映画人、俳優は変人=彼らに常識を押し付ける人たち?(下) [映画業界物語]
映画人、俳優は変人=彼らに常識を押し付ける人たち?(下)
映画撮影でも同じ。1人の俳優が来ないだけでも、その日の撮影はできない。それが芸能の世界。それを非常識。
「親が病気なら仕事を休むのは当然」
と批判するか? あるいは映画スタッフは最初、無給で見習いをすることがある。現場で技術を学ぶ。それを
「ただ働きさせてる!」「若者を利用している」「せめて時給を払え」
と批判する人がいる。でも、職人や調理師の世界にも同じ習慣がある。そしてタダで働くのではなく、授業料を払わずに学べるのだ。それに気付いていない。
高い授業料を払い役に立たない知識を教える映画学校が多い。現場のベテランスタッフから直接、授業料なしで学べる見習い。どちらに意味があるのか?
学校を批判しないで、見習い制度をなじるのは違う。人は無意識に、自分のいる世界の価値観や常識に縛られてしまい、当然のようにそれを相手に押し付ける。受け入れないと批判。
「おかしい!」「失礼だ!」「常識がない!」
自分は正しい。相手が非常識なのだと考える。アーティストたちも世間の常識から見ると変人なのだが、実は彼らなりの価値観やルールが存在する。でも、カタギの世界から見ると意味不明。だから、変人だと思ってしまう。
東京と大阪でも価値観が違うし、日本とアメリカも違う。宗教によって、世代によって、男女によっても違う。業界だって、それぞれの価値観やルールがあるのだ。
(了)
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