ワークショプ終了! 俳優業は「本当の自分探し」=弱点と強みを知ることで伸びる? [WS]
俳優業は「本当の自分探し」=弱点と強みを知ることで伸びる?
昨日のワークショップに参加した俳優たち
から礼状や感想文が届いた。「太田監督はもっと怖い人だと思っていました」とというのもあり笑ってしまう。その俳優さんはFacebook「友達」でもあり、長年僕の書いた記事を読んでくれていた。
確かに、それらを読めば政府批判からアメリカの大統領のこと。社会に対する憤り等、「怖い人」でないと言わないようなことを綴っている。監督で言えば大島渚のようなタイプ?と思っても当然かも?と考えた。
ただ、書く時と違い、
ライブ=人前で話すとき、ワークショップとか講演会は関西人のサガで笑いを取ろうとしてしまう。親しみやすく楽しいことを心がけてしまう。撮影現場でもこちらに近い。活字で伝える時と、声で伝える時は方法論が違う。それぞれが最大限に生きる方向性が必要だと思う。あと、こんな感想も頂いた。
「往往にして指導する側は、演技を技術や完成度で判断してしまいますが、太田監督のコメントは、“のびしろ“ に重点をおいた視点で評価されていることでした。これは特に未完成の方に対しては励まし、プラスの効果を及ぼし得る重要な視点だと感じました。また、作品において、まったく未経験の若い子に素晴らしい演技をさせているのもこの視点あってのものと理解しました」
年長の俳優さんからの感想だが、鋭く見てくれていて嬉しかった。通常ワークショップというのは、現場のリハーサルに近く、脚本のある役を演じて、監督が問題点を指摘するという形。要はその監督のイメージにどう近くか?という現場に近いレッスンとなる。
が、その場合。その監督側の思いを理解し、表現するということがメインとなる。それは他の監督と仕事をした時には「思いを理解する」という方法論が大事ということしか役に立たない。そこで、その俳優の良い点は何で、問題点は何か? つまり、監督とは関係なしに、どんな力を持ち、何ができていないか?を中心に進める。
これは通常のワークショップとは違い
「自己発見」が目的。つまり、演技レッスンというより、啓発セミナー(怪しくないやつね)や心理カウンセリングのようなもの。そのことで俳優は無意識にある「思い」を自覚できる。弱点は本人も気付きやすいが、優れた点は本人は分からないことが多い。当たり前だと思っていたことが人にはできない表現であったりする。
いろんな年齢の役を演じる。
いろんな職業を演じてみる。そのことでどんな役が得意で、何が苦手かが分かる。演技というのは基本、心理学と同じであり、俳優という仕事は「本当の自分探し」。他人を演じていくことで自分を発見する職業だと思える。そんな発想でレッスンすることで、いろんなことを俳優は知ることができる。先の感想はその一端を言い当ててくれて、嬉しく思った。
難しく書いたが、現場ではそのテーマに気づく人はほとんどいない。が、弱点や強みを意識することで俳優は大きく伸びる。僕のワークショップがそんなきっかけになってくれれば嬉しい。ちなみに参加者の俳優陣へ。宿題ビデオは今日、日曜の夜まで配信。復習を兼ねて見て欲しい。では、また、次の機会に!
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