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映画作りと料理はとても似ているという話①専門店がなぜウケるか? [地方映画の力!]

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昨日掲載した「映画はみんなの意見を取り入れると駄作に成る?」ー好評だったのでもう少し書いてみる。映画表現の話だったので、大きな反響は期待していなかったのに、ここ最近で一番の「いいね」を頂いた。むしろ批判が多いかも?とさえ思って書いた記事なので意外だ。

というのも世間では「みんなで仲良く、いろんな人の意見を取り入れて進める」という考えこそが正しいという思いがある。政治ではそれが民主主義。会社でもワンマン社長より重役会を開き、みんなで意見を出して方針を決めるとか、学級会でも、みんなで話し合う。意見を出し合うというのが大事という考え方をする。

ワンマン社長は暴君と呼ばれたり、どこかの有名百貨店の社長のように放漫経営をして会社を潰したり、政治なら独裁政治と呼ばれたり、みんなが意見を出すことが大事というのが日本人の発想。以前に同じような記事を書いたときも、コメントで「松下電気は広く一般にアイディアを求め、大きな会社になったんですよ」と書き込んだ人がいた。

表現の世界はやはり理解し辛いのだと思ったが、今回は非常に好評。その理由を考えてみた。料理の話が分かりやすいというコメントを頂いたが、そこがキーだったのだろう。映画作りも料理作りも実はとても似ている。例えばレストランを作るとき、オーナーたちが集まり、何の料理にしようか?と話あっても、それぞれに趣味志向がありむずかしい。

「中華だ」「洋食だ」「和食だ」「トンカツ屋だ」「イタリアンだ」となかなか結論が出にくい。それをシェフが「じゃあ、それぞれの代表料理を出す店で...」とか説得してまわり、レストランを出す。結局それは1970年代にデパートの最上階にあった食堂と同じ。お子様ランチがあった店と同じで和食、洋食、中華。何でもあるレストラン。いろいろあるけど、それぞれはさほど美味しくない。そんな店は今、流行らない。それを映画界では今もやっているのだ。みんなの意見を取り入れるというのは、乱暴な言い方をすればそういうことになる。

今、人気のレストランというのは専門店。「洋食」「和食」というカテゴリーですらなく、例えばオムレツの専門店。そのシェフがオムレツ愛があり、徹底して研究し、卵やソースにこだわり調理する至福のオムレツ。そんな店が人気となる。料理をしたこともないオーナーたちが、あれこれいう意見をシェフがまとめて店の方針を決めるのではなく、シェフが愛してやまない料理を作る。そんな店を多くの人が支持する。

映画も同じ。企業があれこれ出してくる要望を監督がまとめて、どの企業からも文句が出ないようにして映画を作ると、デパートの食堂と同じような作品になる。観客は支持しない。先のオムレツのように監督自身が愛してやまない題材で作った作品に観客は心打たれるのである。つまり、今の時代はレストランも映画作りも出資者である企業やオーナーは自分たちの願望を押し付けるのではなく、監督やシェフの「思い」「愛」を応援してこそ、素敵な料理や映画ができる。映画と料理。とても似ているでしょう? 


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