SSブログ

俳優という仕事。華やかなところばかり見ているから分からない過酷な生活。 [映画業界物語]

28059498_1821683161239313_4920575493736687493_n.jpg

俳優というお仕事。華やかなところばかり見ているから分からない過酷な生活。

ある若手俳優さんと精神病について話していた。通常、その手の話をすると皆、嫌がる。「お前こそが精神病じゃないか?」という目で見られる。が、彼はとても興味深そうに話を聞いている。訳を聞くと、

「精神に異常を来たす俳優は多いですから。周りにも結構いますよ。特に女優に多いですね...」

確かにそうだ。俳優業は物凄い神経を使う。カタギの人が考える以上に過酷な仕事。もともとが繊細でナイーブなのに、神経を酷使、擦り切れる表現をする。自分を追い詰める。見ていてもおかしくなるんじゃないか?と思える。

ハリウッド俳優のヒース・レジャーも「ダークナイト」でジョーカーの役を演じ、入れ込み過ぎたことがきっかけで死んだと言われる。実際の原因はドラッグだが、ある有名女優さんもこう言っていた。

「あの芝居を見ていると死んじゃうと思うな」

日本でも知られていないだけで、多くの俳優が精神病になり、自殺したり、引退したりしている。俳優だけではなく、お笑いタレントでもその種の病気で休業する人がいる。有名ではないが、僕の知る俳優でも、おかしくなった子がいる。もう、まともに接することができない。良かれとしたことを逆恨み。常識的でないことをしでかしたり。あとで病気だと分かったが、距離を置くしかない。

そういう言い方をすると、人はすぐに「叫び出したり、暴れ立ちするの?」と考えがちだが、以前の記事を見て貰えば分かるが精神病には様々な症状がある。多くに言えることは情報処理能力の欠如だ。気が狂って正気をなくすのではなく、情報処理が苦手になる。というとまた、知能低下と解釈する人がいるが、それも違う。

簡単にいくつか紹介すると、一部の記憶をなくす(記憶喪失ということではない)あるいは記憶を改竄する。実際にはなかったことを記憶にしてしまう。妄想を持つ。嘘をつく(本人は事実と思い込んでいる)ただ、日常生活に支障はない程度であることが多い。

「何かあの人変だな?」

と思えるとき、その種のことが原因だ。詳しく書くとまた長くなるので、以前の記事を読んでほしい。
(朝日のあたる家ー監督日記=>https://cinemacinema.blog.so-net.ne.jp/archive/c2305780767-1

ただ、精神病の知識がないと病気ではなく「変わった人」と思ってしまいがち。こうして周りは気づかず、本人が1人で苦しむことなる。過酷な仕事のせいだけではない。俳優は本当に大変なのだ。現場でスタッフに気遣う。共演者にも気を遣う。先輩にも気遣う。スポンサーにも気遣う。

自分を殺し、優等生を演じる。「そんなこと俺だって会社でやっているよ」というかもしれないが、俳優は毎日のように現場が変わる。その度にどこへ行っても、どの現場で気を使わねばならない。街を歩くときも、いつサインを求められるか分からない。下手に断るとTwitterで悪口を書かれる。人気商売だ。休まる暇がない。

だから、ベテランになるとマネージャーに当たる。新人に嫌がらせをして、ストレス解消をすることがある。でも、そんなことをせず、ひたすら我慢して、いい子を演じ続ける俳優がほとんど。

不安がある。ストレスがある。プレッシャー。嫌がらせ。事務所からの縛り。嘘。中傷。批判。ありもしないことを言いふらす人。スキャンダル。ゴシップ雑誌、写真週刊誌、パパラッチ。いつ誰が見ているか分からない。ちょっとした一言で大変なことになる。

信じていた人が平気で裏切る芸能界。利用しようと笑顔で近づく人たち。悪気はないが、無神経なファン。油断するとすぐにプライベートに踏み込んでくる。心休まる暇がない。

俳優とはそんな仕事。だから心を病んでしまう人も多い。スポットライト浴びた華やかなところばかりに目が行くが、俳優業とはそんな中で戦い続ける過酷な仕事なのである。


53050749_2506866409387648_171574876799238144_n.jpg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。