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映画はみんなの意見を取り入れると駄作に成る? [地方映画の力!]

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先の記事を書いていたら、昔のことを思い出し、また怒りが込み上げて来た。編集に関しては本当に腹立たしい思い出がいっぱいある。二度と仕事をしないと決めた人たちが何人もいる。そんな経験を踏まえて、僕が監督する映画はシナリオ、キャスティング、演出、編集に関しては一切口出し無用という形を取らせてもらっている。意見は聞くが最終決定は僕がさせてもらう。

でも、考えたら作品を作るということは、作家の思いが前面に出てこそ、観客は感動する訳で、いろんな人がいろんなことを言ったのを監督がまとめて作品にして感想作が出来る訳がない。そんな例を紹介する。

よく「***製作委員会」というクレジットが入った映画があるが、いろんな会社が出資をして作られた映画。映像関係でない会社も多い。そんな各社があれこれ意見をいう。「主演は**がいい!」「音楽は今流行の***だね」「ロケ地はうちの会社のある**県」「共演にはうちのCMに出ている**」とか。それらを監督がとりまとめて、どこからも文句が出ない作品を作るのが制作委員会方式なのだ。だから、おもしろい映画は出来ない。

その種の映画をよく監督する友人がいるが、本当に我慢強い。みんなにいい顔せねばならない。自分がやりたいことを押さえて、ひたすら耐えて粘り強く仕事をする。ある意味で立派。でも、彼を知る友人がいうのは「自主映画時代の彼の作品は良かったんだけどなああ〜」という台詞。彼が監督したメジャー映画で評価されるものは1本もない。作家の思いが出ていない映画は観客の心を打つことはできない。

代わりに彼は高額のギャラをもらう。僕は製作費が赤字になり監督料を埋め合わせに使うことがあり、ノーギャラということによくなるが、一切、指示は受けず、好きにやらせてもらう。そして必ずそれなりのものを上げる。映画だけに関わらず、作品というのはそうしないと良質のものはできない。

分かりやすくいうと、料理をするとき。料理をしたこともない人たちが「私は人参が嫌いだ」「俺は豚肉が好きだ」「パクチーがマイブームだ」「中華であることがマストだ」「麺類はやめてくれ」「イタリアンがいいね」とかいう人たちの意見をまとめて料理を作って、おいしいものが出来る訳がない。映画は料理と似ている。作り手に強い愛があってこそ、感動が生まれるのだ。



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