太田組は新人も当て書き=ワークショップで見つけた俳優に合わせて役を直すことも?参加者募集中! [映画業界物語]
太田組は有名俳優だけでなく、新人でも当て書き=オーディションで決めた子に合わせて役を直すことも?
シナリオ執筆時に、俳優を想定し当て書きをすると書いた。が、それのみではない。シナリオが完成。オーディションを行う。その中に実力派や個性派がいたとする。ただ、シナリオ上の役とは少し違う。そんな時は、その子に合わして役の方を直すこともある。本来は許されないこと。脚本家の先生が大激怒する。
「撮影中に訳あって、物語を少し変更するのなら仕方ないが、キャラを直すなんてとんでもない!」
でも、太田組作品の脚本は全て僕自身が書いている。怒られることはない。通常はキャラが変われば物語が成立しなくなるのだが、僕が脚本を書いた張本人でもあるので、どこまでならキャラを変えても物語が破綻しないか?を承知している。物語を崩さずにキャラを変えることができる。もちろん限界はあるが、できる。
そのことで魅力的な新人を出演させられることが作品にプラス。役に近くても、魅力ない俳優が出ては作品にマイナス。新人だけではない。ベテラン俳優であっても、出演OKが出てから、役を直す。その俳優がより魅力的で、立つようにする。主演だけではなく、脇でも何でも直す。
オーディションでその役に相応しいと決めた新人の場合でも、その俳優と話をして感じるものがあれば、セリフを直す。そのことでより演じやすく、魅力的にするためだ。新人でもそれなので、すでによく知る俳優の場合も同様。有名ではないが、頑張っている。彼、あるいは彼女が出れる役はないか?と考える。
全くの新人よりよく知る人たちの方が安心だ。以前に小さな役で出てもらったとか、ある仕事でご一緒したとか。その意味でワークショップに来てくれた俳優なら、よりよく実力が分かる。毎回、4時間ほど演技してもらうし、話もできる。
だが、運命とは残酷なもので「前回、来てくれたあの俳優さん。今回、ぴったりな役があるのになあ」という時には来ない。流石に「役あるので、もう一度芝居を見せて欲しい」とは言えないので、メールで「ワークショップまたやるので」と連絡しても「今回はバイトの日と重なり残念です」と返事が来たり。
でも、それは縁がなかったということ。1年前のワークショップでは良くても、今は分からない。それが確認できなくては依頼できない。とにかく大事なのは、その俳優が今、抱える人生を役に反映させること。その時に輝く演技ができる。それを引き出すのが太田組流の演出なのである。
2020-01-25 18:09
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