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仕事するとき、何パーセントの力でかかりますか? [my opinion]

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仕事って何なんだろう? もちろん、生活費を稼ぐためのものであり、より多く稼いで豊かな生活するためのもの....ではあるのだけど、撮影現場でスタッフを観ていると、それだけではないと思える。例え安いギャラであっても、猛暑の中、手抜きをせずにがんばる。機材を格安で借りてきてくれる。レンタル業者を拝み倒すようにして借りてくれる。

現場では昼飯タイムでも、食べ終わるとまだ休憩時間なのに現場に戻り、次の撮影の準備をする。ひとつひとつのカットを撮るのも真剣勝負。どんなに映画がヒットしても、歩合が貰えるわけではない。にも関わらず、彼らは全力で撮影に挑む。本当に凄い。太田組で仕事してくれるのは、そんな人たちばかり。もちろん、業界にはそうではないスタッフもいる。「今回はギャラ安いからそれなりにやるわ〜」と裏で笑っている奴もいる。

が、毎回。絶対に手抜きしない素敵な職人さんたちが集まってくれる。ただ、最初は違った。過去には、手抜きのスタッフも一部にいた。あるいは、あれこれ他のパートに口を出したり、古い価値観を振り回す奴もいた。手抜きも困るが、押し付けも困る。そんな人たちは次から声をかけない。と、いつしか全員が手抜きをしない真剣勝負のスタッフとなった。でも、この世界。そんな熱い人は結構いる。

そんな世界でもう15年ほど仕事をしていて、今回のメイキングの件はいろいろと考える。彼は「将来映画監督になりたい」という「今回は勉強になります」という。なのに明らかな手抜き撮影をし、本当にどーしようもない映像ばかり撮っている。多くの人に迷惑をかけた。問題は自分の夢である「監督」になる第1歩なのに「いい絵」を撮ることより「叱られない」ことを選んでいる。

これは先に紹介した映画界の人々というより、お役所に近い気がする。友人に聞くとこういう。

「役所の仕事はがんばっちゃいけない。新しいことをしてはいけない。余計なことをして叱られるのなら何もしない方がいい。与えられとこをそれなりにして失敗しないことが大事。そうすれば生活が保障される」

てなことを言っていた。別の友人は会社員だ。

「仕事は60%くらいの力でやる。会期末とは80%くらい出さなければならないこともあるが、100%は絶対に出さない。残りのエネルギーはプライベートにとっておく」

だから、飲み屋に行くとやたら元気でパワー全開のサラリーマンがいるのだろう。もちろん、役所の人でもすごい人はときどきいる。戦っている。数は少ないが。ただ、それぞれの業界でそれぞれの価値観がある。「仕事は金のため」「金よりもやりがいだ」「誰かのためになる仕事をしたい」いろいろだ。

なのになぜか映画人って、もちろん僕が知る人たちは現場で120%の力で仕事をする。腰を悪くしたり、目を悪くしたり、背中をやられたりするのに全力だ。時給に換算すれば本当に安い給与。将来も保障されていない。でも、「素晴らしい作品を作るため」「恥ずかしくない仕事を見せるため」と手を抜かない。本当に凄い...。

そんな世界に1歩踏み込んだメイキング担当の学生君はどんな気持ちで仕事をしていたのだろうか? 夢への第1歩なのに、いい絵を撮影するより、邪魔になり叱られないことを選ぶ。誰にも注意されない場所から撮影。そんな場所からでは「いい絵」は絶対に撮れない。また、全く撮影をしていないシーンもある。トイレに行っていたのか? 隠れて休んでいたのか? 撮影されていない。

それで現場は楽しかったのか? 「勉強になります!」を繰り返していたが、本当に勉強になったのか? 彼に関わらず、映画学校の学生たちと話すと、真剣さがない。熱いものがない。やる気を感じない。そのくせに「監督になりたい」「俳優を目指している」という。その学生君もクラスにいれば、ごく普通の生徒なのだろう。むしろ主流派かもしれない。ただ、役所で仕事をするなら、それでもいいのかもしれないが、映画の現場は違う。

いかに人と違うところを見せ、自分しかできないものを見せつけてこそ、必要とされる。次の仕事でも声がかかる。やはり、国が続けるサラリーマン育成教育の成果で、若い人たちは、そうなってしまったということ? 彼の撮ったブレブレの映像。1分の素材で使えるのは5秒ほど、それを切り出し。あるいはブローアップ。サイズを変えたり、別の映像と繋いだりすることでなんとか見られる作業を続けている。

俳優を撮影せず、延々とスタッフの背中や犬を撮影している映像が出てくると、今も怒りが頂点になり、作業を続けられなる。映像に彼の気持ちが出ているー撮影現場に興味がない、退屈なので何か他のものを撮る....。しかし、その映像を何とか人様に見せられるような作品にせねばならない。それが僕の仕事だ。イライラが鬱積して爆発しそうになるが、終わりまでがんばらねば。。。


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