけで、本当の意味で物語ではない。そして歌も前回のように心が踊るもの。心がときめくものがない。「ありのままで」の第2弾を狙った歌もあるが、心に届かない。プロデュサーから「あの路線でもう1回」と言われたが、作曲家は「えーーどーしよう?」という感じで頑張りましたが、という感じの曲。

つまり、今回の作品は全てにおいてスタジオ側から「もう一度!」と言われ、スタッフが無理やり作った作品であり、クリエーター達が心から望む物語を作り上げたということではない。もちろん、ディズニーなので、クライマックスは上手に見せる。が、クリエーターの「思い」なき物語は観客の心には届かない。

あと、火炎ガエル(?)。結局、物語には関わらないのね? 「危ない!」という時にエルサを助けると思ったのに...。続編を作ってはいけない物語はこうなる!という見本になっていた。


m_58380866_2620621131345508_6956524637744267264_n.jpg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。