業界で生き残るタイプ。やがて消えるタイプ①営業努力をする女優さん? [映画業界物語]
業界で生き残るタイプ。やがて消えるタイプ①営業努力をする女優さん?(改訂版)
無名女優のA子。事務所が小さいので自ら営業。監督やプロデュサーの飲み会があると聞けば参加。売り込みをかける。おとなしく待っていても仕事は来ないし、その積極性は評価したいが、これでは何ら展開はない。多くの監督やプロデュサーは飲み会で役者を選んだりしない。もし、そこで「君いいねえ〜。次回作に出てよ」と言われても真に受けてはいけない。仲良くなり、彼女にしたいとか、下心があるだけ。そもそも、演技も見ずにルックスだけでキャスティングはできない。
僕の話をするなら、まず飲み会に俳優は呼ばない。以前にも書いたが、プライベートで仲良くなると、いろいろ問題が起こるからだ。その俳優に仕事がなく「監督〜何か仕事くださいよ〜」と言われるのも、その俳優がブレイクしてから「今度、俺の映画に出てよ〜」というもの嫌だ。
本当に役に相応しい実力ある俳優を選ぶべきで、飲んで仲良くなり、馴れ合いで仕事していては、現場でも甘えが出る。俳優が「体調が悪い。100%の力が出せない。でも、監督とは仲良しだし、許してくれるだろう」と考えるかもしれない。それは作品クオリティを下げることに繋がる。
まして飲み会で酔っぱらっているときに「監督。私、映画に出たい〜」とか言ってくる奴はダメ。そんなところで営業する女優もダメ。それで「何か考えるよ〜」という男もいるが、下心見え見え。業界にはそんなタイプが多い。「芸能人に会わせてあげる」「ドラマとか出てみない?」と誘う奴にロクな者はいない。話を戻す。監督やプロデュサーは結局、大手プロダクションからキャスティングする。その方が安全だし、レベルが高いからだ。
A子は悪い子ではない。女の色香で仕事を取ろうとは思っていないだろう。しかし、やるべきはそんな営業ではなく、実力を、演技力をつけることなのだ。彼女の問題は何よりも演技力が弱いこと。小さな仕事はしている。そこで実力を発揮すれば、関係者で必ず認める人が出てくる。続けていれば必ず認められる。でも、演技力がないから依頼が来ない。やるべきは営業ではなく、実力をつけることなのだ....。
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