俳優=心から血を流しながら戦う仕事④終 芸能の仕事をすることが本当に幸せなのか? [映画業界物語]
俳優=心から血を流しながら戦う仕事④終
芸能の仕事をすることが本当に幸せなのか?
次第に心を病み。精神病にかかってしまう俳優やタレントもいる。過食症で太る。拒食症で激やせする。自殺。あるいは精神が壊れてしまう。おかしなことを言いだしたり、支離滅裂になったり。もともと繊細な人たち。
アカデミー賞受賞の俳優ロビン・ウイリアムス(「今を生きる」「ミセスダウト」)も自殺している。誰もが認める名優。仕事依頼も多いはず。ギャラだって億単位。何の不満があるのか?と庶民には思えるが、あの素晴らしい演技ができる感性。僕らに想像できない苦しみがあったに違いない。
一般社会以上に厳しい競争のある芸能界だ。壊れてしまう人が大勢いる。特に若い女性にはそんな人が多いようだ。誰もが憧れの世界。有名になり、お金も入り、チヤホヤされて、いいな〜と思うのは、外から見ている人たちだけ。
その内情は繊細なアーティストが血を流しながら足掻き続ける孤独な世界なのだ。しかし、今でも多くの若い人たちが「俳優や歌手になりたい!」と願う。知人のマネージャーはいう。
「有名になりたいんです!!!」
という若い女性が毎日のように事務所を訪ねてくるという。そんな子たちは数ヶ月で諦めていくのだが、それはラッキーだと思える。鋭過ぎる感受性を持ち、デビューできても、熾烈な戦いの中で、神経が切り刻まれるような思いをして仕事を続けることになる。
逆に鋭い感受性のないものは無力さを知り、誰にも評価されず、事務所に鳴り物入りで売り出してもらったとしても、消えていくしかない。でも、幸せなのはどちらだろうか? そんなことを考えてしまう。若い人たちが憧れる芸能界とはそういう世界なのである。(了)
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