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監督はキャスティングをしてこそ監督。なのに、それが出来ない映画が多い?=太田組ではキャスティング前からマル秘演出? [映画業界物語]

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監督はキャスティングをしてこそ監督。なのに、それが出来ない映画が多い
=太田組ではキャスティング前からするマル秘演出?

企業映画では監督が決まる前に、多くの俳優がすでに決まっていることが多い。シナリオも出来ていて、最後に監督が決まる。Pから本を渡され「よろしくね〜」と言われる。複数の企業が出資した委員会方式でよくあることだが、それでいい映画が出来る訳が無い。キャスティングからが演出。それを監督にさせないというだけで本来はアウトだ。

伊丹十三監督の父、伊丹万作さんもいうように「100の演出より1の適役。キャスティングが大事」本当にその通り。往往にしてPは「主演は人気のあるあの子がいいな。相手役は大手事務所が売り出し中の**を使おう」とかいう打算だけで決める。適役かどうか?考えない。「その役、その俳優じゃないだろう?」という日本映画が多いのはその背景がある。

さて、そんな日本映画界なのに、と聞かれることがある。「太田組は低予算ながら、毎回、素晴らしい俳優さんが出演、感動的な作品ができるのはなぜですか?」実は先に挙げた状況を打破するある秘策を使っている。それを書いてしまうとマズイのだが、絶対にマネできないので紹介する。

キャスティングを監督がするのは当然だ。しない段階でアウト。だが、こんな場合はどうか? シナリオは面白いが、その主人公を演じられる俳優がいない。ハリウッドにならいるが、日本人の役だ。これは漫画原作の映画化でも同じ問題が起こるのだが、描かれたキャラクターを現実で探すのは難しい。

結局、顔が似ている人気俳優に依頼。それっぽい芝居をしてもらう。それではそっくりショーではないか? 「おー似てる似てる」「そんなイメージだなあ」ではダメなのだ。漫画原作でなくても、破天荒なキャラクターが演じられる俳優がおらず、昔なら横山やすしのような役を、破天荒でない真面目な俳優がそれなりに演じても伝わらない。

それなのに無理して作るから「なんか、違うよな〜」と観客は感じる。さて、太田組の対応法。どうすれば解決できるのか? 僕はシナリオを書く段階からキャスティングして書く。つまり当て書きをする。この役は俳優の**さん。これは女優の**さん。だから「この役ができる人がいない」にはならない。

ただ、その本人のために書かれた役だから、本人が演じれば他の誰が演じるより映える。おまけにシナリオを書くときに、その人がよく演じる役には絶対にしない。これまで見せたことない部分を引き出す、あるいは演じたことがない役にする。この人がそんな役やるのか?というキャラにする。そのことで俳優さんは燃えてくれる。俳優は挑戦者だ。難しい役に挑む。経験のない役を演じるとき燃える。真剣になる。

なのに、人気が出ると同じような役ばかり依頼される。挑戦できない。そんなときに「え? これ私がやるの?」という役が来れば「よし!」と思ってもらえる。そんな風に、当て書きであり、他の俳優には出来ない役でもあること。経験のない役なので挑戦したくなること。この2つのメリットがある。が、本人が出れないと大変。その辺の事情はまた別のときにか書かせてもらう。


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