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映画界&芸能界で仕事ができる人。できない人② 鋭い感受性とはどんなものか? [映画業界物語]

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映画界&芸能界で仕事ができる人。できない人② 鋭い感受性とはどんなものか?

俳優は感受性が大事と前回書いた。その理由を説明する。演技というのは成り切ること。役を演じるのではなく、役に成ってしまう。だから、その人が葬儀のシーンで泣けば、それは演技ではなく本物。だから、観客の涙を誘う。人の悲しみは演技では届かない。本当の悲しみでないと心に刺さらない。素晴らしい役者というのは、演技を超えて本人になる。

だから、観客は感動し、涙を流す。本人になるには、鋭い感性がないとなれない。演技力はその次だ。では、本人になるというのはどういうことか? 例えば、友達の話を聞く、辛い話だ。そのときに一緒に泣ける人は感性が鋭い。女性に多く、男性はそれを「涙もろい」とか批判しがちだが、とても大切な資質。子供の頃によく泣いたというのも大事。

つまり「泣く」という行為は、他人の悲しみを自分のことのように感じる力があるということ。子供の頃に、ちょっとしたことで泣く子は「悲しみ」を何倍にも感じているのだ。他人から見れば「ちょっとしたこと」なのに、それを増幅してしまう感性がある。また、友達の災難を一緒に怒れる。おもしろいことがあれば大笑いする。そんな人はよく「天真爛漫」とか「いつまでも子供」と言われる。が、表現の仕事をする素質があるということ。

ただ、その種の人は人生が大変。些細なことで泣いてしまう。塞ぎ込む。人前でも大笑いして顰蹙。日本人は特にそうだが、大人になると感情を押さえ、個性を殺し、生きていかねばならない。ある意味で無神経な方が生きて行きやすい。感性の鋭い人には生き辛い世界。豊かな感性を押さえて毎日を生きなければならない。これは一般の人が思う以上に苦しい人生だ。その種の人たちは阻害され、批判され、社会からはみ出すことが多い。

だが、そんな人たちが芸能界、映画界に行けばそれが武器になる。演じる。歌う。物語と作る。それには鋭い感性が必要。日本人社会で感情を押さえ、個性を殺して生きなければならないのに対して、より感情を豊かにし、より個性を発揮し、それを芝居や歌や楽器、物語で「悲しみ」や「喜び」を表現する仕事なのだ。


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