SSブログ

俳優業—そして表現の仕事を目指す人たちへ④ それは本当の自分を見つける旅 [映画業界物語]

39248923_2111258728948420_7915960932272963584_n.jpg


俳優業—そして表現の仕事を目指す人たちへ④ それは本当の自分を見つける旅

「太田監督の映画は皆、泣ける!」

そう言われる。ありがたい。でも、毎回、映画館に行き、観客の反応を見る。劇場の壁にもたれてスクリーンを見ず、観客の反応を見る。狙ったシーンで笑うか? 泣いてくれるか? それを確かめる。うまく行けばオーケー。無反応なら反省。

いろんな劇場で、いろんな年齢の客で確認する。「映画で泣けた」というと安易に「あの監督は才能あるからなあ」という人もいる。それは違う。先に説明した「才能」なんて存在しない。

感動—を生み出すには脚本だけではダメ。

それを演じられる俳優が大事。次にロケ地。その会話をするにふさわしい場所はどこか? 森で話すと泣ける会話もあれば、都会で話すと心に染みる会話もある。

次に朝、昼、夕方、夜のいつがいいか? そしてお天気は晴れ、雨、曇り。風? 季節は? 春夏秋冬? そして撮影法は望遠? 広角? そして照明は? 明るめ? 暗め? 光の色合いは? その全てを考え抜いて感動シーンを演出する。単に実力派俳優を呼べばいいというものではない。

ただ、考え抜いて撮影しても、うまく行かないことがある。そのときは考える。何が悪かったのか? シナリオ? 俳優? ロケ地? カメラ? 照明? 考えて考えて考えて、次の機会にもう一度、挑戦する。それでうまく行けば、反省が正解だったわけだ。その次はその方法論をベースにさらなるプラスを考える。それが演出だ。試行錯誤の連続と、反省、そして実践。

これは他の業種でも同じ。

俳優でも舞台で演じた。イマイチな評判。何が悪いのか? 反省。試行錯誤。そして次の機会に実践。その繰り返しで演技力が育っていく。それをせずにいたら、実力は伸びない。大きなチャンスを待っているだけでは表現力は育たない。

(つづく)


61328389_2713611712046449_5637045108852391936_n.jpg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。