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メイキング編集は続く⑤ 誰も教えてくれない。学校では学べない。どうする若者? [映画業界物語]

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撮影6日目の素材を見ている。メイキング担当の学生君が撮ったものだ。最初に比べて映像が落ち着いてきた。ということは初めての撮影現場で動揺してミスを連発していたと思える。ピンボケ。手ぶれも少なくなった。が、確か、この辺で僕が彼の撮影振りを見て注意したのも思い出す。

あと、6日にして彼はとうとう革新する。誰が主人公か?を把握したようでカメラの中心でその俳優を捉えていたのだ!!!!そしてついに、6日目にして初めて、その俳優の寄り絵を撮影した!!! よしーーー!というか?遅すぎるのだが、、、、

それでも弁護的にいえば、撮影1週目は何を撮っていいか?全く分からない映像の連続。ロケ地近所の家の犬を延々撮影していたりする。それが少しすると引き絵ばかりだが、撮影の全体を撮るうようになる。それだけではダメなのだが、一時は彼は「メイキングとは引き絵で撮影風景を撮ること?」と考えているのかとさえ思えた。が、6日になると、途中でズームして俳優の寄り絵を撮るうようになった。凄い。進化している!

ただ、それは当たり前のことで、そのくらいのことは撮影初日からできることなのだが、まったくやる気のない学生というわけではないようだ。そして、いかに映画学校で何も学んでいないか?を痛感する。ただ、現場は学びの場ではない。実習でもない。真剣勝負の場だ。学生の勉強のために呼んだわけではない。でも、彼だけに関わらず、多くの若い人はその辺が分からないようで、「ギャラはいくらですか?」とまず口にする。とても金を払える腕でもないに関わらずだ。

バイト感覚。1時間働いたらいくら?ということなのだろう。だから、プロの現場でそんなレベルの学生を使うことは危険。本当は彼にとってとても勉強になるのだけど。それがあちこちで低予算映画が作られる中、学生であっても現場に呼ばれるチャンスが出てきた。真剣勝負の場というのは、ものすごく勉強になる。俳優でも100回レッスンを受けるより、1回撮影現場に出る方が100万倍勉強になる。スタッフも同じだ。

予算削減と不況のせいなのだが、それが学生には大きなチャンスとなっている。にも関わらず、それを生かせず、バイト感覚。言われたこともできない。言われたことしかしない。メイキングが何たるか?を勉強して来ない。主人公が誰なのか?も把握しない。ため息が出るが、以前のメイキング担当は編集を投げ出して逃げしまった。それに比べて今回の学生君は怒られながら叱られながら最後まで現場を務めた。映像を見ると少しずつだが進歩している。

今回は彼の学習の場を作ったわけではなく、プロの仕事としてお願いしたので、それはまったく果たせてはいないが、その背景にあるもの。いろいろと感じる。僕は思う。学校システムが、特に映画学校や演劇学校はその役割を果たしていない。彼らは高い授業料を払うだけで、役に立つことを学べず。学ぼうとせず。現場では使い物にならない。昔の映画界はそんな若者を育てる場でもあったが、今は違う。即戦力が必要とされ、育てる余裕はない。

学校でも学べず、現場でも教えてくれない。これは映画界に限ったことではないだろう。原石を磨くとかいうが、誰も磨いてはくれないのだ。自分で考えるしかない。DVDを見る。自分でやってみる。自分で腕を磨くしかない。そして、いつまでも無意味なレッスンをしていないで、現場に出ること。それが大切なこと。学生君の奮闘からも感じる。


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