「僕には夢がある」といいながら何もしない若者たち?② [映画業界物語]
「僕には夢がある」といいながら何もしない若者たち?②
(5年前の記事から)
20歳前後は「オレはその辺の奴とは違う」「僕は特別だ」と思いたくて仕方ない年ごろ。「何か自分にはできるはずだ!」という根拠のない自身があったりする。
「夢」を語り、まわりが認めてくれることで、そんな自尊心を満たされる。そこで多くは満足。何もしなくなる。演劇学校や映画学校に通うくらいだ。
それでいて、恋人がほしい。旅行にも行きたい。ビデオデッキがほしいとバイトをする。専門学校とバイトだけで日々がどんどん過ぎて行く。
最初は「俳優になるのが夢だ」と語るだけで、まわりはチヤホヤしてくれるが、やがて展開を求められる。「舞台に出る」とか「映画に出演する」とか、端役でもエキストラでも、展開がないとまわりは冷めて行く。
作家を目指すなら、いきなり小説が出版されなくても、文芸賞に応募したとか、予選に受かったとか、映画監督を目指すなら自主映画を撮るとか、プロの現場の手伝いをするとか、何か夢への1歩前進を皆に期待される。でないと「結局、あいつは口だけだったんだな」とバカにされる。
なので「今、小説を書こうと準備しているんだ」とか「芸能プロダクションに応募する」とか、努力しているようなことをいう。が、相変わらず大学や専門学校、バイトの日々。彼等はどう思っているのか?
最初は真剣に夢を追いかけていたが、具体的にどうしたらいいか?分からない。昔の漫画のように、ある日、街角でぶつかった人が有名なプロデュサーで「君、映画に出てみないか?」と言われることなんてない。有名女優の相手役の一般オーディションに応募してもまず通らない。そうすればいいのか?
(つづく)
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