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メイキング編集中⑦ 学生君はプロを目指すといいながら、なぜ酷すぎる映像を撮影したのか? [映画業界物語]

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学生君が撮ったメイキング映像を全て確認した。はっきり.....言って酷すぎる。が、そういうと「素人を使うからだよ!」という人もいるだろう。そんな話ではない。彼の映像を見ていると彼が撮影現場で何を考え、どんな思いで、仕事をしていたか?がよく分かる。そこから今時の若者の姿がはっきりしてきた。

学生君は20〜22歳位。大学の映像科で勉強している。将来は映画のカメラマンになりたい。その後は監督もやりたいとのこと。かなり高級な一眼レフを持っており、動画も撮れるので今回の撮影ではそれを使用。途中で必要と分かった一脚をAmazonで購入するなど、プロを目指していることを感じた。

が、初期の撮影ではカメラはブレブレ。ピントはボケボケの映像が多発。全く使えないものばかり。それならオートフォーカスのカメラを使えよ!といいたいが、一眼レフなので手動でピント。間抜けだが、こだわりを見せていた。撮影位置がまちがっていることが多く。いや、初期から中期まではほとんど不正解。何でそんなところから撮影するの?ということを連発。

シナリオを読み、現場を見て、本編のカメラが置かれればどこで何が進行するか?は想像ができる。その場合、本編カメラに映らず、他のスタッフの邪魔にはならず、そのシーンを撮影できる場所を見つけ、そこから撮影する。それがメイキングの基本。だが、彼が選ぶ場所は間違いだらけ。「そんなところから撮ったら俳優が映らないだろ?」「そこからじゃ全体が見れないだろ?」という場所ばかり選ぶ。

学生君が撮った映像を見ていて笑ったのは、監督がメイキングカメラに向かって「そんな遠くから撮るんじゃない。もっとこっちに来て!」と叫んでいる場面が何回かあること。学生君は渋々、近づいてくるのだが、その辺から分かることがあった。彼はまた、撮影部等からも「そこは邪魔なんだよ」「音出さないで」と何度か注意を受けている。

2日目の撮影では大きなリュックを背負ったまま、現場である居酒屋の中をウロウロ。美術部さんに叱られていた。前日も彼が振り返るたびに、そのリュックが部屋の壁や障子にあたり傷とつけていたというのだ。そもそも、なぜ、狭い撮影現場にリュックを背負ってくる必要があるのか?メイキングは機動力だ。身軽でいることが基本なのに?

もしかして叱られたら、そのままリュックを背負って帰京するための準備?とも考えたが、彼は怒られつつも最後まで撮影をし、3日目からはリュックを持たずに現場にきている。それらから分かること。機材のことから考えると、彼は真剣にプロを目指している。大学の映像科でも学んでいる。ただ、現場は初めてで冷静さをなくし、どこから撮ればいいか?分からず、現場をウロウロ。音を立て、リュックを背負い、撮影部の邪魔になる。何度も注意される。

そんな彼が後半戦で多少、落ち着いた撮影を見せるようになった。が、広角で撮影現場全体を撮り、俳優にズームすることもなく延々と撮るようになる。なんとか観れる絵にはなったが、これでは防犯カメラの映像だ。俳優が本番前にどんな緊張を見せるか? カット!の声でどんな安心した顔をするか? そんなとこがメイキングの面白さ。なのに、引き絵で延々と撮るだけ。俳優の表情は分からない。

バカ過ぎる!!と思えてきたが、先の件から学生君の心理が分かってきた。彼の行動、行為、様々な出来事から、彼の思いが明されて行く....。(つづく)


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