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「なぜ、監督は俺のやる気を分かってくれない!」と新人俳優が心の中で思っても伝わらない。行動しろ、言葉にしろ。思いを届けろ! [映画業界物語]

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「なぜ、監督は俺のやる気を分かってくれない!」と新人俳優が心の中で思っても伝わらない。行動しろ、言葉にしろ。思いを届けろ!

15年ほど前になるが、無料のワークショップを毎月やっていた。若手俳優たちを応援するためと、僕が新作を撮る時によく知る戦力となってくれる俳優を探すためだ。ある時、その中の1人に言われた。

「俺はこんなやる気があるのに、なぜそれを監督は分かってくれない?」

意外だった。彼は20代後半。プロを目指しているのは分かっていたが、いつも陽気で軽いノリ。「やる気あるのか?」と感じることもあった。が、本人は凄くやる気でいたのだ。分かったこと。役者がいくらやる気でも、心の中で思っているだけでは伝わらないということ。言葉や行動にしなければ分かってもらえないということだ。

人のことは言えない。監督業もデビューするまで

は依頼がないと仕事ができない。が、ただ待っているだけでは依頼は来ない。だから、書きためたシナリオや企画書を持って営業。製作会社やプロデュサーに読んでもらう。そんな時、企画がいいとかシナリオが面白いということだけではダメ。こちらのやる気を伝えなければならない。

先の若手のように「こんなにやる気があるのに」と思っていても伝わらない。僕も最初は失礼のないようにと、営業に徹していたが、そもそもがおしゃべりで余計な話をベラベラしてしまったことが何度もある。そのことで嫌われたこと。そのことで面白いと思われたことがある。日本人は謙虚に「私なんて...」と控え目なのが大切と思いがちだが、この世界はそれでは通用しないことも感じた。

シナリオを書く、ドラマの演出する。

そうしたら自分で絵葉書を作り(当時はメールはなかった)業界の知り合いに送る。報告する。助監督の先輩や製作会社。映画以外の業界の人。音楽、出版関係も。だって、誰も僕を褒めたり、推薦したり、アピールしたりしてくれないから。アメリカなら監督も事務所に入っているのだが、日本は皆フリー。誰も何もしてくれない。特に新人はそうだ。

メールが普及してからは「太田組通信」というメルマガのような文章を作り、友人たちに送った。今、どんな仕事をしていて、どんな企画を考えているか?等を書いたもの。その延長が現在のFacebook。時間があれば会社を訪ねたり、営業マンと同じ。「近所まで来たので」とか言って。でも、そういうのは僕が一番苦手とするところ。胃が切れそうになった。

今ではそこまでしなくても、あれこれ仕事が来るようになった。が、認められ依頼が来るというのは大変なこと。心の中で念じているだけではダメ。俳優の場合なら。長くなりそうなので、その辺はまた。



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