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「私の実力を認めて!」と主張する前に、皆のために何ができるか?を考えることが大事④終  [映画業界物語]

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「私の実力を認めて!」と主張する前に、皆のために何ができるか?を考えることが大事④終 

(2015年記事より)

映画に初めて出演、

小さな役だが勉強になる。なのにノーギャラと言われると不満を訴える劇団員A子。声をかけられたことにまず感謝を示すべきなのに「えー?」という顔をしてしまう。そして試写会での感想。プロの俳優の演技を批判。それをスタッフに言ってしまう。

どれをどうとっても「やる気」が見えない。貧しい劇団で頑張っているので応援したくなるが、「私は出来る!」という自負があるのかもしれない。しかし、彼女はまだプロではなく、その実力を世間も業界も認めてはいない。それなら、まわりにいる応援してくれる人たちに理解してもらう努力をすべきなのだが、いつも空回り。

実はそんな俳優の卵は多い。

勘違い。うぬぼれ。気がまわらない。高いプライド。自分の立場が分かっていない。応援してくれる人に不義理。芸能界はコネと金だなんて言われるが、それだけではない。一生懸命がんばる人は応援されるし、成功している人は皆、もの凄い気遣いをする。仲間のために神経をすり減らす。

僕の映画に出てもらった有名俳優、大物俳優、ベテラン俳優は例外なしに見ていて気の毒なほど気を遣う。そんなことより芝居に専念してくださいなよ。と言いたくなることある。差し入れを持ってくるとかは当然で、スタッフに対し、他のキャストに対し、先輩に対して、さらに後輩俳優にも、エキストラの方々にも、ロケ先の地元の方にも気を使う。

「俺はプロなんだよ!」

とか「テレビにいつも出てるだろ?」という上から目線の人はいない。相手が緊張していないか? やりづらくないか? と考える。後輩が芝居で困るとアドバイスする。この世界で仕事をする前、僕が思っていた大物俳優というのは傍若無人で、偉そうで、無理難題を言い出す人というイメージだった。が、漫画に出てくるようなそんなタイプはまずいない。

それは「いい作品を作りたい」「そのためには自分だけ頑張ってもダメ」「周りの人も力を出せる環境が大切」そう考えているから気を使う。皆がやりやすい環境を作ろうとする。なのに初心者は「実力があれば認められる」と勘違いし、高いプライドを振り回す。自分のことだけで精一杯。何よりもこう思いがち。

「私を評価してくれ! 認めてくれ! あいつより私の方ができる」

そんな行動を取るよりも大切なのは「いかに人のために役に立つか?」なのだ。俳優にとても必要なことだ。それを理解する役者が声がかかり、依頼が来て、必要とされる。演技力や容姿だけではないのだ...。


(了)



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