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「死なないでくれ!」と思うドラマ&思わないドラマ。何が違うのか? =「24」シーズン3分析! [ドラマ感想]

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「死なないでくれ!」と思うドラマ&思わないドラマ。何が違うのか?
=「24」シーズン3分析!

「24」シーズン3を見ている。今回は細菌兵器を題材としている。最大の見せ場は細菌を巻かれたホテルを封鎖する場面。中には数百人の宿泊客。彼らを外に出したら感染が広がる。CTUメンバーのミッシェルは細菌爆弾が爆発する前に止めようと、防護服を待たずしてホテルに突入。隊員の1人が発見。止めようとした瞬間に細菌が放出され、彼は感染してしまう。

次々に発症する宿泊客。まず、鼻血が止まらなくなり、肌に発疹が現れ、咳が止まらなくなり、苦しみ、死んで行く。助かる方法はない。ミッシェルは防護服は来ていない。90%が感染し必ず死に至る。その中で宿泊客の暴動。逃げようとする客。本部で彼女を気遣う同じCTUで働く夫のトニー。彼は上司でもある。3ヶ月前に結婚したばかり。なのに、その日は朝からぶつかってばかり。口をきかないままトニーと別れホテルに向かった。

この辺はもう涙なしには見れない。そんなミッシェルにホテルの支配人が懇願する。彼も感染し鼻血が止まらない。

「妻に電話させてください。事件のことはしゃべりません。最後に一度だけ妻の声が聞きたいんです....」

でも、許可できない。そこから事件がバレれば街中がパニックなる。だが、その支配人の協力があったからこそ早期にホテル封鎖ができたのだ。ミッシェルは迷うが首を振る。そして、一番に感染した隊員が多量の鼻血を流し死ぬ。続いて宿泊客が鼻血を流す。中には老父婦、若いカップル、子供連れの家族もいる。苦悩するミッシェル。夫のトニーにも為す術がない。

もう、刑事ドラマやアクション映画のジャンルじゃない。パニック映画だ。「カサンドラクロス」を思い出す。しかし、テレビドラマでよくこれだけの物語を考える。

「酷い。もうやめてくれ!」

と叫びそうになる。だが、そう思わせるのはドラマがよく出来ているからだ。人というのは勝手なもので「飛行機事故で200人死亡」というニュースを聞いても

「へーーいっぱい死んだんだな〜」

他人事であることが多い。芸能人が死んでも

「あいつ死んだんだ〜」

と笑ったりする。しかし、家族や友人が死ぬと打ちのめされ、悲しみにくれる。つまり、想像力のない生き物。自分が知らない人でも、家族がいて、友人がいる。でも、想像しない。

ドラマを見るときも同じ。なかなか、登場人物に共感しない。それをさせるのがシナリオと、演出と、俳優の力だ。それが下手だと、いくら悲しい話でも、泣けない。先日見たある怪獣映画でも、重要人物が2人も自己犠牲を払うシーンがあるのだが、泣けない。キャラに感情移入できないのだ。対して「24」は

「この人だけは死んでほしくない....」

「このキャラだけは助けてほしい!」

と願ってしまう。それはとても良く出来たドラマということなのだ。主人公のジャック・バウワーの印象が強いが、トニーも、ミッシェルも、クロエも、キムも、そしてパーマー大統領も、まるで親しい友人であるかのように感じる。応援したくなる。あの嫌な上司のシャペルでさえも、***のシーンは辛かった。それは俳優の力が大きい。そしてシナリオだ。自分の身近にいる誰かがダブり、皆、欠点はあるが愛すべき存在。

そう思える秘密。そうでない作品との大きな違い。研究したい。それがドラマの出来不出来を決める。それにしても、「24」は以前に全部見ているから知っているのだが、今シーズン活躍したミッシェルが、後々、あんな目に遭い、トニーが道を踏み外していくこと考えると、今回のエピソードはより辛い。本当によく出来ている。


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