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メイキング編集は続く(16)日本の教育システムに育てられた若者の末路は? [my opinion]

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とりあえず必要な素材を全て時間順にタイムラインに並べた。全てOKカットだ。といっても素材はかなり酷いので加工し、前後に別の映像をつけて補強せねばならない。ブレブレ、ボケボケの映像を何とかできないか? あるカメラマンに聞いた。いくつか素材を見てもらうとこう言われた。

「作品に対する愛がない。ただ、カメラを振り回しているだけ。高級なカメラを持っていても、その使い方を学んでいないのではないか? 幼稚園の運動会を撮影する父兄の映像の方が下手でもまだ愛があり、見られるが、この人の映像は俳優に対しても、スタッフに対しても、作品に対しても愛が感じられない。映像を見ていると撮影中に退屈すると、俳優を撮るのを止めカメラを別の方向に振り、映画とは関係ないものを延々と撮ったりしている。撮影自体に興味がなかったんじゃないですか?」

その通りかもしれない....。口では「がんばります」「勉強になります」と言い、「将来はカメラマンになりたいです!」と夢を語っていたけど、その夢につながるはずの現場に興味がなく、愛を持てなかった? そういうことなのだろうと改めて感じる。しかし、その種の若者は多い。「俳優になりたい!」というので、オーディションを紹介すると「バイトで忙しいので...」という。ワークショップに出ても、おとなしく聞いているだけ。

オーディションに来ても、その監督の作品を見ていない。演劇学校でも「卒業公演なんかに、本気出せないよね?」と話している。目の前の現実に本気で向かい合わない奴が、その先の夢にたどり着けるわけないのだが? どうも彼らはリアリティがないようだ。そして目の前にあるチャンスや機会を高校の授業と同じように、おとなしく、注意されないようにして、時間を過ごす。自分からは手を上げず、意見は言わない。与えられたことはやるが、適当に手を抜く。

「近頃の若者は!」と僕は言わない。日本の教育の成果なのだ。我慢して授業に出て、おとなしくして、目立ったことはせず、そこそこ勉強して、どこかの大学に入れる。有名大学に入りたがるけど、そのための努力をするのは一部の人たちで、隙があれば手を抜く、楽をする。結局、そこそこの大学に入るーあるいは勉強をしなくても入れる専門学校に行き、高校時代と同じように、おとなしく授業を受ける。

彼らは努力しないのに「有名大学に行きたい」と言っていたレベルでと「映画監督になりたい!」「俳優になりたい!」と夢を語るのだろう。そしてまた努力はしない。全力でかからない。そのくせ真面目に授業は出る。今回の学生君も同じで、せっかく憧れの撮影現場に行くチャンスがあったのに、いつもの授業と同じように、参加はするが全力でかからず、努力もせず、注意されないようにしながら、手抜き。

彼らが卒業したあとはどうするのか? 学校は監督業や俳優業の就職を世話してはくれない。そこそこの会社に就職して、また、真面目に会社には出るのか? 全力を出さず、隙さえあれば手を抜いて、注意されない程度に仕事を続けるのだろうか? でも、そんな若者を育てたのはー優秀なサラリーマンを作るためのー日本の教育システムなのだと思える。

優秀な成績を取れなかった者は、そのラインから弾き出されて3流大学に行き、3流会社に入り、そんなブランドは関係ないのに劣等感を持つ。そして、教育の中で「やりたくないこと」を、無理やりやらせるシステムで烙印を押された人たちは、いつになっても本当に自分が好きなことでさえ、全力を出さない。注意されないことが大事と考え、隙あらば手を抜く。真面目に会社には出勤するが、それなりにしか仕事をしない大人になる。そして彼らはいう「所詮、夢は夢なんだよ」努力もせずにそういう。日本の教育が意図はせずとも、そんな大人たちを作り上げたのだ...。


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