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映画のキャスティングは本当に難しい! [映画業界物語]

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 キャスティング。毎回感じることだがむずかしい。基本的にはその役に合った俳優を選ぶ作業なのだが、いろんな要因が絡んで来る。役にピッタリでも、先方がシナリオを気に入ってくれないと出てもらえない。シナリオを気に入っても、スケジュールが合わないとダメ。シナリオも、スケジュールもOKでも、ギャラがバカ高いとこちらが諦めるしかない。

 以前にも書いたが事務所がうるさいところは、役にドンピシャでもオファーはしない。あれこれ文句が多く、高級ホテルのスイートルームに泊めろ、メイクは専属の人を、なんてことを要求されると結果、ギャラ以外にかなり出費が必要。おまけにポスターやパンフレットにまで口出し。「この写真を使うな」は肖像権があるから構わないが、「これを使え」「この大きさにしろ」というのは演出。それをとやかく言うところと仕事はできない。

 事務所だけではない。俳優本人に問題があることもある。人気は抜群。でも、あれこれ文句が多い。いや、文句どころか、とんでもない要求をしてくる。俳優が演出に口を出す。台詞を勝手に変更する。自身の台詞だけならまだしも、相手役の台詞まで変えてしまう。スタッフに無理難題をふっかける。でも、人気があるから、仕事がある。だから、余計に我がままになる。そんなトラブルは事務所がもみ消す。マスコミは報じない。それを知らずにキャスティングしてしまうと大変なことになる。製作費はオーバー。スタッフはやる気をなくし、いい作品はできない。

 こんなこともある。事務所側はシナリオを気に入った。所属俳優を出したい。でも、撮影時期に別の仕事が入っている。調整したがダメ。という理由でアウトということもある。先に決めた方を優先するのがルールだ。こんなこともある。Aさんは夏OK。ということで撮影を夏に考える。が、もう一人の重要な俳優Bさんは秋のみOK。夏撮影だと出てもらえない。Aさんか?Bさんのどちらにするか?決めねばならない。さらにこんなことも。Aさんは秋撮影OK。それが撮影スタートが遅れ冬になった。そのためにAさん降板となる。

 まとめると、役に合うこと。先方がシナリオを気に入ること。スケジュールが合うこと。ギャラの額が合うこと。事務所に問題がないこと。本人も問題のないこと。その辺が全てクリアーということはまずない。第1候補で決まることはまずない。「少し違うけど、いろいろ難しいからこの人で行こう」ということが多い。キャスティングはとてもむずかしい。

 僕の場合。本当に恵まれていて、第1希望の俳優がすぐに決まったり、通常は高額のギャラを取る俳優なのに、かなり無理して出演してくれたりすることがあった。或は第1希望ではなかったが、結果的に第二候補がよかったということもある。でも、毎回ラッキーな訳ではない。今回はかなり苦戦している。果たしてどうなるのか? がんばるしかない。

 

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