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もう少し「さらば青春の光」の話を書く。尾崎豊とThe Who [My Movies]

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もう少し「さらば青春の光」の話を書く。尾崎豊とThe Who

尾崎豊はスプリングスティーンの影響が大きいと思えるが、その歌詞はTheWhoの方が近いと思える。10代のやりきれない気持ちを歌う。まさにTheWhoだ。映画の主人公ジミーはWHOが好きで、米軍コートを着てベスパで仲間と街を走り回るモッズ族。親や大人たちの説教にうんざりしている。尾崎は歌う。

「大人たちは心捨てろ捨てろいうが、俺は嫌なのさ」

「15の夜」の歌詞だ。この曲の最後はこう。

「盗んだバイクで走り出す。行先も分からぬまま、
この夜の帳の中へ
誰にも縛られたくないと、飛び込んだこの夜に 
自由になれた気がした15の夜」

これはほとんど映画のラストシーンだ。ドーバー海峡のあの白い崖。夜ではないが、スティングから盗んだベスパで走る場面は「15の夜」そのものだ。昨年、製作した映画「明日にかける橋」はそんな「さらば青春の光」やTheWhoの影響が大きい。

影響というより、主人公のみゆき(越後はる香)は若いのにTheWhoのファンという設定。部屋にポスターも貼ってある。今回39年ぶりに「青春の光」を観て主人公ジミーの部屋にも同じポスターが貼っているのを発見。驚いた。いくつもあるデザインの中で同じものとは完全に忘れていた。

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ただ、出演者の越後は当時16歳。さすがにWHOは知らない。そこで先に書いたように同じ思いを歌にしている尾崎豊のCDを宿題として彼女に渡した。尾崎でさえ彼女の世代からはかなり下なのだが、驚いたことに越後は尾崎のファンだった。

さらに、越後の20年後を演じる鈴木杏ちゃんまで尾崎のファンであることがのちに分かる。その尾崎はまさに日本版のThe Whoであり、「さらば青春の光」から全ては来ている。まさに主人公みゆきの気持ちはオープニングで流れる「real me」だ。

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「本当の私が分かかい? お母さん。お父さん。そして先生」

職員室で英語の先生に突っかかる時に聞く「四重人格」と「愛の支配」はまさにWhoのアルバム名と、曲のタイトルだ。しかし、現在10代の越後が尾崎豊に共感するというのは、時代が変われど10代の葛藤は変わらないということ。その背景にあるのは何だろう。僕も10代の頃は気づかなかったが、「光」の主人公ジミーも気づかずに暴走するしかなかった。

彼もまさに学校を卒業しても、今度は社会が大きな力で押さえつてきたのである。尾崎の「卒業」の歌詞の通りに。

「卒業して一体何が変わるというのか? 
これからは何が俺を縛り付けるのか?
あと何度、卒業すれば、本当の自分にたどり着けるのだろう
仕組まれた自由に、何も気づかず 足掻いた日々も終わる
この支配からの卒業」

18歳の時にこの映画を観て。それから39年。その向こうにあるものが今は見える。大人たちに心を捨てさせ、子供達を踏みつけてきた背景にあるのは社会構造。政治家と金持ちが手を組み、庶民を必死に働かせて楽して優雅に暮らす。昔は分かりづらかったが311以降。そして現政権の恥じらいもないやり方で明確になった。僕らを縛り続けていた連中の正体が今は見える。

そして僕らはいつまでも無力ではない。「行動すれば時代は変わる」それを伝えたのが「明日にかける橋」。その原点となった「さらば青春の光」が39年ぶりにリバイバルされたのも。新しい始まりなのかもしれない。


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