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業界で生き残るタイプ。やがて消えるタイプ②ドラマを見て「俺の方が芝居ができる!」と勘違いする人? [映画業界物語]

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業界で生き残るタイプ。やがて消えるタイプ②(改訂版)ドラマを見て「俺の方が芝居ができる!」と勘違いする人?

勘違いする若者が多い。テレビドラマを見ていて「この俳優。本当にダイコンだね。俺が演じた方がまだマシだ」とか、「この程度の演技で女優ができるのなら、私はすぐブレイクできる!」と思い込み、俳優を目指してしまう奴が時々いる。困ったものだ。

ところで僕はロケ地で市民俳優オーディションというのを必ずする。地元の方々からもエキストラだけでなく、セリフのある役を選ぶためだ。全員にカメラの前でセリフを読んでもらう。多くの人が同じことをいう。

「あんなに難しいとは思わなかった。カメラの前に立つだけで緊張する。とてもセリフなんていえない」

そして、その夜からテレビを見ると、どんな下手な俳優が出ていても「この俳優さん。がんばってるわね…」と思えるという。プロ野球を見ていて「なぜ、その球が打てないんだよ!」と怒鳴るおじさんと同じ。実際にやってみると、できないことが分かるのだが、見ているだけだと、自分の方が出来ると勘違いしてしまう。

人のことはいえない。僕も高校時代まで日本映画をバカにしていた。が、卒業後、18歳のときに、ある映画の撮影に同行。朝から晩まで見学させてもらった。バカにしていた日本映画がこんなに苦労して、撮影しているとは思わなかった。その後、8ミリフィルムで学生映画を作ったときも、駄作であっても1本の映画を作り上げることは本当に大変なことだと思い知った。これはシナリオでも小説でも同じ。

作家志望の若者がベストセラー小説を読んで「たいしたことないよなあ。俺がもっと面白い小説を書いてやるよ」とか言っている友人がいたが、書いてないから言えるセリフであること。数年後に知ったという。歌手でも、ミュージシャンでも、脚本家でも、同じ。演じたことない。書いたことない。演奏したことない人たちが勘違いする。自分はできると思い込む。だが、実際にやってみれば、自分がどれだけダメか?痛感する。

勝負はそこからなのだ。そこで「俺は才能ないから辞めた」となりがちだが、いつも言う通りに「才能」なんて存在しない。何の努力もなしに表現はできない。そこからがスタート。ただ、稀に、優れた素質があり、いきなり演技できる人がいる。いきなり歌える。良い文章が書ける。だが、それは才能ではない。素質がある。向いているということ。センスがある。あるいは趣味でやっていた。でも、そんな人もそこからスタート。いくら素質があっても、いきなりプロの世界では勝負できない。


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