俳優業、役に上下はないが、俳優には上下がある?② =そして俳優業は時間給ではない。勘違いする新人君? [映画業界物語]
俳優業、役に上下はないが、俳優には上下がある?② =そして俳優業は時間給ではない。勘違いする新人君?
通常の撮影現場では役に上下がある。「この人は主人公だから重要。この人は脇役だからどっちでもいい」ということ。でも、僕の考えは脇役だって重要だし、通行人だって重要。それぞれにドラマがあるという意味。
だから、誰も主人公なのだ。3人の女子高生が登場する物語だとして、通常は主人公は1人、相手役が2人。でも、太田組では全員が主人公だと考える。ただ、その物語を3人同時に描くと観客が混乱するので、1人を選び、その視点から物語を描く。それが一般に言われる主人公。
でも、別の2人の視点から物語を見ればその2人も主人公なのだ。つまり、誰もが重要なキャラクターであり、不必要な登場人物などいない。その意味でどの役も主人公であり。どの役も平等だ。ただ、先の映画ファンは「どの役も平等」というのを「俳優は皆、平等」と勘違いして解釈したようだ。
「役」=「平等」、「俳優」=「平等ではない」。
平等な訳がないし、平等ではいけないのだ。例えば、何十年も役者生活をしているベテラン俳優と、駆け出しの新人は平等ではない。ベテランは実績と実力を持っている訳で、それを尊敬すべきだし、それなりのギャラが払われる。待遇もいい。出てもらうことで映画の格も上がる。
が、新人はギャラが安い。それは演技力に定評もなく、経験も少ない。その俳優が出たからと、ファンが押し掛ける訳ではない。むしろ、現場は若手にとって勉強の場。ベテランと同じギャラ、同じ待遇がある訳がない。なのに、その映画ファンは「俳優は平等だ」というので、話がおかしくなる。もう少し解説しよう...。
(つづく)
ー4年前の記事からー
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