「私の実力を認めて!」と主張する前に、皆のために何ができるか?を考えることが大事③ [映画業界物語]
「私の実力を認めて!」と主張する前に、皆のために何ができるか?を考えることが大事③
(2015年記事より)
映画公開のとき。出演した劇団員のA子、
チケットを売るのは得意だろうと前売り券を預けようとした。こう言われた。
「友達は皆、忙しいので、映画見れるかどうか?分からないし、お金がないので買ってもらえません」
と断られた。なぜ、自分が出ている映画を同じ劇団員や友達に見てもらおうと思わないのだろう?さらに、試写会に呼んでもスタッフにこんなことをいっていた。
「****さんの芝居がよくなかったなあ。もう少し力抜いてやればいいのに〜」
ちょっと待て、その俳優はプロだぞ。
素人のお前が何をいうの? いや、100歩譲って、その通りだとしても、それをスタッフにいってどうすんの? もしかしたら、何かの機会にそのスタッフが別の映画で声をかけてくれるかもしれないのに、一緒に演じた俳優を批判していては「この子何なんだ?」と思われて終わり。
あとで呼びつけて説教したら、
反省していたけど、一連の行動は全て同じ背景だ。自分の行動や発言がどう思われるか?を考えていない。一般の素人がいうなら許される。
しかし、プロの俳優をめざし、劇団で舞台に立ち。映画の撮影にも出演。台詞ある役を演じている。それはもうプロのスタートラインに立ったのと同じ。にも関わらず、素人気分。チケットをたくさん売れば、製作会社にも喜ばれる。
「へーあの子、チケット100枚も売ったのか? また、何かあれば声かけて上げようよ」
と思うプロデュサーもいるだろう。儲けのことではない。そのくらいに作品に対する思いがあり、多くの人に見てほしいという思いを感じるからだ。が、彼女は訳の分からない理由でチケットを売ろうともしなかった。
(つづく)
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