僕の場合。映画監督になるために、あえて業界から遠ざかった?⑥ (終)=俳優等「表現の仕事」をしたい人たちのための覚え書き [映画業界物語]
僕の場合。映画監督になるために、あえて業界から遠ざかった?⑥
=俳優等「表現の仕事」をしたい人たちのための覚え書き
アメリカ生活を経験したことでシナリオが書けるようになったのではなく、異国で生活をしたことで様々な価値観、ものごとの見方、日本との比較、考えた方の違い、そんなことで知見が広がった。日本にいると当たり前のことが、世界では当たり前ではない。
日本の狭い、閉鎖的な考え方、習慣も感じた。また、逆に大嫌いだった日本の素晴らしさ、美しさも知った。そんなことが後々、シナリオを書く上で生きている。
そんなふうに僕の場合は業界でチャンスを掴む、業界で勉強するということより、物語を作るために、新しい体験を求めて海外に出て、戻った。その意味では「表現力を養うこと」ではなく「経験」の方を重用した。
先に書いた「俳優になるには…」の結論の逆をしている。俳優と監督との違いはあるが、下手したら日本に戻り、もう30代、そこから映画の世界で仕事をすることができなければ、大失敗となった。
しかし、友人、知人が業界にいたからこそ、助けられた。感謝せねばならないし、大きい。ただ、彼らの全てが献身的に助けてくれたか?というと、むしろ逆。僕の作品を認める者はほとんどおらず、批判否定の連続。それでも業界で働く彼らから情報や紹介を受けて展開することはできた。
大切なことは自分の目標が何なのか? 俳優か? 歌手か? 作家か? 映画監督か? そして自分がいる環境。どんなに実力があっても1人では何もできない。応援してくれる人、認めてくれる人、チャンスをくれる人、そんな人たちとの繋がりがあってこそ、前へ進める。
まじめにバイトしているだけでは何も変わらない。プライドを高く掲げるだけでは誰も助けてくれないのだ。今、俳優や歌手、作家を目指す人たちの参考になれば嬉しい。
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