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「私の実力を認めて!」と主張する前に、皆のために何ができるか?を考えることが大事① [映画業界物語]

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「私の実力を認めて!」と主張する前に、皆のために何ができるか?を考えることが大事①

(2015年記事より)

劇団員というのは大変だ。

食って行ける劇団はいくつかしかなく、ほとんどメンバーがバイトで生活を支えいる。公演時は1ヶ月前からバイトを休み、ノーギャラの上に、チケットを100枚ほど売るのがノルマ。

そんな劇団の一つに20代のA子がいる。月18万ほどのバイト料から毎月1万ずつ貯金して、20万溜まったら、芝居に出られるという。その劇団は小さく、観客のチケット代だけでは赤字。劇場を借り、ポスターやチラシを作り、衣装や小道具を借りると、持ち出しになる。

だから、劇団員が1人20万ずつ出し合って公演をする。その金がないと、出演することができない。だが、月18万円で毎月1万の貯金は大変。月1−2回の飲み会に出るともうアウト。節約して生活しても2年かかる。

A子の夢はプロの俳優になること。

いつか映画やテレビドラマに出られるようになりたい。そう思ってがんばっている。彼女が以前、僕が講師をするワークショップに来ていたこともあり、その劇団の芝居を見た。抜群にうまくはないが、がんばっている。

もう10年以上も前の話だが、その年に撮影する僕の映画に出演しないか?と訊いてみた。エキストラに毛のはえた役だが、台詞がある。勉強になる。舞台とは違う映画の芝居を経験できる。ただ、製作費も厳しいのでノーギャラ。それれでも、撮影現場を経験できるし、プロの俳優たちと並んで芝居ができる。勉強になるはずだ。が、彼女は不満そうにこう訊いた。

「ノーギャラってどういう意味ですか?」

(つづく)



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