俳優業に必要な「感受性」とは何か?① 才能ではなく感受性が大事。しかし… [映画業界物語]
俳優業に必要な「感受性」とは何か?① 才能ではなく感受性が大事。しかし…
俳優だけではなく、クリエーター、表現者、アーティストは「才能」ではなく、まず「鋭い感受性」が必要だ。何度も何度も書いたが「才能」なんてものは存在しない。前回も詳しく書いたので次に行く。では、「感受性」とは何か? 美しいものを美しいと感じること。悲しいことを悲しいと感じることだ。
自分の悲しみを悲しいと感じることは簡単だが、他人の悲しみを自分のことのように悲しむ人がいる。話を聞いただけで涙してしまう。或は映画を観て号泣してしまう。世間ではそんな人を「涙もろい」とかいうが、鋭い感受性を持つ人なのだ。そんな人が表現の仕事。アーティストに向いている。
ただ、感受性が鋭いと大変だ。多くの人が「へーーそうなの?」で終わることでも、泣いたり、落ち込んだりしてしまう。逆に小さなことでも大喜びしたり..。世間では「子供っぽい」とか言われがち。
つまり、子供の頃は純粋で感受性が豊か。子供はすぐに泣いたり笑ったりする。でも、日本では感情を押さえることが大人なのだと考えり。また、教育はあれこれ想像せずに、与えれたことを確実に再現するだけの勉強が多い。
文学を読み、作品を堪能するとか、絵画を観て感動する。それを語り合うという教育はほとんどない。そのため感受性が固まって行き、大人になると、多くが無感動、無関心になりがち。感動的な映画を観ても涙が出ず、
「女、子供なら泣けるが大人の男性を泣かせるほどの作品ではない....」
そう偉そうに言う人がいるが、大人の男性こそが感受性が固まり、感じる力を失っていることに気付いていない。そう考えると、感受性が鋭いのは、子供、若い人。女性が多いことになる。つまり、それらの人たちは表現、アーティストという仕事に向いているともいえる。
(つづく)
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