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明日にかける橋ー編集日記  本編素材データが届く! [「明日」編集]

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この箱。中にハードディスクが入っている。3T。ここに「明日にかける橋」の映像素材が全て収録されている。あの猛暑の夏。スタッフ&キャスト。そして実行委員会メンバーが力を合わせて撮影した映像が詰まっている。

その映像を現像(フィルムと同じでハイビジョンも現在はネガともいうべきものがあり、その色彩を直すーまさに現像という処理が必要)したものが入っている。これを編集室に持ち込み、2ヶ月に渡る作業がスタートする。ここからが本当に壮絶な戦いとなる。

撮影は体力と気力の戦い。編集は精神的な戦い。いや、説明し辛いが人生を見つめ直す作業ですらある。「え? 映像を繋ぐだけでしょう?」と思われるが、それだけではない。例えば彫刻。石を削るだけではない。その削り方で作品が変わる。同じように映画も繋ぎ方で全く別の作品となる。

時間がかかるからと数人がかりで編集することはできない。1人のセンスを前面に出して、世界を作り出さねばならない。編集担当スタッフがいることもあるが、多くの監督たちは自身で編集する。黒澤明、大林宣彦、岩井俊二。監督が撮影現場で演出し、撮り上げた映像を自身で編集するからいいものができる。

作曲家がいて、作詞家がいて、歌手がいて、レコードが出来たのが昔の歌謡曲。今はバンド。自分で作詞作曲。自身で演奏して歌う。だから、アーティストの思いがダイレクトに観客に届き、感動が生まれる。いろんな人があれこれ言って作るものでは通用しない時代なのだ。映画も同じ。監督がシナリオを書き、撮影現場で演出。編集してこそ、いいものが出来る。その意味で映画がダメな場合は全て監督の責任だ。

映像を繋ぐだけでは観客の心を動かすことはできない。人生を賭けて全身全霊で編集するからこそ、観る者を感動させることができる。編集室に閉じこもっての、戦いがスタートする。


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