他人の批判で「私はダメだ」と思ってはいけない。自分のいいところを探せ!⑤終 先輩業界人の言葉を疑え? [映画業界物語]
他人の批判で「私はダメだ」と思ってはいけない。自分のいいところを探せ!⑤終
先輩業界人の言葉を疑え?
(2015年の記事から)
シナリオを読んで否定されても、先のあげた3つの批判をする人であれば「ああ、この人に読む力はない。今後はシナリオを見せても意味ないな」と判断できた。そう、シナリオでも、原稿でも何でも、読んでもらうのは力量を判断されるので、緊張するし、批判されればショックを受ける。が、読む方も試されているのだ。読む力、想像力がない人は正当な批評はできず。自らの力のなさを露呈してしまう。
映画界には読む力がある人が少ない。
そう思えたので、映画以外の世界で働く人にもシナリオを読んでもらった。念のために補足するが「俺の素晴らしいシナリオを理解できる奴がいない!」というのではない。当時、僕が書いていた作品は未熟なもの。しかし、正当な批評をしてもらわないと、何が足りなくて、何が悪いか? どこがいいのか?を分からない。客観的に観て指摘してもらってこそ、実力は伸びる。
その後、出版、音楽、マスコミ、そして映画ファンの友人などにシナリオを読んでもらうようにした。帰国から5年後に脚本家デビュー。その後、監督した映画4本(注、2019年段階では5本)全てのシナリオは僕のオリジナルである。
「太田監督の映画は毎回泣ける!」
と多くの方が褒めてくれるが、デビュー前は否定の連続だった。今思うと、業界のプロデュサーたちに全否定されたのだから
「僕にシナリオは無理だ....」
と諦めていてもおかしくない。ただ、彼らの言葉の全てを受け入れなかったこと。そして彼らには想像力がない、新しいものを理解できない。上から目線でものをいい。自分の趣味と客観的判断をごちゃまぜにしている人たちだと気づきいた。そんな人たちの言葉を信じる必要はないと思えたことが幸いした。同じことは他の業界でも言えるだろう。
「才能ないんじゃない?」「よくあるパターンだよ」「リアリティがないんだよね」
そんな言葉で新人たちを否定する人は多い。いや、業界に限らず。想像力がない人、現実を知らない人ほど、安易に人を批判し、他人を否定しているところがある。人の言葉に振り回されてはいけない。自分のいい部分を探し、延ばすことで道は開ける。(了)
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