俳優業—そして表現の仕事を目指す人たちへ② それは本当の自分を見つける旅 [映画業界物語]
俳優業—そして表現の仕事を目指す人たちへ② それは本当の自分を見つける旅
俳優になるのを夢見る若い人たち。「その素質を鍛えれば、何とかなるのに〜」と思う子たちもいた。が、多くは自身過剰と勘違いで努力もしないまま、消えていった。俳優の卵だけではない。このシリーズに登場した脚本家志望の後輩も同じ。ヤクザの店でバイトして
「この体験をネタにシナリオ書けば、凄いものが書ける!」
といっていたが、結局書こうとはせず、その店の正社員になった。その後、彼が脚本家デビューしたという話は聞かない。監督やPの飲み会を聞けば駆けつける無名女優。製作会社に営業もかける。が、彼女に必要なのは演技力を磨くことだ。演技力がないから依頼が来ない。そのことに気づいていない。
「まだ本気、出してませんから!」
それが口癖の25歳。演劇学校に通っている。が、彼もまた消えた。映画監督志望なのにシナリオも書かないー学生映画も撮らないー友人の作品を批判してばかりいた後輩もいる。20年後に再会したが、未だにシナリオを書いていなかった。彼ら彼女らの問題点は同じ。高いプライドだ。
「私には力がある。テレビに出ているタレントより実力がある」
そう思い込んでいる。詰まらない仕事はしない。俺がやるときは、それなりの場で!とか考えるから、余計に何もしない。月日だけが過ぎていく....。では、どうすればよかったのか? (つづく)
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