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俳優業に必要な「感受性」とは何か?③ 形や技術だけで演技をする若者たち? [映画業界物語]

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俳優業に必要な「感受性」とは何か?③ 形や技術だけで演技をする若者たち?

つまり、鋭い感受性があるから、悲しみも、喜びも、怒りも人一倍強く感じる。だからこそ表現の仕事=演技ができる。他人の悲しみを自分のものとして感じるから、他人が演じられる。

前々回も書いたが、役者がある役を演じる。悲しみに打ちのめされ涙する。でも、観ていても全く悲しみが伝わらないことよくある。その役者は形だけ悲しい振りをしているだけだからだ。

同じような芝居でも、観ているだけで涙を誘う芝居がある。簡単に言えば演技がうまいということだが、本当の理由は、その俳優が本当に悲しんでいるからだ。

感受性が強く、台本に書かれている役にしか過ぎないキャラクターの悲しいを自分のこととして悲しむことができる。だから、観客の心に届く。

例えば葬式で、家族を亡くした人が涙しているのを見ると、もらい泣きしてしまう。その人は演技がうまいのではない。本当に悲しんでいるのだ。

だから、まわりの人にも気持ちが伝わり、もらい泣きする。舞台でも、映画でも同じ。それは演技力というより、鋭い感受性が成せる業なのだ。

子供頃は多くが持っている鋭い感受性。大人になるにつれ失われる。だから、ワークショップに来てくれた若い人たち。プロの俳優を目指している人たち。努力している。でも、すでに感受性が固まってしまっていることが多い。

それに気付かず、形や技術だけで演技をしようとする。日本の教育で考える力を育てず、与えられたことだけをして、10年前後の期間を過ごして来た結果である。その間に感受性が鈍くなり、固まってしまったのだ...。(つづく)

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